
おはようございます。
朝6時45分出発。僕の計算では時間ギリギリ。ノンストップで札幌へ。9時半ピッタリ、K氏と合流。取材は10時から。僕にとっては10数年ぶりの取材相手。雰囲気は変わっていないが、業容はずいぶん大きなものとなっている。企業経営と地域経済について興味深い話だった。次の取材先はこれから広がっていきそうな業態。日本ではまだめずらしい。しかし、札幌なら需要はあるだろうな……。帯広にもあれば利用したい。最後は札幌市中心部から車で30分ほどの場所。スロウな旅北海道の取材。イベント開催のいきさつがユニークだ。4時少し前、取材終了。7時15分帰宅。
それぞれのチャレンジ
昨日の3件の取材には共通項のようなものがありました。内容も規模も目的もまったく異なっていたわけですが、ひとつだけ同じものがあったのではないかと思います。
それは「思った通りにやってみる」ということ。当たり前に思うかもしれませんが、僕らは案外「思った通りにやっていない」ことが多い。周囲を気にしたり、誰かの許可を求めようと思ったり、失敗を恐れて無難なやり方に変更したりすることがあるものです。その結果、何の特徴もないありきたりな活動になってしまう……。
最初の発想は斬新なものだったのに、計画段階で不必要に修正してしまい、さらに実行段階では中途半端な力の入れ具合となる。こうした不完全燃焼感いっぱい(?)の活動が世の中にはけっこう多い。我が社にもそうした事例がたくさんあります。
「自信がない」「挫折感を味わいたくない」「責任を負いたくない」。こういったネガティブな気持ちが入り交じった結果、斬新なアイデアは「当たり障りのないものに」書き換えられ、思い切った行動は「日常の延長線上のもの」となり、うまくいかなくても「誰も責任を負わない」という結末を迎える。ありがちなパターンですね。
昨日の取材がどのような記事になるのか僕にはわかりませんが、一番見習うべきポイントはここでしょう。
思ったことを思った通りにやってみる。企業経営者やフリーランスの人であれば、自分でリスクを背負ってやってみる。勤め人の人であれば、思ったことを思った通りに企画、提案し、思い通りにできる環境を自分で整える。そして、自分の責任の範囲内においてチャレンジする。
文字にするとどうということはないのですが、いざその通りにしようと思うと、けっこう勇気がいるものです。当たり前のようにできる人と、よほどの覚悟がなければできないという人がいる。僕はどちらかというと後者のタイプでしょう。
だから、小さな案件で「思った通りにやってみる」を繰り返すことが重要ではないかと思っています。小さな思い切り。完璧なまでに失敗したとしても組織全体には影響を及ぼさないというレベルのもの。
我が社にはおもしろいアイデアを持っている人が何人もいますから、小さな思い切りをもっと発揮すればよいのだと思います。小さく思い切って、自分の負える範囲の責任を負うという経験を積み重ねていく。その積み重ねのある人は、やがて大きな責任も自分で負うという覚悟ができるに違いありません。
リスクと本気度
やりたいことがあるのに責任は負いたくない、という依存心が自分の生命力を次第に弱めていくことになります。こうした残念なタイプの人が世の中には残念ながら多い。これは本人の自覚の問題でもあるのですが、社風や企業文化の問題でもあると捉えるべきかもしれません。
自分が本当にやりたいと思っていて、それが自社や世の中の利益につながるものであれば、失敗を恐れず果敢にチャレンジすべきです。自己資金で行うのなら何の問題もありません。ただ、会社の資源を使うものであったり、外部から資金を調達するのであれば、当然リスクを引き受けることとなる。
ここで自分の本気度が問われることとなるわけです。やりたいことはあるけれど、本気度を問われた時点であきらめてしまうというのであれば、結局、その程度の淡い願望に過ぎなかったということになる。「その程度のやりたいこと」が浮かんでは消える……というのを繰り返すうちに、斬新なアイデアが浮かびにくい体質に変容していく。ここがちょっと恐いところですね。
もともと革新的な思考を持っていた人が保守化していくというのは、僕がもっとも見たくない風景のひとつ。逆に、経験を積み重ねるごとに発想が斬新なものとなっていく、やりたいことが増えていくという人を見るのはエキサイティングなものです。
結局のところ、企業経営者(たぶんフリーランサーも)は、革新的な思考を持っていて、やりたいことがたくさんある人でなければ務まりません。誰の発想であっても、最終的には自社で起こったことは自分が責任を負うことになる。自分のやりたくないことで責任を負うよりも、自分のやりたいことを行って責任を負うことを選択するでしょう。
会社員の人にも当然やりたいことがあるはず。それが本気レベルであるならば、「企画を通す」か「自分で実行できるポジションに就く」かのどちらか。企画の通しやすい会社に在籍していればラッキー。そうではない場合でも、要は出世して、責任あるポジションに就けばよいだけです。責任と権限は釣り合っていますから、役職が上がればできることは増えていく。若手の人には健全な出世欲を持ってほしいと思います。
あとは、純粋に素直にやりたいことをやってみよう……というマインドの問題ですね。日本人は先例を気にしすぎますが、「先例がない=一番乗り」と考えてチャレンジすることが重要。プロジェクトの大小よりも、一番乗りのほうがおもしろい、と僕は思っています。