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仕事観について41 抱え込むか手放すか

仕事観について41 抱え込むか手放すか

おはようございます。
 午前9時、遠路はるばる西日本各地から同業者の方々が来社された。同業他社の企業見学は確かに有益だ。しかし、わざわざ帯広まで来られるとは。せっかくなので、我が社の取り組みをあますところなく(?)伝えることにした。午後2時、中小企業家同友会とかち支部事務所でミーティング。3時過ぎ帰宅。次は全国ぷらざ協議会でのプレゼン資料作成。付け加えるべき話がいくつもあった。6時半、帯広柏葉高校へ。同窓会の部長会議。8時半帰宅。夕食後、資料作成の続き。11時近くになって完成した。

抱え込む理由

僕の仕事は今、2日遅れで進んでいるような気がします。今週末で遅れを取り戻すことができるのか? すでに平日には続々と予定が入ってきています。次第に年末感が漂ってきました。
 仕事の仕方には「抱え込む」と「手放す」の2通りがあるのではないかと思います。僕は残念ながら、抱え込むタイプ。立場上、もっと手放さなければと思っているのですが、それがなかなかできません。手放すときは「ほぼ丸投げ」という状態になり、報告すらちゃんと聞こうとしない。経営者、上司としては完全に失格タイプと言ってよさそうです。
 現状を考えるといくつか改めなければならない点があるのですが、「抱え込み」と「丸投げ」にも、それなりにメリットがあるのではないか……とも考えています。自己正当化のように思われるかもしれません。しかし、クリエイティブな仕事をするにはこのほうがよい。少なくとも、僕にはこのやり方のほうが合っているのです。
 よく、「時給の高い上司、経営者は自分でコピーをとってはいけない」といった話があります。もっと企業価値を高めるような活動に集中すべき、ということですね。それはもっともなのですが、僕には窮屈な考えのように思えます。コピーをとったり、給湯室でコーヒーを淹れたりするのは、手を動かしながら考える時間がほしいため。コピーのかすかなトナーのにおい、あるいはコーヒー豆の香りが脳に刺激を与えてくれる。そんな効果もあるでしょう。
 雑用に近い作業の中から、何らかの発想が生まれることがよくあります。そのような時間は、どんなに多忙を極めていても持つべきではないかと思っています。
 ひとつの仕事を完結させるには、「丸ごと自分でやる」か「分業体制をつくる」か、選択を迫られることとなります。仕事の規模にもよりますが、僕はできるだけ丸ごと自分でやることを選びます。それが正しいとは思っていませんが、まず自分でやってみようとする。どうしてもできないところだけ、誰かに任せる。「クナウこぞう文庫」で言えば、カバーデザインだけ社内のデザイナーに依頼する。他は全部自分。効率という点では分業体制のほうがよいのでしょうが、ひとりのほうがイメージ通りに進めやすい。
 スロウの記事も同様で、僕が受け持ったページは自分で90%くらい仕上げます。残り10%はプロの手によるデザインの微調整。この10%は誌面の質を保つ上で避けて通ることはできません。完全ではないけれど、ほぼ丸ごとといって差し支えないと思います。
 「丸投げ」というのは「抱え込み」と対をなすものと考えてよいでしょう。自分では抱え込めないから丸投げする。丸投げされたほうは、抱え込むか分業するか、自分で選ぶことができます。僕が気をつけているのは、仕事力の点で信頼のおける人にしか丸投げできないということ。未熟な人に仕事を依頼する場合は、抱え込みよりもっと負担が増えることを覚悟しなければなりません。

抱え込みと編集理念

社内には抱え込みタイプと分業タイプの両方の人がいるわけですが、我が社全体として考えれば、どういうことが言えるのでしょう? 
 ソーゴー印刷という会社はどちらかというと抱え込みタイプの傾向が強い会社ではないか、と考えることがあります。もちろん、印刷事業においては分業が当然のように行われています。社内はもちろん、さまざまな同業者、関連業者と分業している。印刷業界全体、分業がなければ成り立たない産業であると言ってよいでしょう。
 それでも「抱え込み」と僕が思うのは、我が社の出版系の仕事の進め方にあります。世の中の多くの出版社(ほとんどと言ってよいかもしれません)は、ライター、デザイナー、フォトグラファーを外注しています。我が社にもフリーランスの方々から営業のメールや郵便が届くことがある。ありがたい話ではあるのですが、ほぼ例外なく「スロウの場合、自社で完結していますので」という返信をすることになります。我が社は自社完結型なのです。
 これはたぶんスロウ創刊の頃に決めたのではないかと記憶しています。月刊しゅんの場合は広告代理店等からの受け取りデータもありますから、自社完結型にはなりません。ただ、自社制作のページについては、基本的に社内制作になっていることでしょう。
 どうして自社完結にこだわるのかというと、我が社の編集部には「編集理念」があるからです。理念の共有というものは、社員であってもそう簡単にできるものではありません。自社に馴染み、自社の企業文化を理解し、理念に共感する。この組織、このチームに所属することに居心地のよさを感じるかどうか? 編集理念に違和感を感じることなくクリエイティブな活動ができるようになるには、社員であることが必須条件ではないかと僕は考えています。このため、どうしても出版事業では自社完結型、抱え込みタイプとなりやすい。
 素晴らしい技術を持つ人は大勢いて、単発の印刷物、あるいは出版以外のプロジェクトではコラボレーションする機会も多いに違いありません。また、閉鎖的になるのはよくないことだとも考えています。ただ、自社で発行している雑誌に限定すれば、今後も抱え込みタイプであり続けることでしょう。
 僕の仕事の仕方はどうなるか? 今後、丸投げ局面が増えるものと、自分では想像しています。

ソーゴー印刷株式会社

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

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