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新版・SDGs経営7-5 長期ビジョンとしてのSDGs

新版・SDGs経営7-5 長期ビジョンとしてのSDGs

おはようございます。
 午前中は原稿執筆。2ページで本文約1000字。すぐにできるかと思ったら、案外手こずった。2時間かかって書いたら昼になっていた。午後はインデザインでレイアウト。原稿を流し込んでから字数調整。キャプション、見出しを加える。のんびり作業していると4時になっていた。もうひとつ進めようと思った仕事までたどり着かない。頭の中は休日モードに切り替わっていた。

長期ビジョンとしてのSDGs

おかしいな、こんなはずじゃなかったのにな……と思うようなことはないでしょうか? 社会人1年目の自分と今の自分との間に、大きなギャップを感じるという人も多いことでしょう。
 一番感じるギャップは「純粋に仕事に打ち込みたい」と理想に燃えていた1年目に比べ、思考が現実的になっている点ではないかと思います。企業経営者の場合は、「理念は大事だが、今期の売り上げ・利益のほうがもっと大事」という心境。これは強迫観念のように経営者に重くのしかかってくる。プレッシャーを感じながらも、どのようにして経営理念に沿った企業経営ができるのか。そのためにも、経営指針、経営方針が必要となります。
 本来、あらゆる仕事は「世の中の困りごとを解決する」という目的で行われるものです。「困りごと」という言葉に違和感を感じる人は、「世の中を便利にする」でもよいでしょう。それ以外の目的は見つかりません。
 ところが、資本主義経済の下では、この目的が変質したり、もろくも崩れ去ったりするのです。何事にもお金が必要。「お金がなければ何もできない」ということになり、お金を稼ぐことが仕事の目的となってしまう。手段が目的にすり替えられてしまうのです。
 社会人1年目にどれだけ純粋な思いを持っていても、あるいはどんなに理想に燃えて起業したとしても、資本主義の経済原則から逃れることはできません。したがって、理念を体現するための手段である「売上・利益」を確保せねばならない。適正な利益を得ながら理念を追い求める。経営者も社員も、そのようにして働くからこそ、人間的成長がある。そう考えるべきなのかもしれません。
 しかし、資本主義の現実には厳しいものがあります。特に、1990年代あたりから弱肉強食型の資本主義に変容している。真面目にコツコツ努力して技術力を積み重ねても経営が成り立たない。そんな事例が増えています。「誰一人取り残さない」どころか、置き去りにされる企業、人があまりに多いと感じるのです。
 SDGsの17の目標と169のターゲットは、「世の中の困りごとを解決する」という本来の仕事の目的を思い出させてくれるものといってよいでしょう。と同時に、ターゲットが具体的に示されています。2030年までに達成すべき長期ビジョンなのです。
 企業経営者であれば、自社のビジョンを社員に伝えたり、WEBサイトや会社案内等で広く公開しているのではないかと思います。その際、SDGsとの関連性を明らかにすると、よりメッセージが明確に伝わることでしょう。SDGsウオッシュ(SDGsを行っているふりをすること)は禁物ですが、自社の経営理念、経営ビジョンとSDGsを関連づけることで、経営者も社員も本来の目的を思い出すようになっていくはずです。
 人は誰もが純粋な思いを持っています。けれども、現実の競争社会の中で目的が置き去りにされてしまい、手段に振り回されてしまう人が多い(僕もその一人です)。仕事中にずっと振り回されることになったとしても、一日の始まりである朝には、「今日こそ理念、ビジョンに向かって働こう」と思うこと。そうすれば、自社の経済活動もいくぶん理念的、SDGs的になっていくのではないかと思います。

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