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偶然経営仮説12 いきなり後継者タイプ

偶然経営仮説12 いきなり後継者タイプ

おはようございます。
 午前10時、S氏による新サイトの説明会に参加する。これまでよりも使い勝手がそさそうだ。午後は調べもの、講演準備等。3時、業績アップオンラインセミナー第8講。最終講となる。5時過ぎ、早めの夕食。6時、同友会事務所とZOOM接続。マイクの確認をしてから、別なパソコンのメンテナンス。6時半、あすなる会臨時総会。7時15分開始の7月例会から参加する。7時20分から1時間講演。テーマは「何のために経営しているのか? ~後継者にこそ求められる経営指針成文化~」。用意したスライドは65枚。詰め込みすぎた。ハイペースで話を進めていく。若手の参加者が多いから、1.2倍速で話しても伝わるに違いない。例会後半はグループ討議。討議のテーマは「経営者として何を成し遂げたいか?」。9時15分頃例会終了。

一生続く問い

あすなる会というのは、中小企業家同友会とかち支部の部会のひとつ。後継者のための勉強会組織。本当は僕も社長になる前にここで勉強したかった。僕は入社半年後に社長になりましたが、たとえ1年間でも勉強の期間があったなら、ここで修業を積むのがよかったでしょうね。
 後継者は「最初から継ぐつもりでいる人」と「跡を継ぐつもりはなかったという人」の2タイプに分かれます。僕は後者。少なくとも、意識レベルでは38歳まで継ぐつもりはありませんでした。たぶん、あすなる会のメンバーの人たちの中にも、あるいは卒業して社長になった人の中にも「継ぐつもりはなかった」という人が少なからずいることでしょう。
 ただ、潜在意識のレベルではどうだったのかというと、何ともいえませんね。30代半ばになってから、何度か夢の中に出てくるようになったのです。ソーゴー印刷の朝礼で話をしている自分の姿が。うわっ!と思いましたね。また、その頃から東京の夏がやけに蒸し暑く感じられるようになっていきました。冷涼な気候を求めている自分がいる……。
 他にもいくつかありますが、大きな意思決定をする前には予兆のような出来事が起こるものです。それが何を意味しているのか、察知できることが望ましい。僕は鋭いタイプではないので、イエスかノーか、回答を迫られることになって帯広にUターンするという決断をすることとなりました。
 後継者の中には、僕のように準備期間がほとんどないまま社長になるという人がいます。最初から継ぐつもりでいる人のほうが、当然ながら安心感、安定感があるといってよいでしょう。僕のような「いきなりタイプ」はリスクが高い。あえてメリットを挙げるとするならば、異業種のことを知っており、自社をある程度客観視することができるという点にあります。
 業界に精通しているほうがよいのか、門外漢のほうがよいのか。こればかりはフタを開けてみなければわかりません。僕は印刷とは無関係ではないが、異業種に身を置いていたため、印刷産業の抱える問題と矛盾について気づいていました。問題はまだ解決していませんが、変えていくべき方向性はある程度理解しています。この点だけはよかった。しかし、経営者として当然知っておかねばならない重要事項が欠落している。周囲のカバーがなければ社長が務まらない。ここが僕の弱点のひとつです。
 いきなりタイプの経営者は、偶然が重なって社長になったという気持ちに傾きます。それはたぶん最初の数年間。その後、「何か理由があって社長になったはずだ」と考えるようになる。少し深く考えれば、偶然というのはあり得ないことがわかります。後継者を指名する際には、考えに考え抜いて決断するわけです。少なくとも数ヵ月前、あるいは数年前から考え続けて、ひとりに絞り込む。先代にとって偶然が入り込む隙間はない。
 一方、後継者のほうはそこまで考えが及ばないことが多い。だから「いきなり」と感じてしまいます。このギャップを埋める作業が、経営指針成文化であり、「何のために経営しているのか?」という自分に対する問いなのです。この本質的な問いは一生続きます。次世代にバトンタッチするまで問い続けることになるのではないかと思います。 

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