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リフレーミング53 有能タイプと一芸タイプ

リフレーミング53 有能タイプと一芸タイプ

おはようございます。
 午前中は社内報の原稿執筆。手間取っているうちに昼を迎えた。午後1時15分出社。1時半来客。印刷業界の話。2時半帰宅。事務的作業。4時、北海道印刷工業組合青年部委員会WEB会議。事業計画、各地の情報交換等。6時からはとかち機構の理事会。7時頃終了。昨日は僕にとって記念日だったが、お祝いは土曜日に行うことにした。

一芸+異質な何か

昨日は印刷事業について考える日となりました。印刷業界の強みと弱みは同じところにあると僕は考えています。
 それは「真面目であること」。真面目というのは基本的にはよいことなのですが、その真面目さがプラスに作用していたのは、高度成長期までだったのではないかと思います。バブル崩壊後、真面目な印刷業界は次第に手詰まりになっていった。僕は2000年春まで、異業種の立場で印刷業界を見ていました。真面目で固い。そんな印象の業界でした。
 不真面目なのは論外ですが、真面目では激変期の中で何をどうすればよいのかわからなくなってしまう。今求められるのは「超真面目」という姿勢でしょう。僕もソーゴー印刷に入社して20年。ちょっと真面目になっている自分を感じます。外形的に不真面目そうに見えるほど、超真面目にならねばならない。そんなふうに思っているところです。
 ただ、印刷業界全体を見渡してみると(全体といっても、僕の知っているのはごく一部ですが)、真面目路線で素晴らしい経営をしている印刷会社も少なくありません。真面目なまま激変する環境に対応できている。これはすごいことだと思います。単なる真面目では弱いけれど、そこに「有能」が加わると強みとなる。有能で真面目。これは僕には真似できない強みですね。
 僕は文系でも理系でもなく、芸系(写真学科)なので、ビジネスの面では「有能」とはなりにくい。ただ、一芸はある。要は、スペシャリストタイプなのです。一芸の場合は「真面目」と結びつけても、さほど大きな強みとはなりません。真面目で一芸を持つ人は世間に大勢いるからです。一芸の人は超真面目な自分をつくらねばなりません。
 会社も同様でしょう。有能タイプの企業は真面目路線で成長することができる。一芸タイプの企業は普通のやり方ではうまくいかないのではないか? 僕は印刷業界の強みと弱みを考えたとき、印刷会社として積み重ねてきた強みに「異質な何か」を組み合わせる必要がある、と思っています。ところが、真面目な頭のままだと、「異質な何か」が何なのかイメージできないんですね。
 本当は「真面目に努力すれば報われる」という世の中のほうが健全であるはずです。しかし、世界はそうなっていない。だから、一部の有能タイプの人や企業を除いて、印刷会社の大部分は超真面目路線に切り替える必要がある。全員が超真面目ということにはならないでしょうから、超真面目な人が複数名(組織全体の5%以上)いるような企業に変えていかねばならない、と僕は思っています。
 そして、超真面目より真面目路線のほうが自分には合っていると思う人は、一芸ではなく、「二芸」「三芸」を目指すべきだと思うのです。印刷業界の人であれば、一芸にしがみつく危険性を歴史から学ばねばなりません。歴史といっても、ここ2、30年話。DTPによって消えていった職種があることを思い出す必要があります。
 自分が保有する能力にどれだけ耐用年数があるのか。そこを想定するべきでしょう。当然、一芸ではもたないことがわかるはずです。自分の専門分野の周辺に第二、第三の能力を築き上げていけば、環境が変化しても対応できるに違いありません。
 人類に第3の情報革命をもたらした「印刷」。そして570年の歴史を持つ印刷産業は素晴らしい業界なのですが、今のままでは成長イメージを描くことは困難。異質なものを組み合わせることで、次の500年(ちょっと大袈裟か?)に向けて可能性が見えてくる。そういう議論を社内、業界内で活発に行う必要があると思っています。

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