
おはようございます。
朝6時45分のスーパーとかちで札幌へ。10時半から北海道中小企業家同友会第8回「人を生かす経営」推進連携会議。議題は全道経営指針委員会の合同学習会など。予定より早く終わり、話題は求人活動や学生の就活に及ぶ。今年は昨年以上に採用に苦戦する企業が多いとのこと。理由は大企業の採用活動が秋までずれ込んでいるため。そのしわ寄せが中小企業に及んでいるらしい。学生の大企業志向は相変わらずのようだ。12時10分、北海道中小企業家同友会常任理事会。こちらも時間のかかる議題はなく、40分ほど「消費税増税」をテーマにディスカッションが行われた。異業種の経営者からの情報はとても参考になる。4時8分発スーパーとかちで帯広に戻る。帯広経営研究会10月例会の日。ぜひ聴きたいと思う講演だったが、列車到着のタイミングが合わない。午後3時台に出発する特急があると助かるのだが……。
大企業=安定なのか?
なぜ学生の大企業志向が根強いのか? これは容易に想像することができます。まずは親の問題。もうほとんど、「信仰レベル」と言ってよいほど、「大企業への就職=将来の安定した生活=充実した人生」だと思い込んでいる親が多いような気がします(あくまでも想像です)。次に学校の問題。これは昨日の会議の中でも話題に上っていました。某大学では明らかに大企業への就職を推奨しているとの話。このため、インターンシップで大勢学生がやってきても、自社に就職することはないのだそうです。
こうした偏った価値観(「間違っている」と言うつもりはありません)に対して中小企業家はもっと声を上げる必要があるのではなかろうか? 僕はひとりで勝手に盛り上がって、2年前、「激訳・キャリアデザイン」という本を著しました。そこで強調したかったのは、中小企業、とりわけ地域企業の中に、やり甲斐のある仕事や人生の幸せを感じ取る人が多いという事実。世の中には大企業で働くことで充実した人生を送る人もいれば、地域企業、中小企業で働くことに意義を感じる人もいるということ。これは自然なことであり、ちょっと考えれば当然のことといえるのです。
それなのになぜ偏った「信仰」が広まってしまっているのか? 今の時代、「安定している企業などない」という当たり前の事実に、どうして気づかないのか不思議でなりません。本当に大企業が安定しているのであれば、「世界で1万2500人、人員削減」といったニュースが流れるはずはないわけです。むしろ、業況が悪くてもギリギリまで人員削減しない中小企業のほうが安定度は高い。僕はそう捉えています。
企業規模が小さいほど、社長は毎日社員と顔を合わせるわけですから、自然に家族のような関係になっていく。一方、大企業の場合は直接顔を合わせたことのない人が、人員削減するかどうかの決定権を持っている。この違いは大きい。経営は安定しているかもしれませんが、社員の安定はあり得ないのではないでしょうか?
それでも大企業で大きな仕事をしてみたい、トップまで上り詰めてみたい、というやる気のある人は、大いにチャレンジすべきでしょう。ただ、チャレンジできる場は大企業ばかりではありません。中小企業にもビッグチャレンジの場が用意されている。そう認識すべきです。
チャンスの多い中小企業
拙著「激訳・キャリアデザイン」の中でも触れましたが、企業規模が小さければ小さいほど、社長の近くで働くことができる。これが中小企業に就職するメリットのひとつです。つまり、やる気と能力があれば、最短距離で幹部になる可能性が高い。20代であってもひとつのプロジェクトを任されることがありますし、社長の名代として社外の人と会う機会も得られるでしょう。
将来企業経営者になりたい。そんな意欲あふれる人は、中小企業に就職すべきですね。規模の大きな企業がいいというのであれば、自分が社長になってから大企業に育て上げればよいのです。社員が何万人もいる中で社長になるのは、宝くじに当たるくらい確率が低い。実力だけではなく、相当運が強くなければならないでしょう。
中小企業の場合は、何しろ「社長のなり手がいない」というところが多いくらいです。財務内容も将来性も優れているという企業でも、後継者がいないという悩みを持っていたりする。そんな企業に経営マインドを持った人が入社したら、自然に「次は君だ!」という空気になっていくのではないでしょうか。実際、去年か一昨年の全道経営指針委員会一泊研修会の中でそんな企業の事例を聴きました。本当にやる気のある人こそ、中小企業の中で確実にチャンスをつかんでほしい。僕はそう願っています。
昨日、一部の大企業は人を大切にしていない……という話を聴きました。もちろん、そういう企業ばかりではなく、人を大切に育てようという企業は規模の大小に関係なくたくさんあるとは思います。しかし、話に出てきた企業の場合は「入社の倍率が100倍以上」。100人にひとりしか入社できない。だから「採用してやっている」という意識が会社側にあるのだという話でした。本当にそうかどうかはともかく、採用難に苦しんでいる中小企業にとっては信じがたい話ですね。
中小企業家同友会では「人を生かす経営」を実践するために、経営者が集まって勉強し合ったり、熱心に社内研修を行ったり、限られた経営資源の中で働き方改革に取り組んだりしています。また、自社の企業価値を高めるべく、新商品を開発したり、新事業を展開するなど、経営者と社員が一体となって企業変革に努めている。僕はそういう会社のほうが働き甲斐、生き甲斐を感じ取れるのではないかと思っています。
「人を生かす経営」を実践している地域企業、中小企業は、もっと情報発信力を高めていかなければならない。昨日は、改めてそんな思いを強くしました。
