高原淳写真的業務日誌 > 仕事観について > 仕事観について19 「やりたいこと」と「売上利益」

仕事観について19 「やりたいこと」と「売上利益」

仕事観について19 「やりたいこと」と「売上利益」

おはようございます。
 10時20分、緑ヶ丘公園へ。十勝ファーマーズマーケット。今期初、青空の下での開催。さすがに人出が違う。大賑わい。野菜を中心に大量購入した。気づくと昼近くなっていた。急いで札幌を目指す。午後2時半、目的地に到着。だが、車をどこに止めるか迷っているうちに時間がギリギリとなる。ほぼ3時ピッタリ、チカホで行われている「クラシェ×北海道のまち2019中川町」へ。ここで移住希望者のYさんと待ち合わせ。YさんとM氏を中心に、2時間近く話をする。昨日は中川町のイベントだったが、我が社のスロウも出展していた。S氏が売り子になっていた。チカホでスロウは売れるのか? スロウはどのようなシチュエーションで売れるものなのか、気になる。6時頃帰途に。9時帰宅。

帯広・緑ヶ丘公園と札幌・チカホ

十勝ファーマーズマーケットと札幌駅前通地下広場(チカホ)。対照的と思える空間で、同時にわが社の関係するイベントが開かれていました。
 対比してみるとおもしろい。青空の下でのマーケットと地下歩行空間での展示販売。でも、並んでいる商品には共通点があります。ローカルから生み出されたもので、手づくりのものばかり。帯広と札幌、出展者を入れ替えても、何の違和感もないに違いありません。実際、中川町からは「スロウ村の仲間たち」にも出展いただいています。公園内と地下空間という違いがあるだけ。
 しばらくチカホにいると、もうひとつ違いがあることに気づきました。それは人々の歩行速度。やはりチカホは地下歩行空間というだけあって、歩くための空間なんですね。歩きながらチラリと様子を見る人が圧倒的多数。その中で一部の人が足を止め、商品を眺めたり、作り手の人と話をしたりする。
 一方、緑ヶ丘公園のほうは、歩いてもいいし、寝そべっても、座ってもいい。立ち止まっている人が多い上、歩いている人の歩行速度も圧倒的に遅い。両者の違いが販売点数や売上金額にどのように影響しているのか、比較してみたくなりますね。
 十勝ファーマーズマーケットは回を重ねるごとに集客力を高めているようです。このくらいの人が集まれば、各出展者も経済的メリットが感じられるのではなかろうか? 手づくり感のあるイベントを継続的に行いながら、「自分たちのやりたいこと」と「経済的メリット」を両立させる。この難題を少しずつクリアしつつあるようです。
 イベントに限らず、僕らの仕事にもそのような姿勢が求められているのではないかと思います。ときには大都市で自分たちの仕事をPRすることも必要。ですが、基本となるのは地元での経済活動です。わが社の場合は、帯広で自分たちの本当にやりたいと思っていることをやり続けること。これが基本となる活動です。当然ながら、経済活動なので、売上と経費のバランスが崩れると成り立ちません。
 「やりたいこと」と「売上利益」。両者に対する考え方は人それぞれです。経営者ごと違いがありますし、社員の中にも当然違いがある。また、社内の全員が「やりたいこと」に走ってしまったら、会社は大変なことになるでしょう。

「好き」のレベルアップ

バランスのとれた考え方を持っている人はほんの一握り。僕もバランスがとれているとは言い難い人間。「自分のやりたいこと」に走る一方、利益が得られなさそうな活動に対して消極的、否定的になることも多い。
 ただ、すべてにおいて売上利益優先という考え方で進んでいくのでは、まったくおもしろみがないわけです。たとえ、それが顧客ニーズに合致したものであったとしても、僕個人としてはそこに働き甲斐を感じることができない。やはり、何割かは「自分のやりたいこと」が仕事の中に含まれているべきではないかと思うのです。
 黒字となるような売上利益を確保しながら、「自分のやりたいこと」を追求する。それができるところに仕事のおもしろみがある。たとえ、本当にやりたいことであっても、赤字続きになってしまっては働き甲斐は得られない。ですから、利益と働き甲斐の両立は必須といえるもの。どちらか一方というのはあり得ないわけです。
 ただ、世の中には「好きなことを仕事にしてはいけない」と考えている人も少なからずいます。そうした人は、「好きなことでは食べていけない」という思想を持っている。これは一面では正しいとも言えるのですが、僕はそうではないことを証明したいと思っています。好きなことをとことんやり続ければ、いずれ経済的バランスが追いついてくる。
 そのポイントは「好きなこと」のレベルを上げていくことではないでしょうか? 「好き」にはレベルがある。「自分の趣味として好きなこと」と、「顧客が喜んでくれて自分も好きであること」とでは、違いがあるわけです。僕らの目指している「好き」は、地域の人々から受け入れられる(支持される)もので、自分たちも好きだと思えるような活動。
 最初はひとりのアイデアから始まることが多い。それが社内の共感を得て、チームでまたは全社で活動するようになる。やがてそれが地域の中で広まっていき、共感したり、参加する人が増えていく……。そんなムーブメントが生まれていくのが理想ですね。
 特別な才能を持った人ではなくても、そのような活動ができてしまうのが地方のよいところではないかと思っています。札幌では困難なことも、十勝でならできそうな気がしてきます。もちろん、中川町でもできるはず。そうして、地方の市町村が変わっていくことで、北海道、日本全体にもわずかながら影響を及ぼすことができるはず。
 「好き」のレベルを上げていけば、顧客のこと、地域のことを深く考えるようになっていく。自ずと、経済的バランスがとれるようになるのではないかと思います。

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌