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スロウな旅08 ちょうどいい場所、店、イベント

スロウな旅08 ちょうどいい場所、店、イベント

おはようございます。
 朝6時45分出発。9時過ぎ層雲峡着。ここでT氏と合流。すでに取材は始まっている。館内と人物撮影。10時頃、次の施設に移動。同一テーマの取材。同じように撮影していたら、ばったりT社のS社長と出会う。これは偶然ではないのかも……と思った。11時15分頃取材終了。
 午後は滝上。ガーデンの撮影。上川でも感じたことだが、やけに蒸している。外で撮影していたらくらくらしてきた。もう1件撮りたい場所があったのだが、今回はパスすることにした。宿で休んで、夕方からの取材に備える。5時半、香りの里ハーブガーデンへ。「いのうえさんちのオンガクガーデン」が開かれていた。会場といい、規模といい、居心地のいい空間。夕景を眺めながらビールを飲んでもいいし、ライブも盛り上がってもいい。僕とM氏は演奏に聴き入っていた。9時頃終了。宿まで歩いて帰った。

ちょうどいいから居心地がいい

人によって求めるものに違いはあると思いますが、僕の場合、それをひと言でいうならば「ちょうどいい」という言葉に集約されるでしょうか。考えてみたら、この言葉はこれまでの取材の中で2、3度聞いたことがあります。一番印象に残っているのは、石狩で「みちみち種や」さんの取材をしたとき。そのとき、この「ちょうどいい」という感覚を持つことが今の僕らには必要だ、と感じたのでした。
 昨日、滝上で行われたイベントに参加して感じたのも「ちょうどいい」という感覚でした。ちょうどいいから居心地がいい。自分をその場所になじませることができる。というか、余計な気を使うことなく快適に過ごすことができる。周囲を見ると、みんな好き勝手に過ごしていて、子供もライブ演奏に好き勝手に合流していました。それが妙に合っていた。
 たぶん、全国各地で行われているこのくらいの規模のイベントには、昨日のようなちょうどいいものがいくつもあるのではないかと思います。そして、広く知られることはなく、地域の中でときどき行われている。きっと僕が知らないだけで、帯広の中でもこうしたものが開催されていることでしょう。
 程よい内輪のつながりといったようなもの。これもある種のちょうどよさといってよいのかもしれません。過度な内輪になってしまうと、僕らのような旅行者がふらりと訪ねることはできにくいけれど、誰でも歓迎という雰囲気が伝わってくると、輪の内側に入ってみたいという気持ちになってくる。これは地元に住んでいる人でもそう思うでしょうし、旅行者であってもそうした気持ちになることがあるでしょう。
 僕は20年前までは年2、3回ペースで海外旅行へ行っていました。旅のテーマは「撮影」「生牡蠣」「酒」「食器購入」などさまざまあったわけですが、夜はチャンスがあるとジャズかブルースが聴けるライブハウスに入ることがありました。内輪度の高い店と旅行者が気軽に楽しめる店、両方ありましたが、おおむね居心地がいい。立場変わって、外国人旅行者が北海道のライブハウスに入ると、どんなふうに感じるのでしょう? ちょっと気になりますね。
 我が社のイベント「スロウ村の仲間たち」でも感じることですが、適度な内輪のつながりがあって、それでいて誰もが楽しめるようなもの。それが「ちょうどいい」ための条件と言えるのではないでしょうか?

旅には努力が必要

そして、この「ちょうどいい」と思えるような場所、店、イベントといったものは、アンテナを張っていないと簡単には見つからないのではないかと思うのです。道の駅など旅行情報が得られるような場所にポスターやフライヤーがあればよいのですが、ほとんど情報がないというケースも案外多い。今回参加した「いのうえさんちのオンガクガーデン」にしても、前回の取材で知ったため参加できたわけです。「で、何時から始まるんだっけ?」と調べようと思ったら、情報がない。フェイスブックで検索してわかったというわけです。滝上町民なら簡単にわかることでも、地域外の人にはわかりにくい。ここがおもしろいところでもあります。
 旅には努力が必要ではないかと僕は考えることがあります。至れり尽くせりの旅であれば、「お金を払っているのだからサービスしてくれるのは当たり前」というスタンスになる。でも、これでは旅の楽しみは半減しますし、「ちょうどいい」という感覚も味わえないはず。
 自分でいろいろ調べたり、地元の人に尋ねてみたりして、ようやくたどり着くような場所、店、イベント。そして、好ましいと思えるような人物。こうした出会いに旅の楽しみがあるのではないかと思います。
 たぶん、僕らのつくり出すべき「スロウな旅」には、こうした要素が求められているのではなかろうか? 一般の旅行者があまり行かないような場所。そして、気づかないような店やイベント。このあたりに意外な魅力と楽しみがある。僕にはそう思えてなりません。
 これまで、僕は国内旅行でも海外旅行でも、行き当たりばったりでさまざまな場所へ行き、さまざまな店に入り、さまざまなイベントを見てきました。そうした中で、今も記憶に残っているものは、小さな町で行われている小さなイベントだったりするのです。
 オーストラリアの田舎町で行われていたフリーマーケットなど、とても楽しいものでした。子供がぶたちょきを売っていて、それは今でも我が家の貯金箱として活躍しています。僕の愛用している品々の中には、旅先のフリマやアンテーィク市で購入したものがいくつかあります。ちょうどいい規模感や空気感があるからこそ、20年以上たっていても記憶に刻まれているのでしょう。
 GAFAをはじめとする巨大企業が市場占有率を高めていけばいくほど、こうした小さな活動やマイクロビジネスといったものへのニーズが高まっていく。そうした魅力を掘り起こし、広く伝えていくことも僕らのすべきことのひとつではないかと考えています。

ソーゴー印刷株式会社

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