おはようございます。
朝5時出発。千歳空港へ。7時到着。7時45分の花巻行きに乗る。花巻空港から盛岡まではバス。10時前には盛岡駅に到着。遅めの朝食を食べ、タリーズでひと仕事。ホテルメトロポリタン盛岡NEW WINGでI氏と昼食。午後1時、中同協の第6回経営労働問題全国交流会 in 岩手が始まる。最初は中同協経営労働委員長、林哲也氏の問題提起。「私たちに求められる『地域に生きる企業づくりへの覚悟、そして実践』 ~同友会らしい企業作りを阻む『3つの壁』~」というテーマ。次は事例報告。報告者は3名。宮城同友会副代表理事、経営労働委員長の玄地学氏からは、経営指針実践運動の到達点と課題、宮城同友会共同求人委員長、大崎支部副支部長の引地豊氏からは、共同求人活動の到達点と課題について。さらに、香川同友会理事、社員教育委員長の田部智章氏から「点が線となる『人を生かす経営』の総合実践 考え方が変われば行動が変わる」という報告があった。
問題提起、報告の後はグループ討議。討議時間は95分。たっぷり時間があり、話は多岐にわたった。理論的な話が多く、北海道同友会で行われるグループ討議とは少し違うと感じた。6時、1日目終了。6時20分から夕食交流会。岩手のクラフトビール、ワインがおいしく感じられた。来年、札幌で行われる第52回定時総会 in 北海道のPRを行う。8時頃終了。多くの人は二次会へ流れていった。僕はコンビニで飲み物を買って部屋に戻る。久々に7時間眠った。
3つの変化
林氏の問題提起の中で「この2年間の変化」として、3つが挙げられました。どうして2年間という区切りなのかというと、経営労働問題全国交流会は隔年開催であるため。前回は京都で行われました。最初の2つは想像通り。「10年ビジョン」と「働く環境づくり」です。2016年12月に発刊された「経営指針成文化と実践の手引き」から10年ビジョンが経営指針4番目の柱として定められました。今、各地の経営指針研究会(経営指針をつくる会)では、10年ビジョンが付加された経営指針成文化が盛んに行われています。「働く環境づくりの手引き」が発刊されたのは今年春。これも経営指針成文化のための副読本と位置づけられているもの。社員と一緒に経営指針づくりを行っていく上で欠かせないテキストとなるはず。
3つめが僕にとっては意外でした。林氏が挙げたのは「外国人労働者と労使関係」なんですね。僕は参加しませんでしたが、今年2月の長崎全研でも取り上げられていたし、5月には雇用労働政策に関する韓国視察も実施されています。中同協経営労働委員会でもテーマのひとつになっていました。確かに、企業経営者の中には「安い労働力」といった認識がどこかにあるのかもしれません。人材不足の状況が続く日本の中で、外国人の働き手はますます増える傾向にあります。このあたり、帯広に住んでいると急速な環境変化に気づかないかもしれません。外国人労働者と労使見解。興味深いテーマといえます。
グループ討議の中でも考えさせられるような話が出てきました。
働き方改革によって有休の取得がしやすくなりましたし、実際に取得率が高まっています。1年に有休を20日間取得すると、1ヵ月分の勤務日数に相当する。だから、経営者は1年を11ヵ月と考えねばならない……といった話。つまり、粗利を10%上げなければならないというわけです。
問題はそれを商品価格に反映させたり、10%の生産性向上に結びつけられるかということ。ある製造業経営者は顧客を納得させるためのエビデンスをしっかり整えていました。TKCの経営指標(BAST)を使った説明でした。このあたり、勉強になりますね。といっても、地元の顧客が納得するかどうか、話は別ですが……。
労使見解と求人活動
宮城同友会共同求人委員長の引地氏の話も興味深いものでした。僕は経営指針委員会なので、共同求人委員会の中身についてよく知っているわけではありません。北海道同友会の5委員会連携もまだ始まったばかり。
引地氏は、「同友会と他団体との違いは労使見解があるかどうかである」と語っていました。確かに労使見解は大きい。「労使見解」という言葉は一部の会員にとって不人気で、この言葉が使われると例会参加者が減る……といった話を聞いたことがあります。しかし、労使見解こそ同友会のもっとも中心となる思想。これがあるからこそ、同友会は地域になくてはならない経営者団体であり続けられるのです。
学生にとってはどうか? 僕は労使見解の考え方を積極的に伝えていくべきだと思っています。引地氏の報告の中にも「自社の情報が学生に十分届いていないのではないか」といった話がありました。これは自社の知名度や事業内容だけの話ではなく、自社の理念や哲学も含めてのことでしょう。
各地同友会では合同企業説明会が盛んに開催されているはず。同友会会員が集まっていること自体、ひとつの付加価値であるわけですが、学生たちは当然ながらそのことに気づいてはいません。他の合説と同じようなもの、と考えているでしょう。
労使見解という言葉を使うべきかどうかは別として、同友会の思想・哲学を伝えながら学生や求職者に情報発信すべきではないか? 昨日の事例報告を聴きながら、そんなことを考えていました。
学生は広く世の中を知っているわけではありませんから、どうしても知名度の高い大企業を選ぶ傾向があります。ここはブラック企業なのに……。ある程度知っている人なら、そう言いたくなるのですが、それでも知名度や企業イメージによって動いてしまう。
これには、情報量が少ないからという単純な理由もあるでしょう。しかし、根本的な考え方、あるいは自社の価値観を学生たちに十分発信していないという、僕らの問題でもあるのです。
我が社は「わくらす」等の媒体を使って、十勝の企業の理念、基本的考え、社風等をていねいに伝えようとしています。企業によっては、オウンドメディアを使って、それを伝えようとしているところもあります。ただ、全体としては、「考え方を伝える」という企業はまだ少数派なんですね。手っ取り早く、大手就活サイトにお金をかける傾向にある。何か、同友会会員であるメリットを生かしながら求人活動ができるのではないか? いろいろ考えさせられた1日目でした。