高原淳写真的業務日誌 > 味覚改革 > 第35話 トンカツ

第35話 トンカツ

第35話 トンカツ

おはようございます。
 8時45分出発。9時半頃、目的地に到着。今回は取材というよりも、見学と撮影がメイン。初めて見る豚。それも生まれたばかり。貴重な写真を撮ることができた。11時頃終了。自然な流れとして、Y氏、I氏とともに昼食はトンカツ専門店へ。午後はいくつかの用事を済ませてから出社。2時45分来客。3時半帰宅。夕方までひたすらフォトショップを使った作業。思ったよりも大変だ。週末までに形にする必要がある。帯広の猛暑もそろそろ終盤に近づいてきた。

トンカツに対する真剣な思い

僕とY氏は最初からトンカツを食べようと心に決めていました。I氏は内心「仕方ないなぁ」と思ったに違いありません。こういうケースでは、強く主張した人の意見が通るもの。つまり、昼ご飯について真剣に考えているかどうか? そこが重要。僕もY氏もトンカツに対して真剣だ。だから、昨日はトンカツ以外の選択肢はなかったといってよい。
 入ったのはY氏が自信を持って薦めるというトンカツ専門店。僕にとっては初めての店。確かに素晴らしい味だ。というよりも、これはすごい。トンカツに対する真剣な思いがひしひしと伝わってくる。僕は「背筋が伸びるようなトンカツ」と表現したが、その言葉に偽りはない。ひと目見た瞬間にそのことがわかり、僕も真剣に食べることにした。中盤に差し掛かるまで、ほぼ無言。目の前のトンカツに集中していました。
 すると、Y氏、I氏も無言で食べつつけることとなってしまいました。僕の世界観に無理矢理引きずり込んでしまっては申し訳ない。中間地点に差し掛かり、キャベツの千切りに手を伸ばした頃、口を開くことにしました。「トンカツはどこから食べるか?」という、少しマニアックな話題を振ってしまいましたが……。
 昨日僕が注文したのはヒレカツ定食。カツは6等分されていました。「どこから食べるか?」という質問に対し、明確に返答する人は今のところ皆無に近い。過去に「そういえば、真ん中あたりから食べることが多い」と答えた人がいたくらいです。
 僕は通でも何でもありませんが、右から2番目を最初に食べると決めています。もちろん、左から2番目でもよい。右利きなので、自然な箸の動きとして右から2番目になるというだけ。この際、ソースは右から2番目のカツにだけかけるようにします。ものすごくお腹が空いているときには、右端のカツにもかけることがある。そのくらいが許容範囲。昔はカツ全面にまんべんなくかけていたこともありましたが、これでは後半戦に差し掛かってからモチベーションが若干低下することがあります。トンカツは常にサクサクであることが望ましい。
 なぜ右から2番目なのかというと、がっかりする心配がないというのが最大の理由。トンカツのクライマックスはやはり中央部。だから、ここは残しておきたいというのが心情。だが、右端は外すことがある。僕の感覚では約3割の店が右端、または左端のカツの品質に若干の問題がある。脂身だけだったという空振りだけは避けたい。昨日の店の場合、外す心配はほぼないと思いましたが、過去の経験から自然に右から2番目を選択することになったのです。

トンカツとキャベツ

トンカツに対して真剣な思いを持っているかどうか? それは盛り付け方ですぐにわかります。主役はトンカツ。脇役はキャベツの千切り。ちょい役としてキュウリ、トマト、パセリなどがありますが、ここで重要なのは「キャベツの位置」にあります。
 トンカツ思いの店であれば、トンカツの下1/3にキャベツを潜り込ませるようなことをするはずはありません。なぜそのようなことをするのか? きっと、トンカツを立体的に見せたいということなのでしょう。僕にとっては暴挙以外の何物でもありませんね。熱々のトンカツが「冷たい!」と叫んでいる。キャベツからは、「やけどする!」という悲鳴が聞こえてきます。そのような店でトンカツを食べるときには、まずトンカツとキャベツを分離するという作業に集中しなければなりません。レスキューが遅れると、どちらも重傷を負うこととなる。
 昨日のような真剣な店では、こうした心配は皆無。心穏やかに一口目を堪能することができる。
 真剣な思いが伝わるポイントその2は、やはりキャベツの千切り。そのまま食べておいしいと思えるかどうかが重要です。キャベツをいい加減に扱っている店ではトンカツは食べないほうがいい。メニュー表に「キャベツのおかわり」が書かれているかどうか? おかわりがあれば、信頼のおける店と考えていい。ご飯のおかわりより、キャベツをおかわりできることが重要なのです。
 ポイントその3が味噌汁が赤だしかどうか? ここも案外大切なところ。赤だしの酸味というか、さっぱり感がトンカツの味を引き立ててくれていると思うのです。真剣な店の場合は赤だしであることが多い。
 最後に、トンカツの味を左右するポイントとして、ソースについても述べておかねばなりません。僕としては、オリジナルのソース、またはブレンドにチャレンジしてほしいところ。市販されているソースの中では、とんかつ井泉のテーブルソースがおいしいと思っています。ただ、トンカツ専門店で食べ歩くと、「これはいい!」と思える味に出合うことがある。残念ながら、現時点で北海道はソースのバリエーションが十分とは言えません。もっと地ソースを開発するメーカーや店があるとよいのですが……。個人的には、ソースにゴマをすって加えるのが好きですね。
 十勝管内各所で素晴らしい豚が育てられています。僕も十勝だけで5、6回は豚の取材をしています。まだ取材していないところにも魅力的な豚がいるに違いありません。僕の勝手なイメージですが、十勝は「トンカツの聖地」となる資格十分と言えます。トカチ……トンカチ……トンカツ。月に10回くらいトンカツを食べてもいい。そんな気持ちになりませんか?

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌