第18回 本を披露する

第18回 本を披露する

おはようございます。
 昨日は十勝経営者大学の日でした。第6講「東南アジアの法制度」。講師は帯広畜産大学の岡崎まゆみ氏。今期は法律論ということで、僕にとっては難解な感じがするのですが、昨日のシビル・ロー(制定法主義)とコモン・ロー(判例法主義)の話はわかりやすいものでした。とはいえ、理解したとは言い難い。コモン・ローのほうが親しみやすいな・・・と感じた程度。
 さて、「激訳・自分史作成講座」も終盤に差し掛かってきました。今回は本が完成したあと、どうすればよいのかについて考えていきましょう。

本を永久的に保存するには・・・

一冊の本を完成させる。プロの作家でない限り、人生の一大事業というべき記念に残る活動に違いありません。多大な労力をかけて生み出された自分史なのですから、家族や親戚だけではなく、友人や仕事仲間などにも広く読んでもらいたいものです。
 日頃会う機会の少ない遠方の知人へ自分史を贈るには、郵送するのが一般的。この際、感謝の気持ちや出版に至った経緯などを記したあいさつ状を添えて送りたいものです。あいさつ状も信書という扱いになりますから、制限に抵触しないよう、送り方には注意しなければなりません。A5サイズ、1kgまで全国一律料金で発送できる「スマートレター」で送るのが無難でしょう。信書も同封可能な発送方法です。
 送呈先がたくさんあって、送料を抑えたいという場合もあるでしょう。その際には本のみ送付し、メール等でメッセージを伝えるという方法もあります。

出版記念パーティーを企画するのもよいでしょう。ただし、出版記念パーティーは著者が主催するものではなく、友人、知人が著者の出版をお祝いするというのが本来の趣旨。準備等は著者自身が行うとしても、親しい友人に発起人となってもらうようにしましょう。発起人の名前でパーティーへの招待状を作成、発送し、当日の進行も発起人に担当してもらうことになります。
 出版した本はパーティーの席上で出席者にプレゼントするのがよいと思います。したがって、出版記念パーティーの開催日は「本の完成後」でなければなりません。
 原稿の手直しや校正作業に手間取ってしまうと、本の完成がパーティーの開催日ギリギリにずれ込んでしまうことがあるものです。
 「500部のうち、パーティー用に10部だけ先にほしい・・・」
 印刷会社にそう要望しても、希望が叶えられる可能性は低いと考えていただきたいと思います。印刷も製本も機械化されていますから、10部つくるのも、500部つくるのも、工程上大きな違いはないのです。
 スケジュール通りに本の制作作業を進めていくこと。そして、余裕を持った日程でパーティーの開催日を決めることが大切です。

完成した自分史は知り合いにだけ贈呈してもよいのですが、ぜひおすすめしたい送呈先があります。
 それは国立国会図書館(東京都千代田区永田町1-10-1)。日本国内で発行される図書類は、すべてこの国会図書館に収められることになっています。自分史も例外ではありません。自分のつくった本を未来永劫、国の図書館が保管してくれるということです。
 何らかの事情で自分の手元から本がなくなってしまった・・・。そんな場合でも、国会図書館に出向けば閲覧できるということになります。
 国会図書館以外にも、自費出版の献本を受け付けている図書館があります。ただし、地域の公共図書館の場合、対応はまちまちのようです。問い合わせてみるとよいでしょう。
 全国各地から自分史を積極的に収集している施設もあります。愛知県にある「文化フォーラム春日井 日本自分史センター」(春日井市鳥居松町5-44)がよく知られています。
 図書館への納本はいずれも「寄贈」という形になります。購入してくれるわけではありませんので、この点ご注意ください。

日本ではまだまだ紙の本が主流で、電子書籍の普及はマンガ本など一部に限られているというのが現状です。ただ、将来的には少しずつ電子書籍も読まれるようになっていくことでしょう。
 電子書籍のデータを作成するのも、以前に比べるとずいぶん容易になりました。印刷データからPDFへは、まったく手間なくデータをつくることができます。文字主体の本であれば、電子書籍用のEPUBファイルの作成も問題なくできるはずです。
 したがって、自分史を電子書籍化して配布したり、保存するというのもひとつの方法でしょう。
 長期保存という点で、電子書籍と紙の本とではどちらが優れた方法なのでしょう? この問題には結論が出ていません。フロッピーディスクやMOといった記録媒体が使われなくなったように、今のデータ保存の方法が未来永劫続くわけではありません。別な媒体に移動させたり、バックアップをとることが必要となるでしょう。クラウド上に保存するのが今のところもっとも安全と思われますが、100%という保証があるわけではありません。
 一方、紙媒体のほうは経年劣化という弱点はあるものの、数100年にわたって保存することが可能です。何しろ、グーテンベルクの「42行聖書」も、世界に48部現存しているくらいですから。
 現時点では、紙の本とデータ、両方で保存しておくのがベストといえるのではないでしょうか。

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高原淳写真的業務日誌