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経営指針の話40 コア商品と周辺商品

経営指針の話40 コア商品と周辺商品

おはようございます。
 昨日は滝上での撮影を予定していた。雨の予報だったため延期に。自宅にこもって仕事をすることにした。ここで一気に遅れを取り戻せるはず……と考えたが、眼精疲労が一日遅れでやってきた。午前中はアイデアを書き留める時間に充てる。パソコンに向かったのは午後から。7月3日に行われる同友会大学の準備。去年と同じ資料を使ってもよさそうなものだが、同じ話をするのはおもしろくない。一部入れ替えようと思ったら、ことのほか時間がかかってしまった。2時間で終えるつもりだったのに、気づくと夕方になっていた。今年は事業領域について重点的に話そうと思った。

プロダクトアウト型

中小企業の場合、経営者の考え方や性格が色濃く反映された事業活動になっているのではないかと思います。大企業にもそうした会社があるでしょうが、それは創業者が健在な場合など、一部に限られるはず。企業の規模が小さくなればなるほど、事業の展開の仕方がその会社の経営者(または大きな影響力を持った人物)の性格に近づいていく。したがって、理論通りにはいかないことが多い。
 つまり、セオリーを無視した事業展開が行われる。ここに危なっかしさとおもしろさがあるわけです。おもしろい仕事をしたいと思っている学生さんは、大企業に勤めるよりもユニークな中小企業に就職することをお勧めします。確実に利益が出そうなことを間違えのなさそうなやり方で行う……。そこにどれほどのおもしろみがあるのか? あることはあるでしょうが、おもしろさの種類がちょっと違っているのではないかと思います。
 我が社はかなりセオリーを無視している会社ではないかと考えることがあります。マーケティングの仕事を請け負うこともあるというのに、我が社が新事業を開始する際には、マーケティングリサーチを組織だって行ったことは過去に一度もない。たまに、思い出しように「アンケートを採ってみようか」ということはあるのですが、そのアンケート結果が商品づくりに反映されたことはたぶんない(僕が知らないだけかもしれませんが)。つまり、完全と言ってよいほどプロダクトアウトの会社といってよいでしょう。
 だからといって、消費者のことを無視しているとか、市場についてまったく知らないというわけではないのです。
 基本的な考え方は「自分たちの読みたいと思うような本をつくる」とか「自分たちがほしい、愛用したいと思うような商品をつくる」ということ。ですから、アンケートを採るまでもない。採ったとしても社内アンケートくらいで十分。
 それよりも、僕が恐れているのは、「広くアンケートを採った結果、自分たちのつくりたくないもののニーズが高かったらどうしよう?」ということ。そういう可能性もないわけではありません。現に、自分たちが一生手にすることのなさそうな本が売れていたり、使うことのなさそうな印刷製品が売られていたりする。僕個人の考えとしては、「マーケットイン」というものはどうも好きにはなれません。
 僕ほど極端ではないにせよ、我が社の中で商品開発に関わる人の多くはプロダクトアウト的な考えを持っているに違いありません。

事業領域の広がり

ただ、プロダクトアウトに偏りすぎると、市場から受け入れてもらえないというリスクも高まります。独りよがりな商品になりやすい。特定の人にとってはおもしろいが、市場が極端に狭いものとなる。
 そこである程度間口を広げた商品をつくるというケースがあります。我が社にもある。自分たちがとことんつくりたいと思ってつくった商品。そこから派生して、ある程度「売れるのではないか」と思ってつくった商品。後者は決して妥協してつくったということではなく、間口を広げたいという思いでつくられたもの。これも、重要なマーケティング活動ではないかと思います。
 自分たちが本当に大切だと思っている商品は、ひたすら純粋に作り続ける必要がある。そして、活動の仕方は純粋であるものの、広く受け入れられるようにアレンジしたものも経済活動には必要であるはず。趣味と仕事はここが異なります。純度だけで仕事ができるのは、アーティストなど一部の職種に限られるでしょう。
 自分たちにとって本当に大切なもの、重要な考え方を広く知ってもらう。そのための入口商品が必要だと考えています。我が社の場合、その入口商品が入口になっていないケースがたまにある。わかりにくい入口。ですが、その入口を見つけた人は大いに喜んでくれることもあるようです。
 旭川のほうで、スロウ60号を記念して、スロウ村的なイベントを自主的に開催してくれる人たちがいる、という話を聴きました。大変ありがたいことです。スロウ編集部もブースを出すと決めたようなので、タイミングが合えば僕も参加しようと思います。
 我が社に限らず、コア商品というものは大切にすべきもので、大切にするがゆえに周辺商品をどのように配置するのかが重要となります。おもしろいと思うのは、周辺のほうが売れてしまうという現象が起こりうること。我が社にはまだそこまでのものはありません。将来的には有望な周辺商品として期待しているものがあります。そうなると、新たなコアとなるのか、それても従来のコア商品を大切にし続けるのか。ちょっとした葛藤があるかもしれません(我が社の場合、価値観は共有されているので葛藤はないでしょう)。
 このようにして、事業領域は中心から広がっていくもの、という認識を僕は持っています。ただ、僕がそう思っているだけであって、別な立場の人たちからすると「自分の仕事がコアなのだ」と考えるでしょう。日本の中心は東京だと思っている人がいますが、帯広に住んでいると帯広が日本の中心なのです。大阪の人は大阪が日本の中心だと思っているはずです。
 自社全体の価値を高める。そのためには、中心がどこであるかは、さほど重要な問題ではないのかもしれません。

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