
おはようございます。
朝7時出発。8時、さらべつカントリーパーク到着。「スロウ村の仲間たち2019」の準備は着々と進められていた。9時、出展者の方々に向けて開会式が行われる。9時45分頃、最初のシャトルバスが到着。例年通り、少しフライング気味でスロウ村が始まった。昨年同様、1日限りのスロウ村。この1日を楽しむべく、大勢の来場者で賑わった。僕とM氏も買い物をしては車に運び込んだ。買い物好きな来場者の方々のために、荷物の預かり所があるといいと思った。午後3時閉会。あっという間に終わったような気がした。僕は翌朝早朝出張のため、夕方早めに帰宅した。
旅行者にとってのスロウ村
「スロウ村の仲間たち」では、年1回このときだけ再会するという人が何人もいます。数年に一度やってくる方もいる。昨日は9年ぶりにYさんご夫妻と再会しました。今はアメリカ・ポートランドから帰省中とのこと。スロウではめずらしい海外の定期購読者。9年前に撮った記念写真は今も我が家に飾られています。お元気そうで何よりでした。
出展者の方々もずいぶん遠くから来られている方が多い。道北では中川町、道南からは函館市。どちらも遠いな。取材に行く場合はカメラを持っていくだけですが、出展・販売するには荷造りだけでもひと仕事に違いありません。こうやって年1度のイベントのために半日(もっとかな?)かけてやってきていただけるのは、非常にありがたいことです。
ある自治体関係者の方から「来場者は地元の人が多いのか、十勝管外からも大勢来ているのか?」といった質問がありました。アンケートの中にたぶんこのような質問項目があるはず……とお答えしましたが、今確認したら来場者の居住地に関する質問がない。かろうじて、十勝管内出身者かどうか、ある程度判別できそうな質問項目がありました。どこから来られているのか。これは重要なデータです。来年のアンケートには必須でしょう。
それはともかく、旅行者にとって「スロウ村の仲間たち」のようなイベントはどのような意味を持つのだろう……と考えることがあります。スロウの読者の方々にとっては意味深いイベントに違いありません。出展しているのは、スロウの誌面を飾った人たちばかり。そして、スロウの作り手である編集部が中心となってイベントを運営している。僕は一来場者のような感じで買い物と飲食を楽しんでいますが、Yさんご夫妻のようにたまに声をかけてくれる方もいます。ふだんなら誌面を介して知るだけですが、リアルに知り合える機会は僕らにとっても貴重なものといえます。
何気なく十勝にやってきたらスロウ村が開かれていて、たまたま立ち寄った……という人にとってはどうでしょう? こうした方々にとっても、スロウ村は楽しめるのではないかと思います。スロウ編集部のブースもありますが、雑誌スロウが主催するイベントだとは気づかないかもしれません。それでも、会場内に広がっているスロウ村独特の空気感のようなものは、十分伝わるのではないかと思います。他のイベントと何が違うのか、僕にはよくわかっていないところもあるのですが、何となく空気感に独特のものがあるような気がしてなりません。
偶然への期待
僕の旅の仕方をひと言で表すならば「無計画」。海外旅行へ行くときにも宿を予約することはありません。一応、暗くなる前にモーテルを探し、部屋を見せてもらってから泊まるかどうか決めるというスタイル。今はネットで外観も部屋も様子がわかりますから、今月末の旅行ではネット予約しようかなと思っています。ただ、どういうルートで回るか決めていないので、前日予約になるでしょう。
そんな計画性のない旅なので、イベントと出合うのはいつも偶然に左右されています。たまたま訪問した小さな町でフリーマーケットが開かれていた……。そんなパターンが理想的ですね。町の人が自分たちの不要品を持ち寄って、空き地か倉庫に並べている。そのようにして購入した品は、普通のお店で買ったものよりも記憶に残ることが多い。今の時代は、フリーマーケットもネットで行われるようになっていますが、リアルに購入できるようなイベントが廃れることはないでしょう。
僕は写真的なものの考え方をしているためか、「偶然」というものに惹かれ、偶然の出会い、偶然の発見、偶然のひらめきを重視する傾向があるようです。いろいろ調べて最良の一品にたどりつくというよりは、偶然の作用によって目の前に現れた何かを購入するということが多い。先週から僕が愛用することになったカメラも、店頭でたまたま目に付いたから購入したというもの。事前に調べたわけではありません。
僕の考える「旅」には、「偶然への期待」が多くの要素を占めているような気がします。だから、最初からスケジュールがきっちり決まっている旅にはさほど魅力を感じない。ただ、そんなツアーであっても、「偶然」がうまく盛り込まれているものがありますから、参加する価値はあるでしょう。近年のツアー商品の中には「なるほど」と思わせるものがいくつもありますね。
空振りすることを覚悟で無計画な旅に徹すると、その空振り感が旅の味のように感じられたりもする。レンタカーを延々走らせた先に「何もなかった」というような経験。北海道でも海外でも、僕は懲りることなくそうした経験を何度も重ねています。その「何もない」場所で撮った写真が案外よかったりするものです。その後立ち寄った小さな町がすごく輝いて見えることもあります。
たぶん、北海道を訪れた旅行者の中にも、僕と同じような旅の仕方をしている人がいるのではないかと思います。だから、僕は「必要以上に作り込みすぎない」イベントがよいのではないか、と考えています。実際には作り込みが必要なわけですが、作り込んでいる感じがしないというようなイベント。小さな町のフリーマーケットのような素朴さが残っていると、何となく居心地がいいような気がして、ずっとそこにいたくなるものです。