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リフレーミング12 本離れは起こっていない

リフレーミング12 本離れは起こっていない

おはようございます。
 昨日は不思議な時間の使い方だった。作業(おもに家事)と娯楽的活動を交互に行う。それが朝から夜まで続いた。娯楽のほうが多くを占めていたが、休日としては充実していたのではないか。

「書店のない町」でよいのか?

そういえば、これまで多くの移住者(または移住希望者)の方々と話をする中で、図書館や書店について話題に上ることが度々ありました。数えているわけではありませんが、その確率は案外高いように思えます。十勝に移住したとき、「読書生活に不自由はないのか?」という点を気にされているようなのです。
 そうして、ある程度の規模の書店があることに安心し、帯広駅前に立派な図書館があることに喜ぶ。そういうパターンが多いですね。
 これは我が社と接点のある移住者・移住希望者だからなのだろうか? そこは何とも言えません。けれども、僕の知る範囲では「本離れは起こっていないのではないか」と思えるような出来事が多い。
 そのことを裏付けるようなデータがあります。もう20数年間、出版物の売上は右肩下がりにあるですが、落ち込みが目立つのは雑誌です。書籍も下がってはいますが、雑誌ほどではありません。これに電子書籍の売り上げを加えるとどうなるのか? 雑誌はともかく、書籍+コミック+電子書籍の合計売り上げでは、なんと右肩上がりになっているというのです。「出版不況は終わった」という説もあるほど。
 しかし、現実には書店数がどんどん減少し、書店のない町が増えています。とりわけ中小書店が厳しい。売れることがわかっている本であっても、今の取次制度では、大型書店へ優先的に配本されてしまうからです。中小書店は、人が集まるような特徴を打ち出さなけれなりません。全国的には成功事例があるものの、これが決定だと言えるものはまだない。
 電子書籍とネット書店。大きくはこの2つが中小書店の売上を押し下げる要因となっています。全国どこに住んでいても、インターネット環境が整っていれば、電子書籍をダウンロードできるし、紙の本も通販で購入することができる。だから、書店がなくても不自由はないと考える人もいます。
 本当にそうなのか? 書店を「本との出合いの場」と考える人にとって、リアル書店がなくなってしまうのは一大事。書店がなくなって、出版物だけが残る……というのは、ちょっと不気味な世界だと思ってしまいます。
 図書館や書店の存在が気になる移住者・移住希望者というのは、健全な感覚を持つ人々であるように僕には思えます。手に取って、確かめて商品を購入する。本に限らず、そのような当たり前の消費行動が少しずつ失われてきています。
 ネットでレビューを読んで購入する……。僕もそのようなプロセスで商品を購入することがあります。少し改めなければなりませんね……。
 2月、3月と「巣ごもり消費」になっていた人が多かったのではないかと思います。新型コロナウイルスによる外出自粛傾向が強かった。注意深く行動する必要はあるにせよ、地域経済のことを考えれば、もっと活動的にならねばなりません。ネットではなく、書店へ行って本を購入する。そういう時間を増やしていきたいものです。
 消費者にはわがままなところがあります(当然僕にもある)。だから、便利さとか値段の安さといったものに影響されやすい。便利で安いネット消費に流されやすいのです。しかし、地域の消費者には「地域内での役割」といったものがあるのではないかと僕は考えています。地元の店から商品を購入することで、地元店を守る、買い支えるという役割。個人で自由に使えるお金は限られていますが、地域の大多数の人がそうした意識を共有すれば地元の店が衰退することはないはず(店の経営努力にもよりますが)。
 出版物に関していえば、ニーズが大きく変わったのではなく、流通の構造や消費者(読者)の行動が変わったと言えるのでしょう。出版社、取次、書店は変化に対応する必要がありますし、読者には地域の文化的拠点を守るという意識が求められます。双方の意識と行動を変えることが大事なのではないでしょうか?

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