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「クナウこぞう文庫」について

「クナウこぞう文庫」について

おはようございます。
 「写真を見る愉しみ」の全20話を書き上げ、少しホッとしたところです。1日2200~2500字。全体では4万5000字程度ではないかと思います。一冊の本にするには少し足りない分量。追加原稿を書くことになるでしょう。さらに、写真や図版が加わります。だいたい208ページに収まるのではないかと思います。
 今年に入ってから「写真家的文章作成技法」「激訳・自分史作成講座」「写真を見る愉しみ」の3冊分の原稿を書きためてきました。本としてまとめる段階に来ています。
 3冊分の原稿を書いた感想としては、「これからが大変だな……」ということ。ブログの文章はまだ荒削りなところがあります。これから整えていくという作業が残っている。一冊通して読んでみると、矛盾する箇所もきっと出てくることでしょう。

ひとつのテーマについて、2000字程度使って20回書き上げる。書き始める前は「簡単にできるだろう」とたかをくくっていたのですが、実際にやってみると案外大変でした。きっと知識が十分ではなかったということでしょう。あるいは、自分の考えがまとまっていないことについて書いたためかもしれません。
 しかし、あるテーマについては4万字、5万字書いていくと、「足りない知識」を補うために勉強することとなりますし、「まとまらない考え」をまとめていくために熟考することになります。これが今の僕には必要なことでした。
 昨年は「経営指針」と「キャリアデザイン」について考えをまとめ、今年に入ってからは「文章作成技法」「自分史作成」「写真鑑賞力」の3テーマについて、ある程度まとまった考えを文章化することができました。これは僕にとっては大きな収穫といえます。
 毎日1時間、ひとつのテーマについて考え続ける。そうすると、方向性が次第に明らかになっていく……。少しだけ、コツがつかめてきました。次のテーマをどうしよう? 今考えているところです。

昨年、「激訳・経営指針成文化」を皮切りに、「クナウこぞう文庫」シリーズををスタートしました。本当は年間12タイトルくらい本を出していきたいと思っているのですが、そう簡単にはいかないようです。僕自身はがんばっても年間3冊くらいでしょう。著者が何人も現れてこないことには、文庫本シリーズにはなっていきません。
 ただ、実際に文庫を出版してみてわかったのは、「非常に使い勝手がいい」ということでした。文庫本は著者にとっても、出版社にとっても、読者にとっても使い勝手がいいものではないかと思います。
 普通の単行本よりコストが安くてすみますから、価格設定を低く抑えることができる。加えて、かさばらない。出版社にとって、「かさばらない」というのは案外重要です。我が社の3階倉庫を見ても、さほどスペースをとっていない。
 文庫シリーズを出すことにした最大の理由は、「講演会会場で気軽に販売でき、気軽に購入できるようにしたい」と思ったこと。書店で本が売れるというのが一番理想的ではあるのですが、我が社はまだまだ出版社としては存在感が薄い。文庫本やビジネス書を出しても、読者の目につく場所に置かれる可能性は低いはず。たぶん、一番売れるのは「講演やセミナー会場ではないか?」と思ったのです。
 僕の場合、利益が出るほどの販売数は期待できませんが、著者によっては書店ルートよりも売れることでしょう。
 単行本ですと、1500円前後という価格設定になっていると思います。文庫だと半額程度になりますから、講演会参加者にとっては購入しやすい。同友会とかち支部の例会参加費は通常1000円。参加費より安く設定できれば、購入者が増えるのではないかと思います。

僕のねらいは、道内から思想、文化、ビジネスの情報を発信するということ。SNS等によって、断片的な情報発信は盛んに行われていますが、信憑性があって、体系的な考えを伝えていく手段としては、紙の本のほうが向いているといえるでしょう。
 我が社はこれまで雑誌媒体を主体に、北海道の価値ある情報を伝えてきました。きっとこれからますます力を入れていくことになるでしょう。
 もうひとつの柱として育てていきたいと僕が考えているのは、書籍のほうです。これまでは散発的に作ってきたところがあって、シリーズとしてのまとまりという点で手薄だったのではないかと思います。すでにある「クナウアンビシャス」という単行本レーベルに加え、僕としては「クナウこぞう文庫」に力を入れていきたいと思っています。
 道内には、広く伝えていきたいと思うような魅力的な人物、魅力的な哲学、魅力的な活動が山のようにあるのです。ただ、ひとつ言えることは「決定的に著者が少ない」ということ。
 我が社としては「気軽に本を出版することの環境整備」に取り組んでいきます。
 技術面から環境を整えていくために書いたのが、「写真家的文章作成技法」と「激訳・自分史作成講座」。コスト面からの環境整備は「クナウアンビシャス」と「クナウこぞう文庫」。この両輪から、北海道の思想、文化、ビジネス情報の発信を活発に行いたいと思います。
 もちろん、インターネットから発信される情報も重要です。ただ、ネットは万能ではありません。10年後、20年後、100年後も存在し続ける媒体としては、「紙」のほうが確実性があると思うのです。我が社のホームページにしても、10年前のものは見られなくなってしまいました。どこかに保存されているのか、それとも完全に消去されたのか、僕にはわかりません。
 歴史や文化を後世に残すという点では、紙媒体のほうが優位ですし、何よりも一冊の本にまとまっていることが重要なのです。

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