
おはようございます。
午前9時半、運転免許試験場へ。僕はずいぶん長い期間、無違反を続けてきた。てっきり人生初のゴールド免許……と思ったが、案内ハガキにはしっかり「違反講習」と記されていた。初ゴールドは次の更新時となるだろう。2時間講習を受ける。12時15分帰宅。午後は事務的作業とミーティングの準備。出張のため、久しぶりにネットで宿の予約をする。5時から自宅でミーティング。メンバーは僕を含め5名。この人数なら、我が家でもソーシャルディスタンスを保ちながらミーティングすることができるな。ZOOMではできにくい内容の話(やろうと思えばできるだろうが)。7時前には議論が尽くされ、ひとつの結論に到達した。僕はかなりスッキリした。たぶん、みんなある種のスッキリ感を得たに違いない。
最低10年続ける
抽象化して書くと、たぶんこういうことではないかと思います。
僕は登山をしたことはありませんが、登山にはいくつものルートがあるものです。登山口が複数あったり、入口は同じでも道が分かれていたりします。山頂へ到達する方法はひとつではないんですね。
プロジェクトを山に例えると、目標達成の方法はひとつではない。ひとつの正解があって、他が不正解というわけではありません。したがって、みんな自分の過去の経験と照らし合わせて、「これが正しい」という自分なりの方法を考える。その結果、目標は共有しているのだけれど、意見の相違が生じてしまう。
チームでひとつの山頂を目指す場合、「各自好きな登山口から登って山頂で合流しましょう」ということにはなりません。したがって、ルートをひとつに決めなければならない。その際、判断基準となるのは「全員が登れるルートなのか」「我が社らしい登り方なのか」「美しい風景と出合うことができるか」といった要素です。
避けるべき選択は「道が途中でなくなっている」とか「生命の危険にさらされる」ようなルート。新規ビジネスでは道なき道を進むことになりますから、一歩踏み出したら地面がなくなっていた……ということも起こりうるんですね。リーダーがそのような道を選択したら、大変なことになります。
100%安全なルートなどありません。また、安全確実なルートばかりを選んでいたら、いつまでたっても山頂にはたどり着かない。より困難な道を選ぶ。これも、リーダーとして不可欠な人生態度でしょう。困難ではあるが、険しい道を乗り越えた先に美しい風景が広がっている……。そのイメージをメンバー全員が共有できるかどうか。昨日の2時間のミーティングでは、その風景が少し垣間見えたような気がします。
風景は必ずしも「絶景」である必要はないのです。我が社の70年近い社歴と照らし合わせて、美しいと感じることができるかどうか? ここが僕にとっては非常に重要なポイントとなります。
我が社は印刷業として66年、月刊しゅん創刊からは22年、northern style スロウ創刊からは16年。長く続けてきたからこそ見える風景がある。長く続けたから偉い、と言っているわけではありません。けれども、志を持って事業を興し、逆境だらけの創業期(創刊期)を持ちこたえ、世の中にその存在を認められるようになっていった。その事実は重い。
何事もそうですが、10年続けるというのは大変なことなのです。たとえば、新卒で入社し、努力を積み重ねれば、3年くらいで一通りの仕事ができるようになるでしょう。けれども、最低10年続けないと見えない世界がある。「ひとつの会社に長く勤めればよい」という意味ではありません。ひとつの道を最低10年続けてみる。編集者であれば、編集者として10年生きてみる。すると、世界の見え方が違ってくる。道が定まっていない人には見えない風景が見えるようになってくるのです。
印刷業という業態は絶えず変化し続けています。しかし、その中にも創業時から脈々と受け継がれている理念があり、コアとなる事業活動がある。社内には有形無形さまざまな資源(資産というべきか)があって、その気になれば活用可能です。若手の人は「一から作りたい」という欲求が強く、社内の資源を有効活用しないケースが多い。このちょっとした意識のギャップを埋める努力が欠かせない。「風景を見る目」を持った人を社内に増やさねばなりません。
