
おはようございます。
自宅内の清掃活動と事務的作業を行う。他は休日として過ごす。本来であれば、「スロウ村の仲間たち2019」の1日目。台風接近により、10月14日、1日限りの開催となった。帯広では昼頃から晴れてきたが、これでよかったと思う。夜はラグビーワールドカップをテレビで見る。この精神を僕らも見習わねば。素晴らしい試合だった。
ひとつの目的のために
「One for all, All for one」という言葉があります。「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」と訳されることが多いのですが、もともと2通りの意味があるようです。
ラグビー精神のように語られるこの言葉、最初に登場したのは、カトリックとプロテスタントとの間で起こった30年戦争(1618~48年)。ここでは「万人は一人のために、一人は万人のために一致団結して戦う」という意味で使われたようです。
ラグビー精神としては「ひとりはみんなのために、みんなはひとつの目的のために」という意味のほうが正しいでしょう。ひとつの目的とは「勝利」に他なりません。昨日の日本対スコットランドの試合も、ひとつの目的に向かっていく姿勢がどちらのチームも立派でした。目的を持つ。そして、その目的を共有する。スポーツでも会社組織でも、その点はまったく同じと考えてよいでしょう。
会社組織でよく起こりがちなのは、会社を構成するメンバー(社員)が目的を見失ったり、そもそも目的が何なのか知らなかったりすることです。経営指針書があって、経営目的がしっかり書かれていても「知らない」ということが起こりうる。ですから、経営者や管理職の人たちは何度も繰り返し「目的」について語り続けなければなりません。単に経営目的を唱和するだけではなく、できれば自社の歴史や自分の経験したエピソードとともに語るとよいのではないかと思います。「何のために」(目的)と同時に、「どうして」(動機)を伝えることが重要でしょう。
会社組織の構成メンバーが目的を見失いやすいのには、いくつか理由があるのではないかと思います。
まず最初に考えられるのは、ひとつの会社の中にさまざまな職種の人がいる、ということですね。我が社の場合は営業、編集、制作、デザイン、写真、プリプレス、印刷、製本、総務……。他にもさまざまな職種の人がいる。そうなると、お互いにどんな仕事をしているのかわからなかったりする。ちょっとしたコミュニケーションギャップが起こりやすく、「目的が違うのでは?」と思うこともあるでしょう。それぞれのプロジェクトでは、「いい商品をつくる」という目的を共有できても、業務全体としては何となく目的が共有されていないと感じることがあるような気がします。
もっと小規模な会社の場合は、比較的目的を共有しやすいはずです。かつて東京で経営していた会社(遊文館)では、文章、写真、デザインを3本柱に「雑誌記事またはタイアップ広告をつくる」という仕事を行っていました。全員がスペシャリスト。自分に何が求められているのか明確でしたし、仕事のゴールもハッキリしていた。協力し合わなければ仕事は完結しませんでした。ソーゴー印刷でもその点は変わらないのですが、工程がもっと複雑であるため、何がどうなっているのか、全体が見えにくいところがあるような気がします。
目的をおおむね一致させる
ラグビーの場合は「勝利すること」が目的となりますが、ビジネスの場合は何が目的といえるのか? 我が社の経営目的には「調和のとれた豊かさと幸せ」(抜粋)と書かれています。漠然としていて目的のように感じられないかもしれません。
ビジネスの場合、目的は「勝つこと」ではありません。もちろん、勝ってもよいのですが、できるだけ多くの人を豊かにしたり、幸せにすることを目的に僕らは働いているはずです。「ひとりはみんなのために、みんなはひとつの目的のために」という場合、その目的は「顧客」であったり、「地域」であったりする。顧客や読者の方々と直接会う機会の多い職種の人たちは、日常業務の中で目的を確認しやすい傾向にあるでしょう。内勤が大半を占めている人は、個人差もありますが、目的を見失うことがあるのではないかと思います。
その意味でも「スロウ村の仲間たち」のようなイベントは、我が社にとって重要な意味を持っています。全社員総がかりで設営し、接客するというイベントです。自分たちは何のために、誰にために働いているのか? そのことを実感できる絶好の機会といえるのです。
また、スロウ村では「地域」を強く意識することにもなるでしょう。道内各地から集まってくる出展者の方々もまた、何らかの目的を持って働いていて、やはり「顧客」や「地域」を豊かにする、幸せにするために活動を行っている。目的を共有すべきなのは、我が社のメンバーだけではなく、広く志を共にする人たちなんですね。
個人レベルに分解すると、目的には一人ひとり違いがあって当然なのです。ところが、その一人ひとり異なる目的であっても、組織全体、地域社会全体の大きな目的と矛盾するものであってはいけない。自分個人の目的が、世の中全体の目指す方向性とおおむね一致していれば、自分の持つ能力を正しく発揮できるようになるわけです。会社は会社、自分は自分……というのでは、せっかく才能を持った人であっても、いい仕事はできませんし、誰かを幸せにすることは困難でしょう。
やはり、目的を共有するというところから会社組織は始まります。共通の目的を持つことで組織の一員となる。みんなは今日のイベントから何を感じることになるのでしょうか?
