
おはようございます。
昨日は午後から活動開始。仕事のスピードはのろい。頭が回転していないようだ。夕方、あきらめて買い物へ。夕食は寿司。
衝撃の回転寿司体験
このところ堅苦しい文章ばかり書いているような気がします。今日は最高気温が36度まで上がるとのことなので、ゆるい話にしてみよう……。1年ぶりに「味覚改革」の続きを書こうと思います。
僕もM氏もけっこう寿司好きであることが判明しました。といっても、寿司にこだわりがあるとか高級寿司店に行くというわけではありません。スーパーで売られている寿司で十分楽しめる。買い物へ行くのは夕方になることが多い。けっこう高い確率で30%引きや半額シールが貼られていたりします。
子供の頃、父親が宴会の帰りに折り詰めで持ち帰った寿司がやけにおいしかった……という記憶が残っています。自宅でつくることもありましたが、どうも寿司屋さんの寿司とは違う。特にエビの大きさと形の違いに子供ながら気づいていました。大人になった今ではどのエビも好物ですが、子供の頃はボタンエビのようなエビがやけに立派に見えたものです。甘エビが2尾乗っていても太刀打ちできるものではない。そう考えていたのです。
たまに家族で寿司屋さんへ行くこともありました。今考えると、なんと贅沢な体験。子供とはいえ、サビ抜きを頼んでいた自分が恥ずかしい。それでもエビ、イカ、オヒョウなど、白っぽいネタを中心に食べていた記憶があります。
時は流れて、高校時代。僕は衝撃的な体験をすることとなりました。僕は高校に入って、写真にどっぷり浸かる生活を送るようになっていました。そうして、3年生のときだったと思うのですが、コンテストで何かの賞を受賞し、表彰式のために東京へ行くこととなったのです。写真部顧問のM先生と一緒でした。場所はどこだったのかわかりません。連れて行ってもらって、初めて知ったのが回転寿司でした。
回転寿司の歴史は案外古く、1958年、大阪の元禄寿司が起源のようです。全国に普及したのは1970年代から。表彰式で東京へ行ったのは1979年だったと思いますから、東京にはいくつも回転寿司店があったはず。ただ、僕はその存在を知りませんでしたから、かなり感動しましたね。注文しなくても、目の前で寿司が回転しているんです。
その後、回転寿司に入り浸ったのかというと、そんなことにはなりませんでした。大学時代にそうした経済的余裕はなく、再び回転寿司へ行くようになったのは社会人になってから。それも、会社を設立した1989年以降だったような気がします。西荻窪北口に回転寿司店があって、そこで十分おいしいと感じていた。
帯広にUターンすると、帯広の、というより北海道の回転寿司のレベルの高さに再び衝撃を受けることとなりました。しかも、そこで感動的な出合いがあった。牡蠣の軍艦巻き。これが信じられないほどうまい。まあ、牡蠣好きで寿司好きな僕ですから、当然の帰結点といってよいでしょう。
人生道場としての回転寿司
このように書くと、今でも頻繁に回転寿司に通っているのだろうと思われるかもしれません。もちろんその気持ちは今もあるのですが、残念ながら行く回数はめっきり減ってしまいました。
最大の理由は「寿司が廻っていない」回転寿司が増えたこと。申し訳程度に廻っていて、食べたいものを紙に書いて渡すというスタイル。牡蠣の軍艦巻きであれば、そのように注文しても食べたいと思うわけですが、すべてのネタを紙に書くというのはどうなんでしょう?
回転寿司の魅力はどこにあるのか? それは「偶然の出合いにある」。そう力説したいですね。寿司の現物が目の前を廻っている。だからこそ、ふだん食べていないネタを食べてみようか……という気持ちになる。また、ベルトコンベアによって目の前から遠ざかっていこうとする寿司皿に一抹の未練を感じてしまい、ほぼ満腹状態にあるのに、つい手が伸びてしまう……。見送るべきか、もう一皿食べるべきか? そうした内面的な葛藤を味わうところに回転寿司の醍醐味があるわけです。
ただ単に食欲を満たす場所ではないのです。回転寿司は感性を磨く場であり、自己の内面と向き合う場でもある。そのためには、寿司は絶えず回り続けていなければならない、というのが僕の持論。
ですから、僕の考えでは、何周も廻り続けて乾燥してしまう寿司があってもよいわけです。干からびて、酢飯がやや硬くなった寿司を味わうのも、また乙なものです。これもまたひとつの人生。そう思えてなりません。そんな人生道場のような回転寿司店は、今日ほとんどなくなってしまいましたね。もしどなたかご存知の方がいたら教えてください。寿司が干からびても回り続けているような店。そんな寿司を久しぶりに味わってみたいものです。
かつては、できたてで鮮度抜群の寿司をハンターの目で狙っている自分がいました。若気の至りといえます。今の自分はちょっと違います。もう1周廻ってしまったら、捨てられてしまう運命にあるのだろうか……。そんな寿司に哀愁のようなものを感じて拾い上げてしまうに違いありません。おいしいばかりが寿司ではない。寿司たちはただむやみに廻り続けているわけではないのだ。そう信じたいですね。
我が家でもたまにではありますが、寿司をつくることがあります。10数人レベルの食事会であれば対応可能。といっても、酢飯をつくるのは僕ではくM氏なのですが……。そこでは僕が感じているような哀愁とはほど遠く、ひたすら味にこだわります。
僕のイチ押しのネタはローストビーフですね。バナナ牛のローストビーフ寿司。これまた信じられないほどうまい。牡蠣の軍艦巻きと甲乙つけがたい味なんです。
今日は日曜日。原稿執筆日ですが、果たして僕の頭は回転するのでしょうか?