
おはようございます。
昨日は午前中買い物。午後は入稿と校正作業。すんなりできそうなのに、なぜか時間がかかった。今朝は1時間かけて、あることについて調べた。ずっと悩んでいたこと。ようやくわかった。ものすごく苦労したというのに、拍子抜けするほど簡単なことだった。
あまりに簡単すぎる解決法
その簡単なこととは、カメラの操作法に関することでした。ミラーレスカメラを買ったとき、ちゃんと調べておけばよかったのに……と思うようなこと。
いえ、確か最初に仕事で使ってみて、ものすごく不便だったので、かなり時間をかけて調べてみたのです。ネットで数時間かけて調べたはず。マニュアルももちろん読みました。でもわからなかった。
外部ストロボを使用したとき、ファインダーが真っ暗になってしまうという問題。通常の一眼レフは光学ファインダーですから、絞り込んでもシャッター速度を速くしても画面が暗くなることはありません。ところが、ミラーレスカメラの場合は電子ビューファインダー。適正露出かどうか、ファインダー内で確認できるというメリットがある一方、外部ストロボを使うときにファインダーが真っ暗になってしまうのです。
ストロボを使った商品撮影等では、これが非常にやっかいな問題となります。僕は、ほとんど山勘でカメラを向けてシャターを押すという、非常にいい加減な撮影の仕方をしてきました。こんなはずはない。そう思いながらも、これがミラーレスの宿命なのかもしれない。そう思って、不自由な思いをしながら撮影してきたんですね。
ああ、それなのに。こんな拍子抜けするほど簡単なことだったとは。驚きました。そして、こんなことに気づかなかった自分にあきれてしまいました。
露出Simulationをオフにする。たった、これだけ。他のメーカーはわかりませんが、僕の使っているキャノンM5では、この設定でいとも簡単に「画面が暗くなる」という問題が解決してしまいました。もちろん、問題が解決したのはうれしいことなのですが、どうも納得がいかない。説明書を丹念に読んでも、僕は気づかなかった。今朝、1時間かけてさまざまなサイトを見る中で、ようやく発見した事実だったのです。
改めて説明書を読み返すと、「露出Simulationを使わないようにすると、露出補正によらず撮影しやすい明るさで表示することができる」と書いてあります。確かに、説明は正しい。けれども、できれば「外部ストロボを使用したときにはオフにするとよい」と書いてほしかった。イメージ力、解釈力に乏しいためか、僕はその部分をスルーしてしまっていたのでした。
考えてみると、全国広しといえども、僕ほどミラーレスカメラを仕事で多用している人間はめずらしいのではないかと思います。いったんは買い揃えたデジタル一眼レフの機材一式は、惜しげもなく会社に寄付してしまいました。できるだけ軽くて肩のこらないカメラで撮影したい。そう考えてのこと。ですから、ストロボ撮影時に不便な思いをするのは致し方ないことなのかな……と考えていました。
多機能と簡単、どちらを選ぶか?
ミラーレスカメラで外部ストロボを使った撮影をする人以外には、まったくおもしろみのない話になってしまいました。
ただ、この話はカメラ関係だけではなく、さまざまな分野に当てはまるのではないかと思うのです。とっても簡単なことなのに、まったくわからないまま、数ヵ月、数年たってしまう。何かの拍子で単純な事実に気づき、無駄に費やした時間は何だったのか……と後悔するようなこと。誰にでもひとつやふたつ、あるのではないでしょうか?
僕の場合、技術の進歩によってこれに近い出来事がやたら増えているような気がします。便利になればなるほど、別な部分ではどんどん不便になっていく。撮影の仕事では、AFに頼った結果、肝心な瞬間にシャッターを切ることができなかったことがあります。1990年代まではAFなど使ったことは一度もなかったのに、デジカメの時代に入ってから、MFでは撮影しにくくなりました。原稿を書くにも、本当はワープロ専用機のほうが書きやすいのですが、今はパソコン+一太郎。
自分としては従来の機能で満足なのに、世の中の技術の進歩は一ヵ所に留まることを知りません。ユーザーに対しても「成長すること」を要求してきます。これまで通りの使い方をしようと思ったら、それができるような新しい機能について調べなければならない。パソコン、カメラ、家電製品にはそうしたものが実に多いですね。
そうした反動からでしょうか。オーバースペックの商品が敬遠され、家電製品などは単機能のものが増えているような気がします。考えてみると、電子レンジは「あたため」しか使いませんし、洗濯機では一度も「乾燥」という機能を使ったことがない。
多くの人はシンプルに生きていきたいと思いながら、オーバースペックな商品に振り回されています。僕は仕事上、カメラに関してはある程度のスペックが必要であるため、その分野では詳しくなることが求められる。けれども、生活全般ではあまり余計なことを考えたくはない。「いろいろできて便利」と「簡単操作で便利」では、どちらを選択したいと思うか? きっと後者だろうな……。考えたり調べたりするのは、仕事に関係のあることだけにしたい。そう思うようになってきました。
今はどんどん高機能化が進んでいますから、調べるのも容易ではありません。「露出Simulation」なんて言葉、僕は今回初めて聞きました。自分が何で困っているのか、的確な言葉を見つけられなければ、解決法も見つからない。このあたりを解決してくれるような技術があればよいのですが。やっぱり技術の進歩に頼るしかないのかな……。