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仕事観について43 第97回全国ぷらざ協議会2日目

仕事観について43 第97回全国ぷらざ協議会2日目

おはようございます。
 午前9時、全国ぷらざ協議会2日目の勉強会が始まった。各地からの報告。我が社にとってヒントとなる事例があった。10時過ぎからスカイプによる講演、ひとり目は信州から、続いて九州から。非常に興味深いチャレンジ。僕がこの話を聴くのは2度目。この数ヵ月のうちに着実に成果を積み重ねているようだ。昼食後解散。いつもの通り、羽田のラウンジでひと仕事してから帯広へ。7時半頃帰宅。

理念と仕組み

我が社は……というよりも「僕が」というべきか。理念先行型の傾向が強く、仕組みをつくるのが不得手であるという弱点があります。どちらかというと、仕組みをつくるのはM氏であったり、中堅、若手の実力者たちだったりすます。仕組みがうまくできていなければ、仕事がうまく回らない。あるいは、ハードに働いても利益が残らないといった問題が発生します。
 ぷらざ協議会をはじめとする各種勉強会に参加すると、この仕組みづくりが抜群にうまい思う会社がある。または、うまいかどうかは別として、本気で新事業にチャレンジし続けるうちに、仕組みができあがっていく……という事例を聴くこともあります。うまく、賢くつくるか、それとも本気で仕組みをつくるか。このどちらかしかありませんね。
 たとえ理念は本物であっても、仕組みづくりに本気にならないと事業は長続きしない。わかっていてもそれができない場合、いくつかの原因が存在するような気がします。
 目の前にやるべきことが多すぎて、仕組みを考えるだけの時間的、心理的余裕がない。これが一番多いパターンかもしれません。とりあえず、目の前の仕事を完結させるために、急場しのぎの「仕組みのように見えるもの」をつくりだす。そして、力業でやりきる。力が入っている分、仕事の出来映えとしてはよいものとなることが多い。
 けれども、利益という面ではバラツキが多く、自社に利益貢献することもあれば、社会貢献的意味合いの強い仕事だった、と思うこともある。民間企業には社会貢献と経済性の両立が求められます。したがって、利益の出る仕組みをつくらねばなりません。
 仕組みを考える能力があるかどうか。これも大きいような気がします。誰もが持つ能力というわけではなさそうです。小さな仕組みをつくることはできても、ひとつのビジネスモデルをつくり出すには、ちょっとした才能が必要なのではないか? 才能は乏しくても、努力次第で何とかなるものなのだろうか? このあたり、勉強会では毎回のように考えさせられます。
 我が社のビジネスのやり方は独特なものとなってきていて、それもひとつの仕組みであると誤解されることがあります。もしかすると、我が社の事例も仕組み化なのかもしれません。仮にそうだとしても、欠陥の多い仕組みと言ってよいでしょう。マンパワーに依存しすぎる傾向にあるのです。
 我が社の生命線のひとつは取材力、編集力といったところにあります。入社2、3年でプロの編集者が育つような人材育成法が確立していれば、それはひとつの仕組みと言ってよいでしょう。けれども、現時点では個人のセンスと努力によるところが大きい。文章作成技術とかコミュニケーション力といったものは、なかなか伝えにくいもの。テキストはあるものの、マニュアルをつくることはほぼ不可能。どちらかといえば、写真やデザインのほうが仕組み化しやすいかもしれません。

仕組みを考える時間

今回の勉強で改めて気づかされたのは、営業という仕事こそクリエイティブなものなのだということでした。
 利益を生み出す仕組みをつくり出すには、営業職がクリエイティブかどうかが重要な鍵を握る。さらに言えば、他の職種の人たちも営業職的な視点を持つことが大切ですね。
 バブル崩壊以降、営業職に過度な負担がかかるようになっていったのではないかと思います。もう、20数年間苦労の連続という人もいることでしょう。印刷産業の場合は1997年あたりから、従来型の営業の仕方では受注しにくくなっていきました。僕が印刷の業界誌に目を通すようになったのは2000年以降のことですが、「提案営業」という言葉が盛んに使われていました。
 職能研修を受講すると「営業視点」ではなく、「マーケティング視点」を持つべきだという話が出てきます。すでにできあがっている仕組みの中で営業活動を行っていても、ビジネスが拡大する余地はほぼない。新しい仕組みを自分の手で生み出さなければならない。ルートセールスに慣れてしまっている人にとっては、別世界の話のように思われるかもしれません。何か新しいことをやらなければならないが、何をどうしたらよいのかイメージできない……。多くの印刷会社がそのような悩みを抱えているのではないかと思います。
 僕の考えるところ、「いいセンスを持った人にのびのび活躍してもらう」のが一番。失敗しても成功しても、チャレンジしたことに対して評価する。そんな社内の仕組みができれば、モチベーションの上がる人が何人か出てくるのではないかと思います。
 ただ、前述の通り、能力やセンスがあっても「余裕がない」という人もいたりする。働き方改革を成功に導く最大の鍵は、能力やセンスのある人に対し、「仕組みを考える時間をたっぷり与えること」なのではなかろうか? 我が社の経営課題もここにあるような気がしてきました。
 もうひとつの打開策は、「とことん仕組みづくりの必要性に迫られる」こと。これは我が社の場合、17年前に経験済み。ただし、追い詰められてつくるのはしんどいものですから、「センスのいい人にのびのび」というやり方が望ましい。今後2年間は過去に経験したことのないような変化が起こるはず。若手、中堅のセンスに期待したいところです。

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