おはようございます。
朝7時半、アルバニーを出発。2日間過ごしたモーテルは、使いやすいキッチンを備えたいい宿だった。昨日の最初の目的地はウェーブロック。352キロある。Googleマップでは所要時間3時間52分と表示されている。途中で写真を撮りたい気持ちにもなったが、今日は長距離移動の日。ひたすら目的地へ向かう。しかし、レイク・グレースに近づくと撮らないわけにはいかなくなった。塩湖が無数にある。こんな風景は見たことがない。例によってハエと格闘しながら写真を撮る。11時45分頃、ウェーブロックに到着。ここではどんな写真を撮るか、最初から想像がついていた。実物を見ることが目的。写真は予定していたカットを撮るのみ。近くにあるヒポズ・ヨーン(カバのあくび)という岩も興味深いものだった。
宿泊地はカタニングという町。ウェーブロックの近くでは宿を予約できなかったため。距離は236キロ、所要時間2時間35分。さほど遠くはない。だが、Wi-Fiがつながらない場所。ナビが使えない。今朝になってオフラインマップをダウンロードすればナビも使えることがわかった。もう遅いか……。それども、さほど迷うことなくカタニングに到着。宿泊したホテルはいわゆるブティックホテル。ちょっと使いにくい部分もあるが、デザインは素晴らしい。当然キッチンはなく、ホテルのレストランで夕食。眠気防止のため移動中に間食をしたせいか、食欲は中くらい。僕はパスタ、M氏はサーモンソテー。素晴らしい味。久しぶりにビールを飲む。
カタニングには著名な観光スポットはなく、たぶん普通の地方都市なのだと思う。人口は3700人ほど。印象としては暮らしやすそうな町。スーパーのウールワースの品揃えがやけに充実している。おみやげはここで買ってしまおうということになった。
物価がずいぶん異なる。アルバニーのスーパーに比べると、こちらのほうが断然安い。同じ商品なのに半額くらい。アルバニーは観光地価格なのだろうか?
自炊と外食
久しぶりの外食。それもやや高級なレストラン。それでも、短パン+サンダルで気軽に入ることができるのがオーストラリアのいいところ。本当はダメなのかもしれませんが、短パン+サンダルでとがめられたことはありません。
一度、イギリスでサンダル、ジーンズ、襟なしのシャツはダメ……というところがありました。僕はOKでしたが、一緒に行ったフォトグラファーのZ氏はジーンズしか持っていなかった。僕がチノパンを貸してあげようとしたが、かたくなに自分のスタイルを崩そうとしなかった。このため、レストランには入れず、近くのバーでビールだけを飲むという夕食となりました。食事のために自分のスタイルを捨てるか、それとも空腹をこらえて自分を貫くか? 僕としては、一晩くらい妥協してほしかったところ。
25年くらい前の出来事をこうして覚えているのですから、食の記憶だけではなく、食べられなかったという記憶もインパクトが大きい。貴重な教訓とも言えますし、旅のエピソードのひとつでもある。こうしたエピソードを積み重ねることで、何が変わるというわけではありませんが、人生が豊かなものとなっていくような気がします。
今回の旅では「自分の食べたいものを食べる」ことを優先させた結果、やや保守的な食事になっていたところがあります。オーストラリアなのになぜか和食中心の食事。ずっと自炊生活でしたから、必然的にそうなってしまいます。
今日と明日は完全に外食となる予定。食材もほぼ使い切りました。冷蔵庫にはブドウが冷えていますが、これは移動中に食べ尽くされることになるでしょう。
今日はオーストラリアらしいものを食べてみようと思います。定番のフィッシュ&チップスかミートパイにしてみようか……。おいしいとかまずいとか、そういった小さなスケールで考えるのではなく、オーストラリアの国民食とも言える料理を味わってみるのも悪くはありません。20数年前の強烈な味の記憶がよみがえってきそうです。
ちなみに、昨夜のパスタは絶品でした。僕の腕前では、あのような本物感のある味を出すことはできない。奥行きというか、立体感というべきか。あのミートソースはどうやってつくっているのだろう? 大袈裟かもしれませんが、これまで食べたことのない味でした。