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経営指針の話51 経済活動と平和について

経営指針の話51 経済活動と平和について

おはようございます。
 昨日は書類のPDF化と原稿を書く準備。実際に書くところまでたどり着かなかった。午後は買い物へ。ほとんど休日のような一日だった。

「同友会の3つの目的」

今日は終戦の日。そういえば、もう10年くらい前から我が社には戦前生まれの社員がひとりもいなくなりました。みんな定年退職または引退。現役の期間中、平和をテーマに話をしたことはありませんでしたが、それでも「平和であることの貴重さ」や「戦争の悲惨さ」については断片的に伝えてくれていました。今、我が社にはそうした話のできる人はいません。平和であることが当たり前。それが大前提という状態の中で事業活動を行っています。
 平和が長く続いていくと、当然そのようになるわけです。それは言うまでもなく、よいことです。しかし、同時に危うさをはらんでいると考えるべきかもしれません。今の日本には、まだ語り部となってくれている人がいますが、やがてこの世から消えていくことになる。そうなった後も平和であり続けるには、「平和を守る」という意識を一人ひとり、もっと強く持つ必要があるのではないかと思います。
 ここ数年、とりわけ今年に入ってから、世界中がきしんで、危うさを増しているように感じられます。多くの人が「世界はまずい方向へ向かっている」と思っているはず。世界が次の時代に向かって新しい秩序をつくり出そうとしているのか? はたまた、創造的破壊ではなく、単なる破壊(崩壊というべきか)に向かっているのか? そのあたりよくわからないのですが、僕らは世の中の動きに無関心ではおられません。
 中小企業家同友会は中小企業経営者が集まった経営者団体ですから、特定の政党や思想に偏ることはありません。また、政治的活動に関わることもないでしょう。
 ただ、「同友会の3つの目的(よい会社をつくろう・よい経営者になろう・よい経営環境をつくろう)」にはこう書かれています。
 「同友会は、他の中小企業団体とも提携して、中小企業をとりまく、社会・経済・政治的な環境を改善し、中小企業の経営を守り安定させ、日本経済の自主的・平和的な繁栄をめざします」
 これは「よい経営環境をつくろう」の説明文。僕は「日本経済の自主的・平和的繁栄」という部分が重要なのではないかと考えています。あえて「平和的繁栄」と書かれているのはなぜなのか? これまでの歴史の中で、平和的ではない繁栄が繰り返されてきたためではないかと思います。そして、平和的ではない繁栄は、多くの場合一時的な繁栄で終わってしまう。
 世の中、きれいごとだけで語ることはできませんが、少なくとも企業経営者である以上、「平和」と「繁栄」をワンセットで考えることが大切なのではないか? この原則から外れてしまうと、世の中全体が困った方向へ向かってしまう。勢いがつくとなかなか止められるものではないのかもしれませんが、企業経営者はもっと世界を冷静に見て、世界の全体最適を考えた行動をとるべきではないかと思います。中小企業家であってもそれは同じこと。まずは自分の意識を平和的な状態に保ち、自分の力の及ぶ範囲でよい経営環境をつくろうと努力することが重要ではないでしょうか?

ユネスコ憲章前文

平和について考える際、必ず思い出すのがユネスコ憲章の前文、それも最初の部分です。
 「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」
 自分が正しい。そう思い込んでしまうと、「相手は間違っている」と思い込むようになり、それが対立に発展する。個人レベルでも国家レベルでも、そのようにしてややこしい関係になっていく。国同士の場合はそれぞれ国益がかかっているため容易ではないでしょうが、個人の場合は自分の心がけ次第でいくらでも平和的になることができる。平和という言葉の解釈も個人差はあるでしょう。差はあっても、平和を大切にするという姿勢を持っていれば、わかり合えると思うことが多いものです。
 ユネスコ憲章前文を読み進んでいくと、戦争は無知と偏見から生まれたものであるから、「文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育」が欠かせない、と述べられています。「平和のとりで」を築くためには、教育・文化が必要ということ。これはユネスコだから……ということではなく、僕ら一般企業で働いている人にも当てはめて考えるべきでしょう。
 そもそも経済活動とは、誰かを豊かにすることによって自分や自社も豊かになり、その結果としてより多くの人を幸せに導いていく……という活動です。表現の仕方に違いはあっても、各企業の経営理念を読み解いていくと、たいていの場合それに近いことが書かれている。その大原則から離れ、自社の利益や株主の利益だけを追い求める会社は、長続きしないのではないかと思います。
 経済活動は平和という大前提があって、自社の業務を通じて、人々の幸せに貢献するものでなければなりません。思い通りにいかないことはあっても、そうした行動を通じて、僕らは働き甲斐や人生の充実を感じるわけです。
 そのようにして考えていくと、「同友会の3つの目的」の中に出てきた「自主的」という言葉もキーワードのひとつであることに気づかされます。
 自分たちの会社、突き詰めれば自分個人は、どのような世界をつくっていきたいと思っているのか? これを自分の言葉で伝えたり、自社の商品やサービスを通じて伝えていく。または、自社の人材育成や地域貢献活動を通じて伝えることも可能でしょう。
 そうした「自主的な活動」や「自主的な経営姿勢」が経営指針の中に貫かれているかどうか。ここが重要ではないかと僕は考えています。

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