
おはようございます。
午前9時半、某プロジェクトのミーティング。一気に結論を出したいと思ったが、踏みとどまった。11時、R社さんを訪問。午後1時半、面接。デジタルラボの2人にも同席してもらう。3時過ぎからは、校了に向けての最終的な校正作業。あとは事務的作業。興味深い話がいくつかある。さまざまな会社がコロナ禍で何とかしようと動いているようだ。
耐えるか、動くか
逆風が吹いたとき、人や企業はどのような行動に出るか? たとえば、昨年からのコロナ禍で、自分はどのように行動してきたのか。ここを振り返ってみると、自分の逆境時の意思決定の仕方や行動パターンが見えてくるのではないかと思います。
じっと耐える。そう決めて、余計なことを極力しないようにしている人も多いでしょう。それもひとつの方法。ですが、今回のコロナ禍でもこのやり方が通用するかどうか、僕にはよくわかりません。社会も人も大きく変わってしまいましたから、自分や自社も変わらないわけにはいかない。僕はそのように考えています。実際、変わるために努力している人・企業が僕のまわりには多い。
逆風が吹くと、むやみやたら動き回る。そういうタイプの人もいるはずです。僕にもこの傾向がちょっとだけありますね。逆風の度合いにもよりますが、新しいものに飛びつきたくなる。20年前の逆風時には、よく考えずに飛び込んで失敗したものがいくつかありました。じっと耐えるタイプの人たちは、きっと「そら見たことか」と思ったことでしょう。
しかし、致命的失敗以外の失敗は、多くの場合よい経験になると捉え直すべきでしょう。エジソン風に言えば、「上手くいかない方法を発見した」ということですね。むやみにチャレンジするのがよいというわけではありませんが、チャレンジする回数が増えれば、いつかは成功する。たとえ小さな成功であっても、それによって自分・自社を成長させることができる。可能性を感じるものであれば、チャレンジする価値はあると考えるべきでしょう。
どういう拍子か、10数年前に種を蒔いたものが、今頃になって芽を出す……。そんなことがあります。僕はすっかり忘れていたのに、誰かが覚えていた。そんなケース。数年に一度、そうしたことが起こり、少しビックリすることがあります。数日前にも不思議な打診がありました。これはどのような種類の偶然なのだろう?
たぶん「逆風」によるもの、というのが僕の推論。コロナ禍で困っている人、困っている企業は極めて多い。と同時に、これまでやったことのないチャレンジをする好機とも言えます。社会全体、会社全体が危機的状況にありますから、大胆な行動をとりやすい。現状を打開するアイデアはないか、過去にさかのぼって調べたり、自分の記憶をたどったりする人が増えているに違いありません。
そうすると、10年前、20年前、ときには30年前にチャレンジし、失敗、挫折、中途半端な結果に終わったようなものが再浮上してくるかもしれません。とりわけ、中途半端に終わったもの。そこには「もう一度やってみたい」という気持ちが記憶とともに残っている。そうした残留物が逆風によって、目の前に運ばれてくるんですね。
今、僕の目の前には、25年くらい前に中途半端な結果に終わったプロジェクトが再浮上しています。これとは別に、14年くらい前の中途半端だったプロジェクトについて再提案されている。異業種、それも取引実績のない企業からの提案もあります。ですが、僕の過去の記憶をたどっていくと、これは23年前と同じパターンだな……などと気づく。
逆風に運ばれてやってきた偶然をどのように捉えるべきか? 大別すると「明らかに失敗するもの」「過去に失敗したが、やり方を変えればおもしろいもの」「大きな可能性を感じるもの」の3つがあるでしょう。
ひとつ言えることは、年を重ねて判断材料が増えたということ。「明らかに失敗するもの」がわかるようになった。その結果、可能性のあるものにチャレンジできる。ここが大きいですね。