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経営指針の話37 我が社の多能工化

経営指針の話37 我が社の多能工化

こんばんは。
 スロウ第60号の制作に全力を投入。前日作成した5ページの記事の微調整。続いて、「記憶の中の風景」(9ページ)。昼頃に仕上がった。驚異のスピードといえる。これで土日で14ページ進んだこととなる。昼食後、どうも調子がおかしい。眼精疲労&肩凝り。フォトショップを使いすぎるとこうなる。休憩し、2時半頃から作業再開を図るが、目を酷使する仕事は困難。取材準備の時間に充てる。

テーマを絞り、事業領域を広げる時代

世の中は複雑化し、仕事は高度化し、経営者の考えるべきことは山ほどある……。つい、そんなイメージを持ってしまいます。このため、目の前の仕事に集中し、目の前にある問題で頭を悩ませている社員についての気配りが手薄になる。経営者ばかりではなく、一部の幹部にもそうした傾向が見られるのではないでしょうか? 考えなければならないこと、しなければならないことがどんどん増えている。そんな感じがします。
 大阪へ行って思ったのは、「自分の仕事をもっと減らさなければならない」ということでした。仕事量というよりも、カテゴリーを減らすこと。これが欠かせない。もともと器用なタイプとはいえない人間。カテゴリーやテーマを絞り、そこで思い切り力を使ったほうがよい。そう思えてきました。
 社内を見渡しても、僕と同じようなタイプ、同じような課題に直面している人が何人かいるような気がします。能力の高い人の中にそうした課題を抱えている人がいる。仕事ができるため、つい各方面から依頼される。その結果、オーバーワーク気味となる。もっとも力を入れるべき仕事に全力を投入することができない。幅広い仕事をカバーしているものの、何となくパフォーマンスが低下しているような気がする……。そんな自覚症状のある人は僕に声をかけてください。一緒に打開策を練りましょう。
 会社全体となると、話はちょっと違ってきます。
 力が分散するから、できるだけ事業領域を絞り込んだほうがよい。そう考える時代は終わりを告げました(そう断言してよいのか?)。異なる考え方もあるでしょうが、僕は間口を広げるべき時代だと考えています。
 とはいえ、単純に間口を広げればよいというものではありません。テーマを絞り込んだ上で間口を広げる。ちょっとわかりにくいでしょうか。
 我が社の場合は、「価値ある情報の発信」とか「北海道」「十勝」といったものがキーワードとなっています。部署ごとに多少のバラツキはあるものの、だいたいの方向性は揃っている。その程度の絞り込みを行い、その上で間口を広げる。テーマを意識しながら、印刷だけではなく、電子媒体、動画、イベント、ツアー事業など自分たちにできそうなこと、やりたいと思うことを増やしているところです。
 以前は「どうすれば印刷受注を増やせるか」がテーマでしたが、今は「どうすれば地域の情報を効果的に伝えられるか」について深掘りするようになってきています。その結果、商品の種類が大幅に増えていきました。大変といえば大変ですが、すべての仕事がつながっていて、無関係なものは何ひとつありません。おそらく、逆方向へ向かうことはないのではないかと思います。

人生テーマと職域

考えねばならないことは、事業領域が広がっているのに、社員数は増えてないということ。社員一人ひとりが多能工化していけば問題ありませんが、そのように自分の職域を広げていける人は案外少ない。多能工化を無理に求めるわけにもいかない。その結果、一部のできる社員、器用な社員にしわ寄せがいくという傾向が現れてしまいます。
 このような状況に至る原因をたどっていくと、それは新入社員時代にあるのではないかと僕は考えています。入社時に、「どんな成長イメージを思っていたのか」。そして、上司が「どのような職業人に育てようとしたのか」ということ。
 社員を「人手」と考える上司は、ひとつの職域だけしか教えようせず、その人の専門分野以外の仕事を評価しようとしない。こうなると、職域を広げようという気持ちにはなりにくい。部署の職域からはみ出すような仕事にもチャレンジする機会を与える。これからの時代の人材育成には欠かせないはず。
 本人にも未知の領域にチャレンジする姿勢が求められます。これは心構えの問題であり、ビジョンの持ち方の問題。たとえば、「一人前の写真家になる」というのは立派な目標ではありますが、発展性には乏しい。写真という技術を生かして何を実現させたいのか? ここが重要なのであり、「プロになる」とか「管理職になる」といった漠然とした目標設定だけでは、自分の持つ能力を開花させることは困難なのではないかと思います。
 結局、「何をどうしたいのか」ということを突き詰めて、そのために自分のできることを最大限の力で成し遂げる。そういう人が成長し、我が社の中でリーダーとなっていくわけです。できることを最大限に行っていくと、今の自分の職域だけでは不十分であることに気づくはず。だから、編集者であっても写真を撮りたいと思う人もいれば、営業職であってもレイアウトソフトが使えるようになりたいと考えたりする。こうした自然な欲求を無理に抑え込むべきではありません。
 これによって、若干の生産性が低下したとしても、多能工化によるメリットは人生のどこかでハッキリ現れてくる。正解はひとつではありませんが、僕の34年の仕事人生ではそのように確信しています。
 若い人にお勧めしたいのは、人生テーマを明らかにすることです。後年、変更することがあっても構わない。現時点での人生テーマ。それがハッキリすれば、今の職域にしがみつく必要はなくなるわけです。自分の専門分野を核として、そこから少しずつ広げていくことが可能となる。
 テーマのハッキリしていない人は、自信がなくなったり、将来が見えなくなると転職という形で、振り出しに戻ってしまうことがあります(もちろん前向き、発展的な転職もありますが)。せっかく身につけた技術ですから、生涯活用すべきというのが僕の考え。コア技術を持ち、そこから広げていくという発想を持つことが大切でしょう。
 社内に多能工が増えていくと、ウルトラ多能工の人は適正範囲の仕事ができるようになっていくはずです。

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