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経営指針の話48 事業領域と事業テーマ

経営指針の話48 事業領域と事業テーマ

おはようございます。
 昨日は100%休日として過ごす。M氏が「今日は梅に関すること以外やらない」と宣言したため、それに倣うことにしたのだ。まずは、買い物。漬け物容器、果実酒ビン、塩、ビニール袋、ホワイトリカー、氷砂糖等を購入。帰宅後、M氏はキッチンペーパーで梅の水気を取り、僕は竹串でひたすらヘタを取る作業。これが延々続く。まずは梅漬け用(もしかしたら梅干しになるかも)。梅漬けに使用する梅は12キロに決定。漬け物容器にビニールを敷き、梅、塩を交互に重ねていく。重しを乗せ、カバーをかぶせて作業完了。
 次は梅酒だ。梅干し用よりも若干少ない。ということは、今年の収穫量は20キロといったところか。同じように、水気を取り、竹串でヘタを取る。ビンに移し、ホワイトリカーと氷砂糖を入れる。蒸し蒸しする中での作業。最初は台所で行っていたが、途中から耐えられなくなり、作業場をリビングに移した。はるかに快適だった。昨日の帯広は最高気温34.6度。

物理的定義と機能的定義

「○○に関すること以外やらない」。つまり、やることとやらないことを明確に分類するというのが事業領域。事業ドメインと言ったり、単にドメインと言ったりすることもあります。
 事業領域について硬直的な考え方をしてしまうと、領域が非常に狭いものとなってしまいます。一番ありがちなのは、自社は印刷会社なのだから「印刷に関すること以外やらない」といった考え。印刷の需要が右肩上がりに伸びている時代であれば、そのような考えでもよかった。しかし、今もこうした考えで自社を発展させるのは困難(不可能というわけではありません)。もっと、柔軟に考えていくことが求められる時代といえます。
 これは印刷業に限らず、ほぼすべての業種に当てはまるのではないかと思います。人口減少時代。しかも、過去の成功モデルが役立たなくなっていますから、狭く絞り込むのは危険なのです。
 自社の事業領域は「印刷に関すること」というような捉え方。これは自社の具体的商品やサービスを念頭に置いた「物理的定義」と言ってよいでしょう。世の中が急速に変化している今日、こうした物理的定義で事業領域を設定するのはリスクが高い、と僕は考えています。世の中を広く観察していくと、業界そのものがなくなってしまうようなことが起こっているのです。僕らはもう石炭ストーブを使うことはありませんし、ポケベルやPHSを使うこともないでしょう。10数年前であれば、社内ではドットインパクトプリンターの音が鳴り響いていたはず(けっこう好きな音でした)。いつの間にか、我が社から消え、オフィスが静かになっていました。
 印刷会社だからオフセット印刷一筋という考え方ではいけない。我が社にしろ、謄写版から始まり、活版、オフセットと主力の印刷方式を変えてきたわけです。これからはオンデマンドが主力になるかもしれません。
 さらに重要なことは「印刷に関すること」という考えでは、自社の事業を説明できなくなってきているということです。つまり「物理的定義」ではなく、「機能的定義」が求められるようになってきている。印刷会社の場合は、とりわけ機能的定義をしっかり設定しなければ、何をやっている会社だかわからなくなってしまうことでしょう。

本当にすべきこと

機能的定義とはどういうことか? それは我が社の果たすべき使命と照らし合わせて、やることとやらないことを明確にするということです。我が社(または自分)は何をすべきなのか、何がしたいのか? ここを考える。そうすると、本当にすべきことは「印刷物をつくる」ことだけではないということがわかってくるはずです。「印刷物をつくる」というのは、我が社の使命を果たす上で必要なツールのひとつ。
 「印刷物の受注と製造」というところに最終ゴールを設定すると、我が社の使命から少し外れた方向へ向かってしまうことになるかもしれません。印刷物をつくるのは、顧客の商売繁盛のためであったり、業務を効率化させるためのものだったりするわけです。我が社が受注する印刷物の多くは、「顧客のビジネスを成長・発展させること」が目的といえます。
 目的を果たすためには、「印刷物に限定する必要はない」という考えが湧いてくるのも当然のこと。ですから、我が社でも自然にウェブサイト、動画、イベントといった事業を手掛けるようになっていきました。「印刷に関すること以外やらない」と限定してしまうと、自社の使命が果たせない。技術が進歩し、世の中が複雑になっていくと、事業領域を物理的定義では設定できなくなると考えるべきでしょう。
 ですから、事業領域という言葉自体、社内では少し注意して扱わなければなりません。経営者や幹部は、物理的にも機能的にも、いつも事業領域について考え続ける必要があるでしょう。とりわけ、将来ドメインをどのように設定していくのか、自社の内部資源、外部環境の変化と照らし合わせて考えているはずです。
 ですが、全社員がそのように考えるわけではありません。むしろ、「何でもあり」というくらいの柔軟な姿勢で仕事に向かっていくほうがよいのではないかと僕は考えています。
 ただ、本当に「何でもあり」だと、何をすべきかわからなくなってしまう。事業領域という言葉を「事業テーマ」に置き換えれば、少しは頭の中が整理されるに違いありません。ここでいう事業テーマとは、事業領域における機能的定義の部分です。「事業領域の機能的定義」などという言い方をすると、社内に混乱を引き起こすだけですから、わかりやすく「我が社のテーマはこれ」と示すのです。
 事業テーマを明確にした上で、「我が社がやってはいけない仕事」というものもハッキリさせる必要があるでしょう。我が社では、ここを明文化していませんでした。来期の経営計画書には載せる必要がありそうです。

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