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取材記録08 ニッチな仕事

取材記録08 ニッチな仕事

おはようございます。
 午前9時半出発。途中で風景撮影をしようと思ったが、2、3カット撮っただけで目的地の恵庭に着いてしまう。取材は午後1時から。次号の特集テーマに沿った取材なのだが、M氏も僕も仕事の中身のほうが気になった。かなりニッチな分野の仕事。しかも、それを道産素材を使って行っている。企業ではできないようなことが、やり方次第で個人では可能となる。3時20分、取材終了。6時半帰宅。

働き方改革が加速する

インターネットの時代だからこそ成り立つ事業形態。さまざま考えられます。取材を通じて、そうした人を数多く見てきました。通信と物流が発達すると、全国どこにいても仕事がしやすくなる。つまり、自分の住みたい場所で仕事をすることができるようになる。これは20年くらい前までは考えられなかったことですね。
 かつては、仕事のジャンルがニッチになればなるほど、大都市でしか成り立ちませんでした。昨日取材させていただいたSさんの仕事であれば、札幌でも成り立ちにくいに違いありません。東京なら可能でしょうが、店舗をもってやるにはリスクが高い。僕らも東京で事務所の他に店舗を持ったことがありますが、ほとんど家賃を払うために働いているような気持ちになってしまうものです。
 ネットを介したビジネスができるようになって、その恩恵を感じている人は思っている以上に多いのではなかろうか? 資本主義が発達すると、大都市に人が集まるようになる。その結果、世界中どこも大都市への人口集中と地方の過疎化が進んでいます。しかし、通信と物流がさらに発達していけば、人の動きは逆転する可能性がありますね。
 今年はコロナ禍という特殊な状況にあるため、うかつに判断することとはできません。しかし、今年7月から10月まで、4ヵ月連続で東京都が転出超過になっています(11月の結果はまだわかりません)。
 これはテレワークする人が増えたためと考えてよさそうです。以前取材した人も、本州の企業に在籍したまま、北海道に移住していました。コロナが終息すると東京一極集中に戻るのかもしれませんが、一部の人たちは「自由な働き方」を見つけ、それを実践し始めています。技術面でも環境面でも、それが可能になりつつある。
 ただ、企業に籍を置いて毎日通勤することに安心感や働く喜びを見いだしている人も多いことでしょう。僕も「ほぼテレワーク」という働き方をしていますが、そうした働き方ができるのは会社のすぐ裏に住んでいるためかもしれません。ZOOM会議を頻繁に行う一方、少人数の場合は自宅でリアル会議も行うようになっています。直接顔を合わせるメリットは確かにありそうです。
 フリーランスであっても会社員であっても、「直接顔を合わせなくても働ける」と割り切ることができれば、仕事の自由度は大幅に拡大させることが可能となります。企業の場合も、「お客様と直接顔を合わせなくてもビジネスが成り立つ」と思えば、会社の所在地は関係なくなる。送料の点では北海道にいると割高にはなりますが、さほど気にせず購入してくれるお客様も少なくありません。
 働き方改革は国や企業が考える以上に、大きく変わっていく可能性があるのではないか? 今年はコロナ禍で不自由な取材活動が続きましたが、その一方では自由な生き方、働き方を追い求めている人たちとも出会うことができました。もちろん、「自由」に生きるのは大変なことに違いありません。自由を追えば追うほど不自由さに気づくこともあるでしょう。当然、リスクも大きいわけですが、それでも「自由」を選ぶ人が増えていくような気がします。
 企業経営者として考えるのは、「会社員でありながらフリーランス並みの自由度を実現する道があるのではないか」ということ。数年前から検討してきたテーマでもあります。コロナによって現実味を帯びてきた。先行する企業の事例を研究してみようと思っています。

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