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第22話 そうめんと経営

第22話 そうめんと経営

おはようございます。
 帯広は最高気温が38.8度まで上昇したらしい。農業への影響が心配される。我が家の庭の草花も元気がないように見える。家の中は比較的涼しかったが、午後にはエアコンを使うことにした。僕は原稿作成。気温とはまったく関係ない理由で頭がくらくらしてきた。資料の解読に手間取って、頭が熱を持っているようだ。それでも午後6時過ぎまでパソコンに向かった。

味見は経営判断

最高気温38.8度というのは、平年より20度も高い気温。フェーン現象とはいえ、異常な数値といえます。異常な出来事があると、僕はその意味について考えてしまう。考えたからといって、簡単にわかるものではありませんが……。
 異常な出来事というものは、他にもたくさん起こっています。自然現象というのは異常な出来事のひとつであって、さまざまなジャンルで異常な出来事や異常値を知ることとなる。その都度考えていたら、考えるだけで一生が終わってしまいそうです。
 考えるだけの人生というわけにはいきませんから、昼食は頭を冷やす意味もあって、そうめんをゆでることにしました。こうなることは最初からわかっていた。朝のうちにめんつゆを作って冷やしておいたのです。
 今年初となるそうめん。めんつゆの作成にはちょっとした緊張感が伴います。特に初そうめんの場合はなおさら。作り方はいたってシンプルなのに、会心の出来映えになることは3回に1回ほどしかない。30年くらいめんつゆを作り続けているのに、どうも思い通りにいかない。思い通りの写真がなかなか撮れないのと一緒かもしれません。
 我が家では市販のめんつゆを使うことはまったくありません。甘いのが苦手。ただそれだけの理由。甘くない市販のめんつゆには出合ったことがない。めんつゆはあっという間にできますから、わざわざ買う理由もありません。
 材料は「りせんの三のおだし」、かつお節、酒、塩、醤油。「りせん」のだしは3種類ありますが、「三」を袋から出して使っています。昆布の小さなつぶつぶ感が好きなのです。M氏は袋のまま使うことが多い。上品な料理にはこのほうがよいのかもしれません。めんつゆは僕の担当。必然的につぶつぶしたつゆとなる。
 僕が緊張感を味わうのは、ひと通りの材料が投入され、味見をする段階です。自分の味覚がどうも安定していない……。そう感じることが多くなってきたのです。そんなときには自分の判断に自信が持てない。少しずつ調味料を追加する。何度も味見をする。そのうちに、何が何だかわからなくなる……。これがもっとも好ましくないパターン。味見は2回くらいに留めたいもの。そうでなければ、経営判断もパッと決められない人間になってしまう。
 昨日のめんつゆはひと言で言えば、何かが物足りない。そんな味だったと反省しているところです。ふだんの倍の量を作ったため、調味料の不足があったような気がします。朝のうちに微調整してから、冷蔵庫に入れるようにしよう。

マニュアル化すべきか?

僕がめんつゆを作っている間、M氏は具材を用意していることが多い。ここはちょっと意見の分かれるところ。僕はシンプルに麺、つゆ、きざみのり、七味があればよいというタイプ。
 僕は立ち食い蕎麦を食べるときも、たぬき蕎麦か冷やしたぬき以外頼むことはありません。座って食べる蕎麦屋さんの場合はもりそば。あれこれ入っていると蕎麦そのものを楽しめなくなる。できるだけ一点に集中したいという思いが強いのです。
 そうめんにおいても、主役は麺であるはず。そう思うのですが、これは永遠に平行線のままでしょう。男女の違いもあるかもしれません。女性は一度に複数の仕事を処理する能力を持っています。左右の脳の連携がすぐれている。僕の場合、原稿を書いているときに話しかけられると、体勢を立て直すのに時間がかかる。多くの女性は割合平気であるに違いない(本当はどうかわかりません)。
 そんなわけで、具がいっぱいあるとそうめんの味がわからなくなるというのが僕の見解。そうめん大会を開くと、具がいっぱいあって喜ぶのは女性のほう。男は麺の量であるとか、ゆで加減のほうが気になります。
 そうめんをゆでることには何の迷いもありません。2、3度大失敗をして麺を台無しにしたことがありましたから、以来、お湯の量だけはたっぷり用意するようにしています。とにかく、ゆでるときに小さめの鍋を使ってはいけない。これだけですね、注意点は。
 そうめんをゆでるときは、お湯を沸騰させてから麺を投入し、十分にかき混ぜる。再び沸騰したらざるにあける。火加減にもよりますが、ゆで時間は45秒くらいでしょうか。あとは流水で麺をもむ。帯広に住んでいて素晴らしいと思うのは、外の気温がたとえ38.8度あったとしても、水が冷たいということです。ちゃんと冷えたそうめんを食べることができる。東京時代にはほとんどぬるま湯で麺をもまねばなりませんでした。この違いは大きいですね。
 食卓にはそうめん、めんつゆ、4、5種類の具材が並ぶこととなります。あとはきざみのりと七味。麺のゆで加減には自信がありますから、問題はめんつゆの味。味見したときと実際に食べるときとのちょっとしたギャップ。ひと口目はさすがに緊張します。昨日はややギャップが激しかった。思い通りの味にまとめられるよう、次回までに改善しなければなりません。
 昨日は「いっそマニュアルを作るべきではないか」と思ったのですが、めんつゆを作りながら、そうした気持ちは消えていきました。出来不出来はあっても、料理にはそのときの自分の気持ちや考えが表現される。プロであれば出来不出来のギャップは許されないかもしれませんが、自分たちで食べる分にはある程度許容されるはず。料理を通じて、自分のコンディションや課題に気づくこともあります。
 課題を感じるような料理をいかにおいしく味わうか? ここが重要。このあたりは、企業経営にも通じるところがあるような気がします。

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