
おはようございます。
午前9時出発。遠軽町白滝へ。層雲峡経由で3時間ちょっと。案外遠い。白滝で取材するのは何年ぶりだろうか。M氏は道の駅しらたきでfu-soraのパンを買っていた。取材は午後1時から。移住者のご夫妻。生き方として、ビジネスの話として実に興味深い。交流人口を増やし、地域経済にも貢献している。こうした経営マインドを持った人が増えていくと地域は活性化する。社内にいれば、組織として発展するに違いない。3時半頃取材終了。7時過ぎ帰宅。
仕事力、性格、経営マインド
経営マインドがあり、仕事能力が高い。さらに好ましい性格をしている。これが理想なのですが、さすがに三拍子揃っている人は少ない。我が社の場合、好ましい性格の人は大勢いますが、経営マインドを持つ人はまだ多いとは言えません(僕が気づいていないだけかもしれませんが)。
仕事力は本人の努力と組織の人材育成力によって伸びていくものです。誰もが「早く一人前になりたい」と思っていますから、個人差はあるものの次第に仕事力を身につけていく。もともと能力の高い人であれば、数年のうちに頭角を現してくるでしょう。伸び悩んでいる人にしても、何かしら自分の活躍できる分野があるものです。それを発見し、磨いていくことで一人前のプロになることができるはず。
性格については、変えようと思ってもなかなか変えられないものです。自分でも自分の性格を変えられないのですから、他人が変えようと画策してもほぼ不可能でしょう。変えようとは思わず、「見え方が変わるようにしよう」と本人が決意する。そこにポイントがあるのではないかと僕は考えています。自分の性格には好ましいものも、困ったものもあるわけですが、短所が短所には見えないよう「見せ方を工夫する」ことはできるはず。
そうしたちょっとした努力によって、周囲の人から、性格が変わったかのように思われることがあるものです。僕ももともとの性格からずっと変わっていませんが、見せ方を工夫し、見え方が変わるように心がけています。うまくいかないケースも多いわけですが、そうした試行錯誤の結果、人に与える印象を多少なりとも変えることができる。これも、社会人としては身につける能力ではないかと思います。
残るは、経営マインドと言うことになります。仕事力と性格。この2つは努力次第で何とかなる考えていますが、経営マインドだけは「持って生まれたもの」と「育ち方によるもの」が大きいのではないか? あるいは、その人の人生に訪れる大きな出来事が作用するものなのではなかろうか? 僕にはそう思えてなりません。
社内の勉強会では、経営マインドとはどういうものか、経営マインドを持つにはどうすればよいか……について伝えることがあります。ただ、僕自身も本当のところ経営マインドを持っているのかと問われると、ちょっと怪しいところがありますね。
経営マインドという言葉は人によって、捉え方にバラツキがあるかもしれません。シンプルに、判断力、リーダーシップ、実行力と説明されることもあるようです。あるいは経営者として持つべき精神、心の持ち方。「責任感を持つ」というのも経営マインドのひとつでしょう。
コンセプチュアルスキル
そういう意味では、我が社のリーダーの中には条件をクリアしている人たちが何人もいます。
ただ、僕の捉え方はちょっと違っていて、経営マインドにはコンセプチュアルスキル(概念化能力)も含まれていると考えているのです。事業活動の細部も大事ではありますが、役職者になればなるほど、全体を見渡す能力が求められる。
この事業、商品は我が社全体の中でどのような位置づけのものなのか? 始めたばかりのこの活動は、将来どのような形で発展していき、自社のビジョンとどんな関係にあるものなのか? そのようなことをイメージできるかどうか。そうした能力を含めて、経営マインドを持った人と言えるのではないかと思います。
もちろん、今ここに集中して、顧客満足(顧客の利益)と自社の成長・発展のために、いい仕事をすることが何よりも大切です。社内では誰ひとり例外なく、今のお客様、今の我が社のためにいい仕事をしようというマインドを持っているに違いありません。
ただ、会社は今だけではなく、将来も続いていくわけです。今がよければよいわけではありません。また、今の事業形態が永遠に続くということもあり得ない。時代の変化とともに必ず変わっていく。
経営マインドを持った人は「時間」と「空間」の両面から、将来のあるべき姿や自社の持つ潜在能力といったことについて考えています。
自社の収益の柱は、今と10年後とでは違ったものとなる。経営マインドが乏しいと、「今」だけを考えて経営資源を振り分けてしまうことになるでしょう。
昨日の取材では、コア事業のリフレーミングと経営資源の最適化ということについて考えさせられました。経営についての取材ではありませんでしたが、僕は自社の経営と結びつけながら聴いていました。人生経営も企業経営も農業経営もまったく同じといってよいでしょう。経営マインドを持つ人は、自社の事業の本質的な価値を理解していて、そこから無限の可能性を引き出すことができる。さらに、能力の高い人となると、今ある経営資源を上手に組み合わせ、ユニークな商品を生み出し、それを事業化することができる。
こうした能力はどのようにして身につくものなのか。ひとつは「子供の頃からの経験」を通じて。もうひとつは「追い詰められて」身につくのかもしれません。その意味では、今からでも経営マインドを鍛えることは可能。自分で自分を追い詰めればよいということになるでしょう。