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北海道の仕事と暮らし130 製造業のおもしろさ

北海道の仕事と暮らし130 製造業のおもしろさ

おはようございます。
 朝6時45分出発。8時45分南千歳着。K氏と合流し、取材&撮影。雨天のため、外観は後日撮影することになった。次の取材場所は小樽。次第に晴れてきた。2時間以上時間がある。昼食は以前K氏が取材した店。少しだけノートPCを開いてちょっとした作業を行う。まだ時間がある。午後の取材先の近くにある古民家カフェへ。ここで2人とも本格的にパソコンを使った作業をする。ずいぶん進んだ。後半の取材は2時から。大きな建物が気になっていたが、内部は別世界だった。とある製造業の取材。これは大いに盛り上がる。K氏も同様だった。これほど大規模なのに工程の大部分は手作業。しかも、道民にはなじみ深い製品なのに、製造工程はほとんど知られていない。被写体の宝庫だ。もっと撮影時間がほしい。そう思った。4時半頃札幌へ。K氏と別れ、僕は宿へ。パソコンを開いて6時頃まで作業。こういう仕事の仕方もいいな。早めに眠る。

真剣なものづくり現場

いつも感じることですが、製造業の取材は実に興味深く、被写体としても魅力的に思えます。昨日の取材はほとんど理想的といっても過言ではありません。建物といい、使い込まれた機械といい、実に美しい。小学校の授業で工場見学もあるとのことでした。子供の頃にこのような製造現場を知ることは非常に大切。自動化された工場よりもこのほうが将来のためになる。
 大人にとっても刺激的な場所といえるでしょう。工場見学ツアーをつくることができたらおもしろいだろうな……。もっとも、一般受けするかどうかわかりませんし、旅行者を受け入れてくれるとも思えませんが。これは取材という大義名分があるから、ここまで奥深くまで見せてもらえるのだ、と考えるべきでしょう。
 製造現場には実にさまざまなタイプの人がいます。当たり前の話ですが、一人ひとり個性があり、一人ひとりそれぞれに自分の人生がある。この人にはどんな家庭があって、どのような暮らしをし、どんな気持ちで仕事をしているのだろう……。撮影をしながらも、ついそのようなことをイメージしてしまいます。
 カメラを持って工場内部をずかずか入っていくため、働く人にとって僕らは異質な存在でしょう。笑顔であいさつする人もいれば、何となく気にしている人、仕事に没頭している人もいます。製造現場というものは、だいたい似たような雰囲気を漂わせている。そして、どの現場にも真剣にものづくりをしているという空気感が感じられる。僕らが取材する製造業は魅力的な製品を作っているところばかりですから、真剣さが感じられるのは当然のことかもしれません。それゆえ、こちらとしてはちょっと遠慮しながらカメラを向けることとなります。
 1日8時間労働として、昼食や休憩をはさんだとしても、このような仕事が自分にできるだろうか? そうイメージすると、僕にはすごいことのように思えます。我が社の工場もそうですが、やはり製造現場にはこの真剣さが欠かせません。いい製品を作っているという誇り、あるいは使命感を持っていること。そういう人たちによって製造業は支えられているのでしょう。
 それゆえに、製造業の取材はいつも興味深く、そして深く考えさせられるものがあります。できるかどうかは別として、自分の中にも「ものを作りたい」という欲求がある。取材するうちに、そのあたりが刺激されているのを感じます。

すべてのものは二度つくられる

そんな感覚を持っている人は僕だけではないでしょう。編集者の中にも「実はものづくりが好き」という人が案外多い。「物好きな人」と「ものづくりが好きな人」。編集者をタイプ分けすれば、だいたいこのどちらかに分類できそうです。
 今朝になってみて、「すべてのものは二度つくられる」という言葉を思い出しました。「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー著)に出てきた言葉。すべてのものはまず頭の中で創造される(第一の創造)。そして、実際に形あるものとしてつくられる(第二の創造)。
 製造業を取材すると、「ものづくりはすごい」と思ってしまいます。第二の創造の現場は目に見えるから、すごさが直接的に伝わってくる。写真に撮ることも可能。ですが、第一の創造も目には見えないけれども、「ものづくり」と考えてよいのではなかろうか? 編集者も営業パーソンも、自分の頭の中でものづくりをしている。こんな出版物や印刷物をつくりたい。そうイメージし、実際に企画や計画を立てる。頭の中で何かを創造しているわけです。
 ところが、頭の中でのものづくりというものは、そのままでは目に見えないんですね。自分以外の誰かの協力を得ながら、形にしなければならない。第二の創造を担当している製造現場の人たちからすると、誰の頭の中で創造されたものなのか、日常業務の中で意識する機会は少ないのではないかと思います。我が社の仕事について考えると、ここに若干の課題が隠されているような気がしました。
 「第一の創造」がどのようなものなのかを正確にイメージできる人が、「第二の創造」によって、いい製品を生み出すことができるのではないか? 印刷現場でいえば、製版担当者から刷版を渡されて、それを印刷機にセットして印刷するだけ……という仕事の仕方では、本当にいい製品にはなりにくい。もっとも、みんなプロですから一定の水準以上の品質は確保されているはず。さらにハイレベルなものを求めるなら、という話です。
 企画や制作に携わる人にはコミュニケーション能力の高さが求められます。データを渡して終わりということにはならない。ハードに働いていると、印刷は現場任せになってしまいがち。定期刊行物であればそれでもよいわけですが、意図が伝わりにくいもの、特別な思いが込められているものは、印刷に立ち会う必要がありますね。それがいつでも簡単にできてしまうというのが我が社の強みでもあります。
 第一の創造と第二の創造がひとつの会社の中で行われている。昨日の取材先と我が社は、この点で共通の強みを持っていました。

ソーゴー印刷株式会社

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