おはようございます。
この1週間ハードだったためか、昨日は活動らしい活動はせず、ひたすら体を休めることにした。夕方まで休日として過ごす。6時半、帯広柏葉高校同窓会役員選考委員会。帰宅途中、コンビニで関税を払う。20数年ぶりだな、関税を支払うのは。コンビニ払いができるとは便利になったものだ。8時帰宅。
消費者との関係が変わってきた
消費者と一口に言っても、いろいろなタイプの消費者がいます。知ろうとすればたいていのことがわかる。そして、情報をSNSで瞬時に拡散させることができる。そんな時代になりましたから、悪質なクレーマーやカスタマー・ハラスメントが増えているのも事実。
その対極として、地域をよくしたいとか、SDGsに熱心な企業を応援したいといった消費行動も活発になっています。消費行動は多様化してますから、これからの企業経営を考える際には、「自社にとってのお客様は誰なのか」をハッキリさせる必要があるのではないでしょうか?
とりわけB2Cの企業にはそれが求められることになるでしょう。我が社のような印刷会社の場合はB2Bビジネスが中心。ですが、出版や通販等の事業ではB2Cの側面もあります。読者の方々から電話やメールをいただくことも多い。
ビジネス書を読んだりセミナーを受講すると、「ビジネス=コミュニケーション」という話が出てくることがあります。ビジネスをする上でコミュニケーションが重要なのは当然のことですが、それ以上に自社商品がコミュニケーションツールなのです。
我が社で言えば、「月刊しゅん」や「スロウ」は読者に向けて、何らかのメッセージを発している。もちろん、それぞれの記事にメッセージ性があるでしょう。ただ、それとは別に、本全体から編集部の、あるいは我が社からのメッセージが伝わっているのではないか?
そうして、読者の方々は「しゅんとはこういうフリーマガジン」「スロウはこんな雑誌」というイメージを持つこととなる。漠然としたものではあっても、各媒体の編集理念が伝わっているに違いありません。
商品とは「理念が具現化したもの」。ですから、それぞれの企業の主力商品には自社のメッセージが込められているはずです。そのメッセージに賛同や共感した人が顧客となるのです。
ここ10数年の間に大きく変わったと思うのは、自社の理念に共感してくれた消費者がSNS等を使って紹介してくれたり、さまざまな形で応援してくれたりするようなケースが増えていることです。消費者は物質主義から次第に解放され、別なものを求めるようになりました。そのひとつが「つながり」でしょう。東日本大震災以降は特にその傾向が強まったような気がします。読者、消費者もつながりを求めているし、我が社も読者や消費者とつながろうとしている。我が社がイベントを積極的に行うようになったのも、直接出会う場をつくりたいという思いが背景にあったためでしょう。
自社に好意的な消費者は、「その会社と一緒にブランドを育てていこう」という気持ちを持っています。自分にとって大切な存在だと感じてくれているのです。
一消費者の立場で振り返ってみたとき、そのように思える商品、ブランド、企業を思い描くことができるでしょうか? 僕にもいくつかそういう商品、ブランド、企業があります。だから、誰かについ話してしまう。誰からも頼まれてないのに人に勧めてしまう……。単に口コミと言ってしまえばそれまでですが、その会社の理念や歴史的背景まで語ることもあります。
そんな話をするのは僕だけではないはず。消費者である自分は、「ただ消費すること」だけでは満足しなくなり、つながったり、広めたり、一緒に価値を高めたりしたいと考えている。自己満足的なものも多分に含まれてはいるのですが、半分くらいは「世の中をよりよくしたい」という純粋な思いから来ているのではないでしょうか。
企業が理念型、あるいはSDGsに沿った商品の開発・発売に力を入れていけば、消費者との関係をよりよい方向へ変えていくことができるのではないかと思います。