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広報と広告22 情報編集力

広報と広告22 情報編集力

おはようございます。
 午前中は帯広経営研究会会報制作といくつかの準備作業。午後はH社へ。4時間たっぷり取材……。というよりも、興味深い話を次々と聴かせていただく。さまざまなことがわかってきた。僕の中でいくつかの情報の断片が少しずつつながっていくのを感じた。6時、いったん帰宅。6時45分、S社へ。7時から帯広経営研究会総務広報委員会。「広報からの学び」の4回目。テーマは「ブランディングとWEB、SNS」。インナーブランディングとアウターブランディングの話。紙媒体と電子媒体、半々で話していく。電子媒体のほうは本当は我が社の若手が話すべきだったかもしれない。ただ、経営者はだいたいのツボを押さえておくだけでよいはず。技術的なところにまでタッチする必要はない。9時15分終了。買い物。10時帰宅。

情報爆発と断片的情報

社内では10年以上前から「情報編集力」の重要性について語ってきました。これは我が社だけの話ではないな……。近年、そう思うことが増えています。とりわけ、経営者、経営幹部には情報編集力が欠かせません。情報をいったん集約し、それを編集してわかりやすいものにまとめていく。あるいは体系化していくことが求められます。
 どうしてそう思うようになったのか? それは情報爆発がとんでもないレベルになっていることと無関係ではありません。インターネット革命によって誰でも情報を好きなだけ入手することができるわけです。中にはフェイクニュースがあったり、何の役にも立たない情報もたくさん含まれている。ですから、情報爆発といっても、本当に役立つ情報は一部に過ぎません。ですが、その「一部」であっても、以前からは考えられないほど膨大な量となっています。
 情報の断片を集めれば集めるほど、わけがわからなくなってしまう……。すると、どうなってしまうのか? 多くの人は、自分にとって都合のいい情報や心地よく感じられる情報だけを集めようとする。そんな傾向が出てくるのではないでしょうか? 
 インターネットでは特にその傾向が顕著といえます。求めている情報があって、ネットで検索すると、確かにそれらしい情報が表示される。しかし、そこに載っているのはほとんどの場合、情報の断片に過ぎません。ネットでは、情報の切り売りが大部分。もっとも、無料ですから、「切り売り」ではありませんね……。
 いずれにせよ、情報受信者は断片的情報だけで「わかったような気持ちになる」か「もっとわからなくなる」かのどちらか。前者よりも後者のタイプのほうが健全な感じ方といえそうです。
 インターネットというのはどうしてそういうことになっているのだろう? 僕はときどき不思議に思うのです。紙媒体でしたらスペース(紙面、ページ数)に制約がありますから、伝えられる情報には限りがある。その点、ネットでは文字も写真も無制限に掲載することができる。その気になれば、本何冊分も載せることができるようになっています。
 ところが、WEBサイトを見ると、多くの場合断片的な情報ばかりなんですね。文字数もやけに少なく、その上、文章すべて1行ずつ空けて書かれていたりしますから、非常に読みにくい(そう感じるのは僕だけか?)。
 つまり、WEBサイトは「ちょっと知りたい」というときに活用するツールとなっているのです。

体系化された知識に

まとまった情報、体系化された知識を手に入れたい。そんな場合は、今でも紙媒体の方が優位に立っているのではないかと思います。電子媒体であっても十分代わりになるはずなのですが、今のところ書籍に関しては紙(印刷媒体)で読んでいる人が圧倒的に多い。長年の習慣がそのようにさせているのでしょうか? それとも、電子媒体だと目が疲れやすいという理由からか。永遠に紙媒体が優位とは考えていませんが、紙の本の時代は当面続きそうな気がします。
 どんなに情報が爆発的に増えたとしても、人々の知識欲が衰えることはありません。衣食住についてはどこかで「もう十分」という状態になると思いますが、こと情報・知識に関していえば、知れば知るほどもっと知りたくなる。「まだまだ不十分」と考えるようになっていく。不思議というか、当然というべきか? これは情報発信を仕事にしている僕らにとっては、ありがたいことといえるでしょう。需要は無限にあるのです。
 ただ、少し困った現象としては「情報の断片」を集めるだけで満足してしまっている人が多いような気がするのです。まとめサイトで情報収集するだけで、何となくわかったような気持ちになる。
 今日、僕らが仕事をする上で知っておくべき情報は実に幅広いものがあります。ですから、どうしても広く浅くということになりやすい。手っ取り早く、まとめサイトで集められるレベルの情報を揃えておきたい……。そう思うのも無理からぬところがあります。
 とはいえ、自分の専門分野が浅いのでは話にならないわけです。また、インプットした情報がバラバラのままで何のつながりもなければ、応用が効かない。単に「知っている」というだけで終わってしまう。これでは部下や後輩に知識として伝えることは困難でしょう。
 深くても浅くても、必要な情報はできる限り集めるべきですが、問題はそれを自分の頭の中で編集することができるかどうか? ここにかかっているのではないかと思います。今の時代、情報収集は容易になりました。ITの助けを借りることにより、情報加工もずいぶん楽になっています。今は「情報編集力」がものを言う時代といえるでしょう。情報編集だけは、ITに頼ることなく、自分の頭の中で行わなければなりません。
 たぶん、ここ数年のうちにちゃんと編集されたWEBサイトが増えていくことになると思います。雑誌とWEBサイトは同じようなものになっていきそうな気がします。書籍に近いWEBサイトも増えていくかもしれませんね(単に電子書籍でよいような気もしますが)。

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