
おはようございます。
丸一日、自宅で仕事をする。朝は写真選びと画質調整。9時頃からは大量の写真セレクト作業。午後はプレゼン資料作成。パワーポイントの作業をもっとさくさくできないものか? いつも思っていることだが、昨日は比較的早く作業できた。それでも27枚のスライドを作るのに約4時間。2時間くらいでできればよいのだが……。休憩なしでパソコン画面を見続けてしまった。もうひとつすべきことがあるのだが、5時40分で仕事を終える。1日分、仕事が遅れている。今週中には取り戻したい。
パワーポイントの可能性
若干使いにくいと感じることが多いものの、パワーポイントは思っている以上に活用範囲が広いということがわかってきました。今年初めて試したのは、音声付きの教材。これはパワポらしい使い方ですね。社内研修のビデオづくりができそうです。
先週はパワポでA4・4ページの会報を入稿しました。仕上がりは一応及第点。なぜ「一応」なのかというと、フォントにMS P明朝、MS Pゴシックを使ってしまったところがイマイチだったのです。これは「僕以外の誰でも作成できるようにする」という目標を達成するためにはやむを得ない措置。文字組みが若干美しくないところは、納得してもらうしかありません。あと、見開き編集できない(無理すればできそうだが)ところも弱点のひとつ。会報であれば、凝ったレイアウトをする必要はありませんから、弱点というほどのものではないでしょう。
そんなわけで、パワポをページレイアウトソフトとして使用するという、新たな可能性が見えてきました。これは僕にとっては重要な発見。どうしてかというと、インデザインを使っている人よりも、パワポを使っている人のほうが圧倒的に多いからです。インデザインはデザイン系の仕事をしている人が使うソフト。パワポはワードほどではないにしろ、一般の人にも普及している。購入するにしても、インデザインよりはるかに安い。
これを使って、ある程度見栄えのよい印刷物、冊子をつくることができるのではないか? そんな用途が僕には見えてきました。パワポを使った自費出版。これは十分可能でしょう。
今朝調べていたら、テキストボックスのリンクも簡単にできることがわかりました。先週入稿した会報をつくっているときは、テキストがリンク(連結)できるとはわからず、少しややこしい作り方をしてしまいました。次号ではもっとインデザイン的に使いこなせるに違いありません。
つまり、文字主体でありながら、ある程度デザイン的に見栄えのよい冊子を作りたいというニーズにも対応できる。パワポを究めれば、自費出版物の制作の標準ソフトとなるのではなかろうか? 企業はもちろん、個人にもパワポは普及していますから、デザインのひな形を提供すれば、自力で画像を配置したり、テキストを流し込むことができるはず。ワードや一太郎などのワープロソフトに比べ、デザイン的には圧倒的に自由度が高い。文字だけならワープロで差し支えありませんが、写真の多い冊子であれば、パワポが活躍しそうです。
顧客視点で考えると……
このような話を社内、とりわけデザイン・制作系の人たちにすると、「インデザインがあるのになぜパワポを使う必要があるのか」という疑問が寄せられるでしょう。使いにくいソフトをわざわざ使う意味はあるのか? 僕も先々週苦労しましたから、その疑問は当然のことと理解しています。
ポイントは「多くの人が使っているソフト」であるというところ。僕らにとって、インデザインやイラストレーターは当たり前に使いこなせますが、印刷、デザイン会社以外の人にとってはとっつきにくいソフトといえます。オフィス系のほうがその点では使いやすい。顧客自らデータをつくるには、プロ向けのソフトでは不向きなのです。
スマホで撮った写真でもそこそこ印刷物に使うことができる。そんな時代ですから、パワポやワードで作成したデータも十分印刷物になる。そう考えるべきでしょう。現状ではプロがつくったデザインと「圧倒的なクオリティの差」があるのですが、その差はどんどん狭まっていくことになるはずです。
ネット上で配布されているひな形には、あまり使えないものが多い。しかし、「使えるひな形」も実は存在しているに違いありません。無料配布ではない「使えるひな形」を我が社に揃えておくべきではないか……。デザイナーの人なら簡単に作れそうな気がします。
「専門家でなければ質の高い印刷データは作れない」という思い込みを僕らは捨てなければなりません。すでに写真の世界では、センスがイマイチのプロよりも、ハイセンスなアマチュアのほうがはるかに魅力的な作品を生み出しています。デザインの場合、技術的にクリアすべき点が多いため、今のところはプロのほうが優位に立っていると言えるでしょう。それでも、ハイセンスなアマチュアの台頭がめざましい。プロの領域は次第に狭められています。
また、顧客視点で考えたならば、プロにあれこれ注文して思い通りにならないというストレスを抱えるよりも、自分で作ってしまいたいという欲求が湧いてくるのではないでしょうか? 不足している知識、技術を補うためのツールがあれば、喜んで自分で作る。そういう人が多いのではないかと思います。DIY的なニーズが増していくことはほぼ間違いありません。
プロとアマの狭間にあるような商品や仕事の進め方について、僕らはもっと研究する必要がありそうです。これは印刷・出版のジャンルだけではないでしょう。多くの業界がボーダーレス化していて、アマチュアのセミプロ化が著しい。その結果、自社の付加価値低下につながりやすいという、共通の悩みを抱えている。むしろ、セミプロ化を肯定的に捉え、そこに新たな市場が生まれていると考えるべきではないかと思います。僕もこの機会に、もっとパワポの技術を磨かねば……と思っているところです。