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食旅・パース編【11日目】 フィッス&チップスと生牡蠣

食旅・パース編【11日目】 フィッス&チップスと生牡蠣

おはようございます。
 朝8時半頃、カタニングの宿を出発。パースへ。途中で休憩がてらスーツケースの中身を整理する。昼過ぎにはパースに到着。宿はパースの中心街。これまで静かな町を転々としてきたためか、やけに騒がしく感じられる。もっとも賑やかと思われる場所に宿があった。だが、一歩ホテル内に足を踏み入れると、静かな空間が広がっている。いったん荷物を部屋に運び込み、車を駐車場に移動させる。街中のホテルの場合は、車の移動がちょっと面倒。その後、買い物と昼食。

昼に食べたのはフィッシュ&チップス。20数年ぶりに食べる料理。正確には28年ぶりだろうか。何度かオーストラリアを訪れたが、最初に食べたフィッシュ&チップスの味が強烈だったため、その後、食べた記憶がない。
 昨日久しぶりに食べ、僕の中にあったフィッシュ&チップスに対する誤解と偏見が完全に払拭された。実においしく感じられたのだった。28年前に食べたものとは大きく異なっている。どこが違うのか? 明らかに「味が違う」と思った。
 28年前、僕らはアルバニーへ向かう途中、ガソリンスタンドに併設されていた食堂でフィッシュ&チップスを食べた。たぶん、揚げてからずいぶん時間のたったものだったのだろう。油が古くなったような味がした。そして、僕はこれがフィッシュ&チップスの標準的な味なのだと誤解したようだ。その誤解が28年ぶりに解けた。できたての味は素晴らしいものだった。今後は訪れるたびに、最低一度は食べることになるだろう。
 4時半、ホテルの部屋に戻る。5時過ぎ、スカイプのテスト。5時半から北海道中小企業家同友会とかち支部四役会にWEBで参加。日本時間は6時半だ。冒頭の議案1と3のみ参加させてもらう。音質は良好だ。このくらいの人数であれば、スカイプでの会議も十分可能だと思った。
 パース時間7時少し前に四役会を中座させていただく。西オーストラリア滞在最後の夜なので、オイスターバーへ行こうと決めていた。ホテルからは徒歩5分くらいの距離。夜はやや冷え込んでいるが、半袖でも大丈夫そう。外を歩く人は思い思いの格好をしている。Tシャツ+短パンの人もいれば、真冬のような格好の人もいる。

アルバニーのオイスターハーバーでも出合えなかった生牡蠣がここにはあった。オイスターバーなのだから生牡蠣があるのは当然だが、産地にはなく(僕が知らないだけかもしれないが)、大都市のパースにはある。そのよしあしは別として、僕は生牡蠣を堪能することにした。メニューにはさまざまな味付けが写真とともに載っていたが、僕はもちろん「ナチュラル」を選択した。1ダースの生牡蠣の中央にはレモンと岩塩が添えられているだけ。M氏はレモンを搾っていたが、僕はもちろん生牡蠣ストレート。
 シングルシードの牡蠣。じっくり味わう。ときどき、岩塩を口に含んでみる。生牡蠣→岩塩→ワイン。このサイクルを延々回していきたいと思ったが、1ダースだけに留めておく。おいしいものを適量食べる。これが今回の……というより、これからの僕の食に対する一大方針。9時過ぎ部屋に戻る。

旅の意味

フィッシュ&チップスと生牡蠣。考えて見ると、両者は対極の料理であるような気がします。フィッシュ&チップスはオーストラリアの国民食と言える存在であり、手軽なファストフードでもある。一方、生牡蠣のほうはというと、それほど日常的に食べるものではなさそう。牡蠣の産地であっても、オーストラリア人が牡蠣を食べている姿を見たことがありません。単に季節的な理由なのでしょうか? 昨夜入ったオイスターバーでも、客の大半は東洋人らしき人たち。中国人か日本人でした。オーストラリアの牡蠣は実際のところ、どのように消費されているのか? ちょっと気になります。
 それよりも、僕にとって衝撃的だったのはフィッシュ&チップスの味。人間、誤解や偏見というのは怖いものです。そのことを思い知らされました。28年前の些細な味覚体験から、僕はフィッシュ&チップスをこの程度のもの……と軽く見てしまっていたのです。その体験に加え、オーストラリア人実業家O氏から「オーストラリア人の味覚は変」という話を聞いていましたから、誤解が偏見に発展していったようなところがあります。このため、オーストラリアで外食する際には、イタリア料理店を探す……という行動をとるようになってしまった。今回、28年ぶりの認識を新たにすることとなりました。これが今回の旅の最大の成果と言えるかもしれません。
 考えて見ると、同じような誤解と偏見は、日本でも多くの外国人が経験しているに違いありません。初めて食べた和食が変な味だったなら、「こんなものか」と思い込む可能性があるわけです。繰り返しチャレンジするという人であれば、いずれ誤解は解かれることになるでしょう。けれども、強烈なマイナス体験の結果、一生誤解と偏見を持ち続けて残りの人生を過ごすことになるという人もいるかもしれません。
 おそらく、「変な味」の料理を出す店が世界からなくなることはないでしょう。日本からなくなることも、おそらくない。とするならば、旅行者である自分が食のチャレンジャーであり続ける必要があるわけです。一度「変な味」に出合ったとしても、それは「貴重な教訓を得た」と解釈すべきではないかと思います。
 旅行も人生も「素晴らしい体験」と「貴重な教訓」の繰り返しです。「貴重な教訓」があるから、次には「素晴らしい体験」を得ることができる。そんな当たり前のことを短期間でリアルに体験することができる。ここに旅の意味があるのではないかと僕は考えています。 

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