おはようございます。
昨日は新入社員研修最終日。午前9時から、第18講「お金の概念」、第19講「売上と利益」、第20講「アイデアを形に」。最終講となる20講はS氏が講師と務めた。アイデア力は本当に大切だ。なぜなら、多くの企業はアイデア不足に悩んでいるからだ。僕もアイデアが枯渇しないよう、アイデアが湧く習慣の維持に努めようと思った。午後は事務的作業がけっこうあった。4時からはZOOMで長野、東京の方々とミーティング。当社からは僕を含め6名参加。技術面はよくわからないが、知りたかったことがすごくよくわかった。
物質主義から解放されつつある消費者
正直に言うと、僕には物質主義的な傾向があって、物を手に入れたいという欲求が強い。子供の頃は親にプレゼンテーションをして、欲しいものを手に入れることが多かった。これ(欲しいもの)があると、自分はどのように成長できるのか? 単純に「欲しい」では手に入りませんから、エビデンスが必要です。自己成長という目的と、自己成長につながるエビデンスをストーリー化して、いかに欲しいものを手に入れるか。子供時代の僕は、けっこう策士だったと思います。
雑誌スロウで取材をしていると、物質主義とは対極にあるような人に度々出会うようになりました。物に対する執着がないんですね。まったくないわけではないでしょうが、本当に必要な物だけが身の回りにある。あるいは、ただお金を出して購入するのはなく、自分で必要な物を作り出そうとする。余計な物を買って反省することの多い僕は、「このような生き方から見習わねば」といつも思っています。
我が社の若手の人たちを見ても、物質主義的傾向はあまり感じられません。クレジットカードを使って買い物しすぎて身を滅ぼす……みたいな人はいませんし、これからも出てこないでしょう。みんな驚くほど健全。身の丈に合った暮らし方をしているように僕には思えます。
日本では人口減少に加え、物質主義も次第に衰えつつある。物を所有したいという欲求が薄く、必要ならシェアすればよいという考えを持つ人が増えています。大量生産大量消費の時代はとっくに終わっていますが、これからますます物が売れないようになっていくことでしょう。
ただ、これは資源の浪費を抑える意味でも、環境負荷を小さくする意味でも、好ましいことと捉えるべきでしょう。製造業にとっては難しい時代でもあります。
ずいぶん前から、消費は「モノ」から「コト」に変わったと言われています。物品の購入ではなく、体験にお金を使う消費行動。
僕の解釈では、コト消費の中にも2通りあるのではないかと思っています。ひとつは「自分の私的欲求を満たすためのコト消費」。旅行に例えれば、観光地めぐりをして、名物料理を食べる。そんなイメージ。僕も、海外旅行をするとそういう行動をとることが多い。
もうひとつは、自己成長と社会貢献につながるようなコト消費です。真っ先に思い浮かぶのは、習い事とか趣味の世界でしょうか。旅行でも、自分の知的欲求を満たすような体験を求めて旅をする人が増えています。そして、極めつきと思えるのはボランティア旅行でしょうか。自分でお金を出して、誰かの役に立つような活動をする。これは消費者としての究極の進化形といえるかもしれません。
日本は高度成長とバブル崩壊を経験して、長い期間その後遺症に悩まされ続けました。そうしてたどり着いたのが「物質主義からの解放」であり、「社会貢献型のコト消費」といえるのではないでしょうか。今はまだ世の中の主流とはなっていませんが、そのような生き方を求める人は着実に増えていくに違いありません。