高原淳写真的業務日誌 > 味覚改革 > 食旅・パース編 > 食旅・パース編【2日目】 「信じて食べてみて」

食旅・パース編【2日目】 「信じて食べてみて」

食旅・パース編【2日目】 「信じて食べてみて」

おはようございます。
 ほとんど眠れぬまま、パース食旅2日目を迎えた。5時出発。といっても、目的地はまだない。とりあえずパースの中心地を目指してみる。キングスパークで少しだけ撮影。いい場所だ……。睡眠十分だったら、ずっとここを歩いていたい。

ともかく、僕らはアーリーチェックインできる快適な宿を求めていた。ノースビーチ方面へ。ものすごく賑やか。朝食。ベーコンと卵のトーストサンド。周囲の客をさりげなく観察。だいたいみんな僕と同年代かちょっと上。しかも、僕と同じような体型をしている。だが、食べる量は決定的に異なるようだ。全盛期の僕と同じくらい食べている。体型は近いが、マッチョな人物がいて、筋肉の付き方が常人とは異なっているように感じられた。
 宿はいくつもあるが、快適かつアーリーチェックインできそうなところはなさそうだとわかった。フリーマントルならあるかもと思い、ネット上の写真の印象から宿を予約した。1時間ほどかけてフリーマントルの中心街へ。よかった。まだ午前というのに部屋に入ることができた。M氏は熟睡。僕はブログを書く。ひと休みしてからフリーマントルマーケットのあたりを歩く。前回訪れたときとほとんど変わっていない。ここで遅めの昼食。無難なのはイタリア料理店。だが、ハンバーガーショップを選んだ。フェイクミートのハンバーガーがあった。POPには「信じて食べてみて」と書かれている。その通り、信じて食べた。これは紛れもなく「肉」だと思った。味も食感も。無理に肉に近づけた味という感じはしない。案の定、ボリュームがあって2人分けても十分。満腹にはならず、後味もよかった。

部屋にキッチンはないが、夕食は宿の部屋の中で食べようということになり、スーパーで買い物をする。日曜日のためか、閉店しているところが多い。車で15分ほどの場所に食品スーパーを見つける。チーズがやけに充実している。その中から選んだのは、ラッフィングカウ。これってオーストラリア産じゃなかったはず。だが、笑っている牛と目が合ってしまった。ハッピーカウは見つからなかった。ハッピーカウは「愛くるしい牛」。ラッフィングカウは人間的で、笑ってはいるがよく見ると下心のありそうな顔をしている。夜は果物、チーズ、ポテチ、クラッカー等を食べる。もう少し、夕食の質を高めたいところだが、今日からの食事に期待したい。

味より時間

これはあくまでも僕の私見なのですが、日本人とオーストラリア人の食に対する嗜好の違いには、ライフスタイルの違いが大きく関わっているような気がします。
 働き方改革によって、日本人にも時間的余裕が持てるようになってきているわけですが、オーストラリア人とはやはり違う。たとえば、買い物客が大勢いるのに日曜とか夕方になると店を閉じてしまう。このくらい、仕事よりも生活を優先させている。時間的に圧倒的に裕福。だから、料理の味そのものよりも、「食事を楽しんでいる時間」を大切にしているのではないか?
 日本人の多くはまだまだ時間的に貧困なところがある。僕もそうしたひとり。だから、短い時間の中で最大限の満足感を得ようとして、「味」にこだわってしまう。これは日本の中で暮らしていても、同じように感じることがあります。大都市ほど味や調理法にこだわる傾向にあるような気がする。十勝で暮らしていると、料理以外の要素が重要となることがある。だから、庭先での焼肉とか、森の中での焚き火料理には、「味より時間」という意味合いが強い。
 日本人の働き方も、今後大きく変わっていくに違いありません。短い仕事時間の中でどのように付加価値を創造するのか? この点は大いに悩ましい。それぞれ自社なりの解答を見つけ出さねばなりません。
 食事にはもちろん「味」も大切であるわけですが、それと同じかそれ以上に「食事を楽しむ時間」が人生にとっては重要であるはず。
 僕らは「おいしいものを食べる」から「おいしく食べる」への大きな転換点に差し掛かっている。それに「味」が伴っていれば、これ以上に幸せはありませんね。

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌