高原淳写真的業務日誌 > リフレーミング > リフレーミング09 数10年後に価値が増す写真

リフレーミング09 数10年後に価値が増す写真

リフレーミング09 数10年後に価値が増す写真

おはようございます。
 午前は2時間かけて写真と資料の整理。といっても、自分のものではなく、実家から持ち込んだもの。取捨選択に一瞬迷ったが、「迷ったら捨てる」の原則を貫く。午後、少しくつろいでから床屋さんと買い物へ。休日らしい一日となった。

重要な写真は意外に少ないもの

昨日整理したものは70%くらいが写真でした。その多くは旅行写真。僕としては、当時の会社の人たちや社内が移っているような写真を期待していたのですが、ほとんど見つかりませんでした。まだ未整理の袋に入っているのかもしれません。
 先代の時代は当然ながらフィルムカメラでしたから、ネガ+プリントという形で残っています。これらをすべて捨てることにすると、大量のゴミが発生する。たくさん撮ってもゴミが発生しない。この一点だけでもデジカメになってよかったと思っています。
 残す写真と捨てる写真の区別をどうするのかというと、僕の基準はシンプルです。将来、自社の社史、記念誌をつくろうと思ったときに「掲載する可能性があるかどうか」というところ。したがって、会社に関係する人物、商品、機械設備、社屋、町の様子といったものは、残すべき写真に分類されます。本人にとっては大切な写真であっても、旅行写真とかゴルフの写真といったものはすべて捨ててしまいました。
 僕が高校時代から撮りためてきた写真も、いずれ誰かに捨てられてしまうことでしょう。ここ20年間についてはデジタル写真ですから、捨てるにしてもデリートを押すだけ。問題は1977~1999年までの写真でしょうね。ポジとネガが大量にある。ポジは捨てても構いませんが、モノクロのネガの中には重要な作品が含まれています。暗室作業でプリントすることをほぼ断念している今となっては、早いうちにデジタル化しておくべきですね。
 それはともかく、僕がもっと集めておきたいと思っている写真は「社内の風景」です。昨日出てきた写真の中で一番興味深かったのは、1997年に撮られた総務部と営業部が写っている写真。よく見ると、総務にパソコンが1台置かれていますが、営業部の人たちの机の上にパソコンはない。今では考えられない風景です。
 僕が入社した2000年5月、営業部全員の机にブルーのiMacが並んでいました。工程管理がデジタル化したタイミングで、全員パソコンを使うようになったようです。それから20年。仕事の仕方はさらに変わっていくことになりました。1997年当時の制作課が写っている写真はまだ見つかっていません。たぶんPower Macintoshの頃。僕が入社したときにはG4への切り替えが進んでいたと記憶しています。
 先代の写真の中に社内スナップが少ないのは、何となく心理的ブレーキが働いたからではないかと想像しています。フォトグラファーである僕も、何か正当な理由がなければ気軽にパチパチ撮るということはしにくい(僕がそう思っているだけの話ですが)。したがって、社長以外の人が撮る社内の風景やスナップ写真は貴重な史料といえます。これを1ヵ所にまとめておきたいと考えているところです。
 写真には賞味期限の長いものと短いものとがあります。1年後には不要となるが今必要なもの。あるいは、今は重要度が低いけれど、20年くらいたつと貴重な記録となるようなもの。前者は熱心に撮るものの、後者はちゃんと意識していなければ撮り逃すことが多い。社史をしっかりつくっている会社は創業期からの写真が数多く残っています。時間軸で物事を考えているからでしょう。
 昨日は写真以外にもいくつか発見がありました。40年くらい前の給料袋とか昔の年賀状印刷見本帳といったようなもの。これらは一部デジタル化するものの、できるだけ現物を残しておこうと考えています。

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌