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経営指針の話66 戦略とエンゲージメント

経営指針の話66 戦略とエンゲージメント

おはようございます。
 午前8時48分発のスーパーとかちで札幌へ。午後1時、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前。1時半から全国青年印刷人協議会北海道・東北合同ブロック協議会。テーマは「エンゲージメント思考に基づくハイ・サービス」らしい。前段にセミナーがあり、その後、ハイ・サービス実践報告として、札幌支部のY氏、十勝支部の僕、そして東北ブロック合同の報告が行われた。僕の発表時間はわずか25分。重要部分に的を絞って話を進める。ちょうど時間内に収まった。休憩後、ワークショップ。札幌のY氏の事例をグループごとにブラッシュアップ。いいアイデアはいくらでも出てくる。その多くは従来の印刷という事業領域から大きく踏み出したものだ。他のグループの発表を聴いても、「従来型の印刷」という概念を崩さねばならないことは明らかだ。参加者全員、そのことを共有できた点が収穫といえるかもしれない。6時終了。
 タクシーで移動し、夜空のジンギスカンへ。6時半から懇親会。みんながビールを飲む中、僕だけノンアルコール。代わりに、肉を味わうことに集中する。札幌人と帯広人のジンギスカンに対する概念の違いについてぼんやり考えていた。8時25分終了。地下鉄で札幌駅へ。9時4分発スーパーとかちに乗車。少し疲労を感じていた。2日連続、朝2時半という超早起きだったことを思い出した。どおりでぼんやりするわけだ。ぼんやりしていたのは僕だけではなかったようだ。途中で2回も鹿に衝突。僕はぼんやりしていても帯広にたどり着けるが、ぼんやりした鹿は命を落とす。さして教訓にはならないが、緊張感を持って生きていこうと思った。列車は30分遅れた。帰宅したのは0時半頃。長い一日だった。

エンゲージメントの定義

昨日の勉強会では、エンゲージメントを「共感・感動」と定義づけていました。我が社では社内に向けて「愛着心」と説明しています。共感や感動は一瞬にして生まれる可能性があるもの。たとえば、ラグビーワールドカップの試合を見て、にわかラグビーファンになる。これは初めてラグビーを見た人が共感・感動したためでしょう。
 一方、愛着心のほうはもう少し時間を要することとなる。自分の生まれ育った土地に対する愛着心。日本人が感じる日本文化への愛着心。これを一瞬で感じ取るのは不可能。移住者の人たちが北海道に愛着心を感じる場合も、過去のさまざまな体験の積み重ねがあって愛着心に至ると考えられるでしょう。少なくとも数ヵ月、通常は数年、数10年かけて愛着心が形成されていくのではないかと思います。エンゲージメントマーケティングについて考えていくと、「共感・感動」は狩猟型、「愛着心」は農耕型といってよいかもしれません。
 このあたり、大都市で事業を行う企業と地方都市の企業との間に、意識差があるような気がします。どちらがよいというわけではありません。我が社は農耕型に偏りすぎていて、狩猟型という発想に乏しい。この点、昨日の参加企業から学ぶべき点がありそうです。
 狩猟は一瞬にして決着がつく。一方、農耕の場合は土づくりから始まって、種を植え、育て、収穫するまでに時間がかかる。必然的に、活動を報告する際にはストーリー化して伝えることとなります。なぜこんなに手間のかかることをやっているのだろう……といった疑問が脳裏をかすめることもある。(人にもよりますが)農業者の顔つきが哲学的になっていくのと同様、農耕型マーケティングに熱心に取り組んでいる人は、思考の仕方が哲学的になっていく。
 しかし、よく考えてみると狩猟にも哲学的側面がある。幾度となく狩りに失敗し、それでもチャレンジし続ける。そうした取り組みを通じて、やはり哲学的思考になっていくのではなかろうか? 我が社にも狩猟型ビジネスを少しだけ取り入れる必要がある。昨日はそんな考えが浮かんできました。

「戦略」という言葉の取り扱い

我が社の経営指針の中に、狩猟型とか農耕型といった文言は入っていません。代わりに「戦略」という言葉が一部に使われています。このあたりがちょっと狩猟的かもしれません。僕はかつて、できるだけ「戦略」という言葉を使わないようにしようと思って、いくつか別な言葉に置き換えてみました。一番使ったのは「ストーリー」だったかな? しかし、どうもしっくりこない。決して、戦って誰かを陥れるわけではないのですが、やはり戦略に代わる言葉が見当たりません。
 戦略とは「戦争に勝つための総合的、長期的な計略」のこと。経営戦略といった場合の戦略は、「ある目的を達成するために大局的に事を運ぶ方策」という意味になります。
 実際、経営指針を成文化する上では、「大局的に事を運ぶ方策」が不可欠なんですね。だから、僕自身は究極的平和主義者なのですが、つい「戦略」という言葉を使ってしまいます。
 中小企業家同友会の「経営指針成文化と実践の手引き」を読むと、この点、徹底していますね。「戦略」という言葉が一切使われていない(たぶん)。これに相当する言葉は何なのだろう……と思ったら、「対策」という言葉が使われていました。対策。う~ん。これもちょっとしっくりしませんね。対策というのは、何かが起こったときに対応する手段のこと。印象としては受け身的な感じがします。戦略のほうが能動的で積極的。
 経営指針研究会の研究生がクロスSWOT分析のところでつまずくことが多いのは、「戦略」という言葉を無理に避けているからかもしれません。とかち支部の経営指針研究会の中では、僕は「強化戦略」「改善戦略」「異質化戦略」「出口戦略」と伝えるようにしています。避けたい言葉ではありますが、ここでは「わかりやすさが大事」と割り切るようにしているのです。
 自社の経営理念、経営ビジョンに基づいて、経営戦略を組み立てていくと、自ずとストーリー性が生まれてくる。僕はシンプルにそう考えています。戦略とエンゲージメント。両者は正反対の印象を与える言葉ですが、エンゲージメントを高めるにも戦略は不可欠。それは相手を負かす戦略ではなく、相手に喜んでもらうための戦略。こういう楽しい活動であれば、戦略でも策略でもよいのではないかと思っています。

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