高原淳写真的業務日誌 > 写真家的文章作成技法 > 第3回 スリム化ムリか?

第3回 スリム化ムリか?

第3回 スリム化ムリか?

おはようございます。

昨日は旭川と札幌の取材でした。移動距離は540キロ。冬の取材としてはちょっとハード。天気がよくて助かりました。
 さて、ブログをリニューアルして3日目となりました。当初、リニューアルをきっかけに文章量を減らそうと考えていたのですが、この2日間の文章はいずれも2000字を超えています。どうしても話が脱線してしまう・・・。その分、文章が肥大化してしまうのでしょう。
 今回のテーマは「スリム化ムリか?」。あくまでも、文のスリム化であって、僕の体型とは無関係であることをご承知おきください。

人生は短い。だから、文も短く

読みにくい文章の代表格といえば、ずばり「法律」でしょうか? 「正確性を期するため」という理由はよくわかりますが、一般人には「何を言っているのかわからない」。したがって、読む気にはならない。それでも、ほとんどの人は法律に反することなく生きている(そうも言い切れないか?)。法を知らなくとも法を守っている。ちょっと不思議ですね。
 少しでも関心の持てる法律を・・・ということで、著作権法79条「出版権の設定」から一文引用してみます。

第七十九条 第二十一条又は第二十三条第一項に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権等保有者」という。)は、その著作物について、文書若しくは図画として出版すること(電子計算機を用いてその映像面に文書又は図画として表示されるようにする方式により記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物により頒布することを含む。次条第二項及び第八十一条第一号において「出版行為」という。)又は当該方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。以下この章において同じ。)を行うこと(次条第二項及び第八十一条第二号において「公衆送信行為」という。)を引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。

これが一文。途中に句点(マル)がありますが、これは括弧内の句点ですから、文が終わりという意味ではありません。一文が342字。法律の文面に限らず、ときどきこうした長い文、くどい文に出合うことがあります。学術書や論文にもこうした傾向が見られますね。昔の新聞にも長文が見られましたが、今はずいぶん改善されています。
 文が長くには、3つの理由があるのではないかと思っています。
1.書き手の頭がよすぎるため、文が長くても「わかるだろう」と思って書いてしまう。
2.性格的に几帳面すぎるため、「誤解されないよう」気をつけて書くうちに文が長くなってしまう。
3.書いているうちに、「何が何だかわからなく」なってしまう。

さあ、あなたは賢人タイプ、几帳面タイプ、混乱タイプのどれに当てはまるでしょう?
 目指すべきは、ただの賢人ではなく、超賢人タイプですね。複雑に書くこともできるが、万人に通じるような書き方のできる人。我が社の編集部内では、「小学生にも通じるような文章を」と指導されることがあります。「超賢人」というより、他人に対して思いやりを持った書き方ができる人ですね。
 几帳面タイプの人にお伝えしたいのは、「何も心配することはありません」という言葉です。几帳面になるというのは、責任感とともに文章を書いているということ。几帳面な人は貴重であり、吉兆です。こういうタイプの人が行うべきことは、「重複した表現を削除すること」と「文を分解すること」。比較的簡単に読みやすい文章に修正することができるでしょう。
 問題は混乱タイプの人です。日本語の体をなしていない文章に出合うことがあります。そうした文章のリライトをすることがたまにあります。
 こんなとき、僕は「写真的に文章を眺めてみる」ようにしています。風景撮影をする際、何か気になる被写体があってカメラを向けるわけです。しかし、被写体がひとつとは限りません。手前に木があり、背景に山々がある。その関連性に美しさや秩序を感じる・・・。そんな心の動きがあってシャッターを押すのです。
 写真的に文章を眺めてみると、書き手が一番伝えたい言葉が目に飛び込んできます。次にその言葉に関係する事柄を見つけようとする・・・。つながりを修正することで、うまくリライトできることが少なくありません。こうしたリライトを自分で行うことができるようになれば、文章力がアップしたと言ってよいでしょう。
 方法は極めて簡単。一文を限りなく短くするのです。
 「○○は△△だ」「○○だと思った」といった具合に、限りなくシンプルな文にする。できれば20文字以内。
 こうすると、「てにをは」の間違いは、ほぼ根絶できるのではないかと思います。

牡蠣は生に限る。レモンを搾るなどもっての外。海の味を感じるのだ。まず舌先に牡蠣を乗せてみる。柔らかな感触を楽しむ。口の中に幸せ感が満ちてくる。この感動はどこからやってくるのだ? 太古の記憶が呼び覚まされたのだろうか。生命の誕生は38億年前。海の中から始まった。人類となった今もかすかに残る記憶。牡蠣は時空の扉を開く食べ物だ。

下手な文章で恐縮ですが、意味は通じますよね。話の意味は理解不能でも、日本語としての意味は理解してもらえるはず。文の構造を限りなくシンプルにすれば、誰でも意味の通じる文章を書くことができる。おわかりいただけたでしょうか?
 頭がこんがらがっても恐れることはありません。
 「こんがらがって、コングラチュレーション(congratulations)」
 そう自分に言い聞かせましょう。ではまた。

ソーゴー印刷株式会社

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌