
今日も気温が上がりそう。午後、水出しコーヒー持参で出社する予定です。
おはようございます。
気温が高い。水出しコーヒーの抽出速度を上げて、朝、会社に持っていく。午前中は社内で仕事。午前11時来客。午後は自宅で同窓会報の原稿を手配する作業。3時同友会事務所。第2期十勝経営者大学運営会議。おおよその内容がまとまってきた。4時45分帰宅。再び同窓会報に関する作業を行う。
まったく違う世界
運営会議の中でN会長が「これからはまったく違う世界になりますから」と語っていました。前回の会議でも同じ言葉がありました。別な場面でも聞いたような気がします。
僕もまったく同感。問題は「まったく違う」というのがどの程度の「まったく」なのかということ。アナログの製版からCTPに変わったとか、フィルムカメラがデジカメになった……というのは、関係者にとっては「まったく違う世界」かもしれませんが、この程度の「まったく」に留まるとは考えられません。もう、考えられないくらい「まったく違う世界」がやってくる。そう考えるべきでしょう。
ですから、古いパラダイム(ものの見方、考え方)にとらわれていると、とんでもなく時代遅れな人、企業になってしまう。もちろん、守り続けるべき大事な考え方もありますが、世の中の変化に対して柔軟な思考が求められる。そんなふうに感じる場面が増えてきました。
この点、長い歴史を持つ業種ほど、古いパラダイムにとらわれやすい傾向があるのではないかと思います。印刷業界はどうか? そこそこ古い業界と認識すべきでしょう。出版業界もペーター・シェーファーやヨハン・フストから始まったと考えれば、印刷と同じくらい古い。どちらの業界も、インターネットによる第4次情報革命の中でパラダイムシフトが求められています。
これはアナログからデジタルに、紙媒体から電子媒体に移り変わってきたというだけではないのです。もっと大きな変化が起こっていて、もしかすると、10年後か20年後に別な世界になっているかもしれない……。そんな兆候があることに僕らは気づかねばなりません。
たとえば、仮想通貨(暗号資産)というものが数年前に登場して、仕組みがよくわからないまま「すごいことになったものだ」と思いましたが、これからさらにすごいことになりそうな気配です。フェイスブックのリブラが実際に導入されると、どんな世界がやってくるのか? 「新たな世界通貨」となるのかどうか? これまで慣れ親しんできた法定通貨は、変わることなく使われ続けるのだろうか? きっと、お金の概念が大きく変わっていくに違いありません。
通貨ばかりではありません。これまで常識だったものが、大きく揺らいでいる。すでに、ガラガラ崩れ去ろうとしているものもあります。好ましい変化もあれば、困った変化もある。今、僕らが当たり前だと思っている資本主義社会というものも、ずいぶん変わったものになっていくと理解すべきでしょう。自分あるいは自社にとって不都合な変化もたくさんあるわけですが、そうしたものも含めて「変化するのはよいこと」と捉えるべきではないか。僕はそう考えています。
進歩的、革新的になれるか
古いパラダイムにしがみついて、新たなチャンスに気がつかないという人が案外多い。僕にもそんな弱点があるかもしれません。どんな時代になっても変わらない価値を持つものがある一方、世の中の変化とともにどんどん変わっていく価値があるわけです。僕らのビジネスでは、異なる2種類の価値それぞれに目を向けなければなりません。
我が社は「本当に今までのやり方で、顧客や地域に価値を提供し続けることができるのかどうか」ということを自問する必要があります。付加価値が目減りしているとすれば、新たな価値を加えたり、まったく新しい価値に置き換えるべきでしょう。100あった価値が50とか30になる前に、できれば70か80あるうちに、100に戻すか、120くらいにまで高めることが重要です。
こうした自社商品のメンテナンスはどの業種、どの企業も当たり前のように行っていることです。それを怠ると、みるみるうちに古くさい商品になってしまいます。
印刷事業の多くは、受注商品ということになります。したがって、発注者と受注者(印刷会社)の双方が進歩的、革新的であればよいのですが、どちらも古いパラダイムを持っていると、古くさい印刷物ができあがってしまうことになるでしょう。
少なくとも、どちらか一方が革新的であらねばなりません。もちろん、僕らが革新的な提案をしたからといって、それがすべて採用されるわけではない。提案しても、無難なところに落ち着くことが多いかもしれません。それでも、発案、提案し続けることが大事ですね。我が社は常に進歩的、革新的な立ち位置に身を置くべきです。
発注者の側から、僕らが驚くような革新的な要望が提示されることもあります。僕らにとっては絶好のチャンス。解決すべき困難な課題はあっても、それを乗り越えることで、これまでになかった価値を生み出すことができる。単にビジネスチャンスということではなく、これは成長のチャンスなのだと捉えるべきでしょう。
経済活動を行うという点では、保守的な顧客も革新的な顧客も、等しくありがたい存在です。ですから、これまで通り変わらぬ品質で20年、30年作り続けているものもあるでしょう。しかし、「まったく違う世界」がやってきたときに対応できるような商品の開発を、僕らは怠るべきではありません。そのためには、絶えず情報収集し、世の中がどのように変化しているのか、自分の頭で考え続けることが重要ではないかと思います。