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第5話 インキとインク

第5話 インキとインク

おはようございます。
 今日から4月。明日月曜日は入社式。早いものです。今年に入ってからさまざまな動きがありました。そして今も動き続けている。このペースで変わり続けていくと、年末までにはずいぶん違った会社になっているのではなかろうか? 
 人が成長するように、会社も常に変わり続けています。18年前と今とを比べると、我が社は別会社のように変わりました。僕はそれでよかったと思っていますが、全員がそう思っているかどうかはわかりません。ただ、僕としては「明るく楽しい会社」のほうがいいですね。

社風と関係あるか?

印刷会社で使う原材料といえば、真っ先に思い浮かぶのは「紙」と「インキ」です。
 2000年5月、ソーゴー印刷に入社したとき、「ああ、僕は印刷会社に入社したんだ……」とぼんやり考えていました。当たり前ではありますが、印刷会社的な印刷会社だと感じたのです。
 僕の解釈では、紙は「神」に通じる言葉。だから、全員ではありませんが、印刷会社の中には聖職者のように働いている人が多い。全業種の中でも真面目といいますか、仕事に対する真摯な取り組み姿勢が感じられます。僕の前職が真面目でなかったため、そう感じたのかもしれません。
 で、真面目であるのはよいことなのですが、僕は同時に「インキ」なものも感じたのです。2000年当時のことで、今はずいぶん雰囲気が変わったと思います。
 10数年前、来社した某インキメーカーの営業パーソンもさわやかな笑顔で言っていました。
 「うちは、インキな会社ですから……」
 その会社は数年後に社名変更。「インキ」という文字が消えていました。なるほど、そういうことかと思いましたね。
 それはともかく、「真面目でインキ」というのが僕の印刷会社に対するイメージだったのです。「この社風を変えよう」というのが、入社後最大のテーマとなりました。

2002年には社風改善委員会ができ、目に見えて変わっていったと記憶しています。2002年から2003年にかけて、我が社は大胆に変わっていくことになりました。
 そうした動きと関係があるのかないのかわかりませんが、使用するインキも変わっていった。社風との関連性は不明なまま。ただ、我が社の社史においては、ここもひとつの注目点と捉えています。
 もともと印刷用インキは、石油系の鉱物油でした。環境にも人体にもよいものではありません。正確にいつから替えていったのかわかりませんが、僕が入社してさほどたたないうちに、「大豆インキ」が使われるようになっていました。ただ、僕個人としては大豆インキのにおいは好きになれなかったな……。石油系のほうがいいにおい。
 今は大豆インキではなく、「ベジタブルインキ」が使われるようになっています。そもそも大豆は食べ物ですから。非食用の植物油に替えられるのであれば、そのほうがいいですね。
 そんなわけで、インキはインキなのですが、ずいぶん健康的なイメージに変わった。印刷生活においては大きな出来事と捉えるべきかもしれません。

さて、僕は幼少時代にインキを練って遊んだことがある……と以前書きましたが、小学校高学年になると「インク」に目覚めることになりました。万年筆がほしくなったのです。最初に買ったのはセーラー万年筆で価格は1000円。次にパーカー、モンブランがほしくなり次々購入。買ってもらったのか、小遣いをためたのかは忘れました。ただ、書きやすいのは国産万年筆であることがわかりました。
 インクは英語、インキはオランダ語。意味は同じなのですが、日本人の多くは両者を微妙に使い分けていると思います。
 万年筆に使うのはインク。インクジェットプリンタもインク。印刷関連業界以外の人の大半は、「インク派」といってよいでしょう。
 一方、印刷会社は圧倒的に「インキ派」です。印刷用のインキを「インク」と呼ぶ人はほとんどいません。お客様に説明するとき、たまに「インク」と置き換えて話すことがある程度。
 両者の違いはどこにあるのでしょう? 印刷用かどうか別として、粘度の違いが大きいのではないかと僕は想像しています。
 万年筆のインクもプリンタのインクも、シャバシャバしていますよね。完全な液体。印刷用のインキはというと、液体ではなく、ベタベタ、ヌルヌルしています。子供の頃、チューブ入りのチョコレートがありましたが、あんな感じです。謄写印刷でも活版でもオフセットでも、印刷用インキといえばヌルヌルのゲル状なんですね。
 印刷関連ではインキ、それ以外の人はインク。だから、インキな人は印刷会社に集まっている……と思ったら大間違い。そう申し添えておきましょう。
 僕は筆記用具への関心度が高く、出会った人がどんなペンを使っているのか非常に気になります。やはり一番多いのはボールペン。そして、最近増えていると感じているのは、実はゲルインクのボールペンなんですね。ゲル状のゲル。ですから、ヌルヌルしたもの。僕の分類ではインクではなくインキなのです。
 「隠れインキ派」が増えているというのが僕の読み。ちなみに油性インクはもっとヌルヌルですから、これも「インキ」と呼ぶべきでしょう。あと、マジックインキをよく使うような職種の人もインキな人ということになりますね。
 話は印刷生活でなくなってしまった感がありますが、印刷に欠かせないインキも時代とともに変わり、それが我が社の社風、企業文化に何かしらの影響を与えているのではないかと考えることがあります。

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