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北海道の仕事と暮らし122 真の「対等」とは

北海道の仕事と暮らし122 真の「対等」とは

おはようございます。
 朝7時、次世代幹部養成塾第17講。読書会。課題図書は「人を生かす経営 中小企業における労使関係の見解」(中同協)。背景を説明する必要があると思い、いつものグループ討議は省略。30分ほどパワーポイントを使って解説。その後、数名から意見を聴いた。僕には「労使」という認識が希薄だが、希薄になりすぎると困った問題が発生することもある。「労使」という言葉は好きにはなれない。それでも健全な労使関係を築いていく必要があると思っている。昼は昼食会。午後1時半来客。3時半役員会。4時半幹部会議。会議終了後、ミーティング。6時半帰宅。とてつもなく眠い。本当は7時から予定が入っていたのだが、休ませてもらうことにした。

「人を生かす経営」をどのように読むか?

労使見解は中小企業家同友会の基本思想といえます。会員企業の経営者であれば、おおむねその内容を理解していることと思います。ただ、社員の目に、労使見解はどのように映るのでしょう。このあたりは、以前から気になっていたことでした。
 僕としては、中堅幹部であっても、新入社員であっても、経営者的視点を持ってもらいたいと思っています。一般社員だから社員の視点しか持っていない……というのでは、組織人としての成長はさほど望めません。自分が役職者の立場に立ったならどのように考えるのか、意思決定するのか? 絶えずそのような意識を持つことが重要です。
 次世代幹部養成塾の参加者であれば、自分が経営者だったらどのように捉えるのか、常に考える必要があります。これは今回の講座だけのことではなく、毎回経営者的視点が求められる。僕らには社員目線と経営者目線、最低2つの目線が必要なのです。
 労使見解は8つの文章によって構成されています。といっても、その文章は簡潔にまとめられています。「人を生かす経営」はA5判58ページの冊子。そのうち、労使見解の原文は正味9ページ。10分もあれば読むことのできる分量です。
 同友会の会員の中には、これを何度も繰り返し、すり切れるまで読んでいる経営者がいます。アンダーラインや書き込みがしてあったりする。何度も冊子を開いたり閉じたりしているせいか、紙が柔らかくなっているように見える。僕の冊子はあっさりしたものです。何ヵ所かにカラーマーカーを引いてある程度。どのページもまだ白い。したがって、労使見解に対する僕の理解度はまだまだ浅いと考えるべきかもしれません。
 最近、僕の中でちょっとした疑問として浮上してきた問題があります。最近といっても、5、6年前くらいになるのでしょうか。
 それは、一部の社員は実は「対等な関係」を望んでいないのではないか……という疑問です。この問題についていい加減に書くと誤解されそうなので、少していねいに説明することにします。

意思決定の仕組み

労使見解の中では「労使は相互に独立した人格と権利を持った対等な関係にある」と書かれています。この点では全員認識が一致しているに違いありません。「社員は一定の契約に基づいて経営者に労働力を提供する」とも書かれています。ふだんそうした認識は希薄かもしれませんが、この点でもおおむね一致できるはず。
 ですから、契約内容に満足せず、生活レベルが高まるよう経営者と交渉する……というのが、1970年代に盛んだった労働運動。当時も今も、多くの中小企業経営者は労働者を搾取するなどしていませんから、組合から突き上げられた昔の経営者は苦境に立たされることとなった。そうした悩みを持つ経営者が集まってできたのが「労使見解」(1975年発表)ということになります。
 労使関係は対等。であるならば、責任、権限、義務も対等ということになるはずです。会社組織には役職がありますから、対等であっても中身がまったく同じというわけではありません。役職に応じて、責任の範囲や重さが異なってくる。役職(責任)に見合う権限を持ち、義務を負うことになります。
 したがって、労使見解ではこのように記述されています。
 「人格としてはまったく対等であるが、企業の労働時間内では経営権の下における管理機構や、業務指示の系統は従業員にとって尊重されるべきものです」
 ちょっと堅苦しい感じがしますが、これもその通りであり、「違う」という人はいないでしょう。
 対等であることと指示命令系統があること。これは矛盾するものではありません。もし管理機構がなかったら、何も決められない組織になってしまうでしょう。物事は何でも全員一致ということにはならないからです。
 「対等を望まない」という考えを持つ人は、言い換えれば上下関係意識の強い人ということになります。権限を飛び越して命令する人や権限のない人から言われて従ってしまう人。我が社の中でもたまにそのようなことが起こっているに違いありません。人に盲従するタイプの人の中には単に「対立を避けたい」と考える人もいますが、一方では「従っているほうが責任を負わずに済む」という考えもあるでしょう。これでは対等な関係とはいえないわけです。
 対等であることを望んでいながら、心の一部では上下関係であることの居心地のよさを求めている。人格面で何となく成長できずにいる人は、そのような心理状態になっているのではないでしょうか?
 我が社はまだまだ未成熟なところがあります。我が社としての意思決定の仕組みをきちんと明文化、ルール化する必要があるのかもしれません。これまでは各自の人間力やコミュニケーション力を頼りにしてきた面がありました。しかし、価値観、考えが多様化していく中で、遅ればせながら、みんなが迷わずに済むような仕組みづくりが必要と考えるようになりました。
 自立型、そしてさらに上の相互依存型の組織を目指していくには、一人ひとり対等という価値観を持つべきだと僕は考えています。対等でありながら、全体として意思決定が速やかに行われ、必要十分な組織力が発揮されている……。そんな会社づくりを目指していきます。

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