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SDGs経営14 書店とSDGs目標4

SDGs経営14 書店とSDGs目標4

おはようございます。
 不思議なことに、全身筋肉痛。思い当たる理由は、東京で雨の中、長距離歩いたことくらい。あとは車まわりの雪かき。その程度で筋肉痛になるか? 謎だ。昼間は買い物へ行った以外、ひたすら体を休めることとなった。午後6時、ふじもりへ。2月ではあるが、書店組合の新年会。印刷会社、出版社もそうだが、書店も事業のあり方を大きく変えていかねばならない。印刷にも出版にも書店にも、大きな可能性があるはずだ。北海道のこれまでの100年は、経済的豊かさや規模を求めての100年だった。5万人程度だった人口は528万人(2019年)に増えた。北欧の一国に匹敵する経済規模となった。これからの100年は、文化・芸術の面で発展していくことになる。その際、書店には重要な役割を果たすことが求められる。今は逆風が吹いているが、人々の知識欲、成長意欲が衰えることはない。出版物の価値が見直される局面が必ずやってくる。そのためには業態を変える必要があるのではないか? 同じことが印刷会社、出版社にも当てはまる。地域に文化を支えるという点で、関係者がもっと協力し合うことが重要、というのが僕の考えだ。8時過ぎ帰宅。

同じ本でも「価値がまったく異なる」

印刷会社の場合、営業パーソンにとって「いかに印刷受注に結びつけるのか?」が最大のテーマとなります。書店の場合は「いかに本を販売するか?」、それ以前に「いかに売れる本をたくさん仕入れることができるか?」がテーマではないかと思います。
 しかし、売れ筋を追うことに終始すると、どの書店も同じような店になってしまう。目先の損得を求めすぎると、自社の魅力は低下していく。これはどの業界にも当てはまることでしょう。「今日の売上」を確保しながら、「明日の売上の柱」をつくっていかねばなりません。明日の売上がどこにあるのか、見えにくいのが悩ましいところです。
 明日の売上のために市場創造を粘り強く行っていく必要があります。そのことに気づいている人は多い。近年では、読書会、講演会、トークショーといった活動が増えているのではないかと思います。これらが、出版社、書店、読者など、立場の異なる人々の手で企画・実施されています。本そのものの魅力を伝えたり、出版物を通じて社会問題について考えたり、自己成長につながるような場を形成する……。集まった人たちが同じ本を読み、共通言語を持つからこそ、知識を広げたり、考えを深めていくことができるのです。出版物のユニークな特性のひとつといえます。
 こうした物販以外の活動を熱心に行うことによって、本の付加価値は増していくことになります。そして、同じ本であっても「書店から本を買う」のと「ネットで買う」のとでは、「価値がまったく異なる」ということに気づく人も現れるでしょう。
 SDGsの目標4は、「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」です。これは学校教育に任せておけばよいというものではないはず。家庭教育、学校教育、職場教育の3本柱がしっかりしていて、そのための最大のツールとして「価値ある出版物」が十分に確保されていなければなりません。
 教科書と参考書だけでは、必要な知識も感性も身につかない。本がすべてではありませんが、人生の質を高めるような本との出合いが必要です。子供だけではなく、大人にも欠かせません。SDGs目標4が指し示す通り、「生涯学習の機会を促進する」必要があるのです。
 その拠点として、地域には書店がなければなりません。また、書店は品揃え、ディスプレイ、イベント等を通じて、メッセージを伝えることが重要ではないかと思います。近年、書店にも出版社にも、そうした機運が高まりつつあるような気がします。

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