おはようございます。
朝、細かい仕事をいくつか片付ける。そのうちのひとつに「自分の似顔絵を描く」というのがあった。僕の超苦手分野。いったん完成させたが、M氏のOKが出ない。11時、買物へ。久々の買物だったため、帰宅すると午後2時になっていた。新入社員研修の準備。夕方、改めて似顔絵を描いたら、いい感じに仕上がった。
コア・コンピタンスをSDGsと結びつける
我が社では2003年から「コア・コンピタンス経営」をめざすようになりました。コア・コンピタンスとは、「顧客に対して、他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」のこと。平たく言えば「圧倒的な強み」といったもの。これを会社全体だけではなく、社員一人ひとりにも設定してもらっています。「個人のコア・コンピタンス」として年1回発表会を開催。こんなことをする会社はちょっとめずらしいかもしれません。
自社、あるいは個人のコア・コンピタンスをもとに、毎年行動計画が立てられていきます。これをSDGsと紐付けできないだろうか? 僕が発案者ではありませんが、あるとき「これはいけるに違いない」と直感しました。
コア・コンピタンスとSDGsは、普通に考えるとあまり親和性があるとは思えません。コア・コンピタンスがめざしているのは競争優位をつくること。一方、SDGsのほうは競合他社とも協力してよりよい世界をつくっていこうとするもの。
ただ、我が社のほとんどの人たちは、圧倒的優位に立ちたいとは考えていないようなんですね。市場を独占しようという野望はなく、シェアを奪い取るという発想もほとんどない。あるのは「これまでになかった商品・サービスを生み出したい」という野望でしょうか。
社員一人ひとりのコア・コンピタンスを見ると、核となる能力だけではなく、その人の個性や魅力が記載されていることが多い。現在の能力ではなく、「なりたい自分」を書いている人もいます。本来のコア・コンピタンスからはかなり逸脱しています。しかし、我が社の場合は、それでよいのかもしれません。
少しぼんやりしているところがある我が社の個人のコア・コンピタンス。ただ、その根底には、「自分の能力や個性を生かして世の中の役に立ちたい」という思いがあります。これをSDGsの17の目標、169のターゲットに紐付けしていく。そうすると、もっと具体的な目標や計画が立てられるようになるのかもしれません。
世界は大きく変わっています。どの会社も競争優位をつくりだそうと躍起になり、その結果、環境破壊が進んだり、格差が拡大していったわけです。コア・コンピタンスという概念は企業・個人の成長のために必要なものであり続けるでしょう。けれども、今後はそこにSDGsの理念を組み込んでいく必要があるのではないかと思います。
世界が変わっていくと同時に、人々の価値観、とりわけ人生観や仕事観も変化してきています。人生100年時代を迎え、本当に意味のある仕事をしたいという人が増えてきました。経済的に恵まれたポジションを捨てて、北海道に移住する人もいますし、初任給の高い大企業ではなく、あえて我が社のような地域企業に入社する人もいる。
個人の生き方そのものがすでにSDGs的になりつつある。まだまだ一部の人とはいえ、そうした流れは着実に太くなってきています。我が社の場合は「個人のコア・コンピタンスをSDGsと結びつける」というやり方ですが、それぞれの会社でさまざまな方法が考えられるのではないかと思います。地域企業の存在そのものがSDGs的ですから、それをもう少し明確に、具体的にしていくだけでよいのです。