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新版・SDGs経営1-2 需要拡大を絶対視する危険

新版・SDGs経営1-2 需要拡大を絶対視する危険

おはようございます。
 午前中は休日として過ごし、午後からパソコンに向かう。新入社員研修のテキストづくり。というよりも、2019年版を手直しする作業。ZOOMを使った研修となるため、そのままでは使い勝手が悪い。だが、ZOOMならではの見せ方も考えられる。連休中、一気に完成させたいところだ。夕方、ネットでいろいろ調べていたら、わからなかったことがわかった。もう3年くらい前から知りたかったことだった。うまくいったら、僕と同じ悩みを持つ人に教えてあげたいと思う。

需要拡大を絶対視する危険

僕は子供の頃、恐ろしい夢を見たことがありました。世界の人口が増え続けていって、人でいっぱいとなった陸地から押し出されて海へ転落していく……という内容。子供っぽい夢ではありますが、妙にリアルに感じられました。今でも同じような感覚を持ち続けています。
 当時の世界人口は38億人くらいだったと思います。今はその2倍。もちろん、現実に崖から落ちるような心配はないのですが、比喩的な意味では同じようなことが今起こっていると言ってよいのではないでしょうか。
 世界に住んでいる76億人の人々は、誰ひとり例外なく「豊かになりたい」と願っているわけです。質素な暮らしを望んで、それを実践している人もいるでしょうが、そうした人はどちらかと言えば少数派。多くの人は経済的豊かさをある程度満たした上で、精神的豊かさを手にしたいと思っているはずです。僕もそのうちのひとりです。
 ところが、76億人すべての人が経済的豊かさを手に入れたならば、地球環境は持たない。中国の3/4の人たちが車を所有しただけで、石油消費量が世界の原油産出量を超えることとなるわけです(3/4というのはアメリカ人の自動車所有率)。
 持続可能な世界にしていくためには、「人口の抑制」か「消費する資源の抑制」しかないのではないか? 子供の頃の僕は、急速な人口増加に恐怖感を抱いていましたが、今はどちらかというと「消費する資源の抑制」に関心を向けています。それは、先進国の多くが人口減少社会へ向かうようになったためかもしれません。
 「消費する資源の抑制」について考えていくと、頭の痛い問題に直面します。そう、「企業の経済活動を縮小せねばならないのではないか」という結論に至ってしまうのです。
 我が社のような印刷会社の場合は、紙を大量に使って印刷物を納品することで売上・利益を上げてきたわけです。需要が減少すると、企業として存続できなくなる。需要というものは、何もしなければ目減りしていくものです。競合他社の魅力的な商品に惹かれて、自社の顧客が減少することもありますし、人口減少社会の今日では、絶対的な消費量も減少傾向にある。ですから、どの企業も需要を喚起するような活動を熱心に行っているに違いありません。
 地球環境のためには、あまり熱心に経済活動を行わないほうがよいのではないか? そんな考えも浮かんできます。しかし、もう一方では別な考えも浮かんでくるはずです。
 世の中の不均衡を正すための活動に対して、熱心になるべきではないか?
 僕の理解するところでは、SDGsとはそうした問題意識から生まれたものでしょう。人間の欲望というものは、そのまま野放しにすると際限なく拡大していくもの。他人を思い遣ったり、他国の実情に関心を持つようになると、自身の欲望をコントロールし、全体のバランスについて考えられるようになっていく。そうした、一人ひとりの良心に訴えかけていくようなところがSDGsにはあります。
 企業の経済活動においても、需要拡大を絶対視するのではなく、抑制のとれた活動がこれからの世界には求められるのではないか? 
 2020年、新型コロナウイルスの脅威に対して、多くの企業が自社の損得を超えて動き出しています。儲けを度外視して、マスクや人工呼吸器の製造を始めたり、コロナ対策に向けて自社の知的財産を無償提供するなど、従来の企業活動とは異なる動きを見せている。これはSDGsと照らし合わせると、大いに考えさせられますね。
 単に需要を追い求めるのではなく、自社は世の中のために何ができるのか? ここに今日を生きる企業のテーマがあると言ってよいのではないかと思います。

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