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第17回 自費出版の費用

第17回 自費出版の費用

おはようございます。
 2月も今日を含め、5日間を残すのみ。早いですね。ほとんどの印刷会社は3月が書き入れ時。これから1ヵ月間、ハードな日々が続きます。そんな中、昨夜我が家では食事会が開催されました。参加者はゲストを含め18人ほど。僕は「北の錦 純米とろりにごり酒」を堪能。これは素晴らしい。僕好みです。お酒を飲んだ人は僕を含め3名のみ。土曜出社という人が多く、8時半には食事会を終え、それぞれ帰途に。僕もあっという間に眠くなり、気づいたら眠っていました(変な表現ですね)。
 さて、5日ぶりに「激訳・自分史作成講座」を再開しようと思います。今回は気になる「自費出版の費用」について。

制作内容によって大きく異なる費用

自分史に限らず、よく尋ねられるのが「費用はどのくらいかかるの?」という質問。
 よくわかります。僕も費用が気になりますから。
 でも、なかなか即答するというわけにはいかないのです。これからつくろうとする出版物の仕様と制作内容によって、大きく違ってきます。つまり、どのような本をつくるのか、具体的に決めていかないと見積もりすることができないということになります。
 まず、費用の内訳について知っていただきたいと思います。
1.印刷、製本
2.編集、制作、校正
3.流通管理費等
 大雑把に分類すると、この3種類でしょうか。

一番わかりやすい印刷、製本の費用から話を進めましょう。ただ、それでも話は込み入ってきます。
 自費出版の場合、印刷方式はオフセット印刷かオンデマンド印刷が選択肢となります。書店で販売されている本の大半はオフセット印刷によるもの。大きな印刷機を通して、紙にインキを乗せて印刷する方式です。オンデマンド印刷とはカラーコピー機のようなものと考えてください。トナーを紙に定着させる印刷方法(インクジェットの場合もあります)です。
 クオリティという点ではオフセット印刷のほうが高いものの、さほど大きな違いはありません。一瞬見ただけではわからないこともあります。ただし、費用という点では大きな差となることがあります。
 オフセット印刷は印刷機に版をセットして印刷する方式です。モノクロ1色であれば8ページ(本のサイズによって4ページ、16ページになることも)ごとに1枚の版が必要。カラー印刷なら4色で印刷するため、4枚必要となります。発行部数が1部でも1万部でも版数は一緒ということになります。したがって、少部数になればなるほど、1冊当たりの印刷単価は高くなるのです。
 オンデマンド印刷の場合、パソコンのプリンタ同様、データからそのまま印刷することができます。極端な話、1部からでも印刷可能。ただし、部数が増えると印刷料金も比例して高くなっていきます。また、使用する用紙は最大A3ノビなので、時間コストという点では不利になることもあります。
 小ロットならオンデマンド、数100部という単位ならオフセット。どのくらいの部数が分岐点となるかは、設備や人員配置によって変わってきます。印刷会社と相談して決めることになるでしょう。
 製本代はソフトカバーかハードカバーかによって、大きく費用が異なります。ほかに、カバーや帯を付けると費用が加算されることになります。

次に編集、制作、校正ですが、これが実にややこしい。著者がどこまでデータを整えるかによって、費用は大きく異なってくるのです。
 一番低コストで済ませるためには、著者が「完全データ」を用意することです。文字データだけではなく、レイアウトもご自身で行い、インデザインなどのレイアウトソフトを使ってまとめられていること。
 しかし、そこまで完全に整えられるのはプロレベルの人だけではないでしょうか? 「完全データ」として受け取ったものが、実はまったく使えないものだった・・・。印刷会社ではよくそんな場面に遭遇します。
 したがって、文字データのみ著者が用意し、レイアウトは印刷会社で行うというのが現実的だと思います。デザインの質という点からも、プロに任せることをおすすめします。
 これに加え、手書き原稿の場合はテキスト入力の費用がかかりますし、紙焼き写真を使用するには、スキャニング(写真をデータ化する)の作業が写真1点ごと必要となります。
 原稿そのものを編集者に依頼するというケースもあるでしょう。この場合は、著者に代わってゴーストライターが原稿を執筆することになります。インタービューから原稿を書き起こすという場合には、印刷・製本費以上に費用がかかるものとお考えください。
 いずれにしても、著者の要望を細かくお尋ねし、かかる費用を見積もることとなります。不明な点があれば、営業や編集者に確認し、十分納得した上で契約を交わすようにしましょう。

書店への流通を希望する場合は、このほかにISBNを取得する費用や流通管理費といったものが必要となります。
 ただし、自分史のようなプライベートな出版物を書店に流通させることはまずないでしょう。ですから、ここでは流通管理費を考慮する必要はないとお考えください。

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