
おはようございます。
午前中はデータの修正と入稿作業。最終の印刷データであるため、見落としがないか慎重に進めていく。他にスロウ次号の準備等。昼は帯広ロータリークラブ例会。作業に時間がかかったため、昨日はZOOM参加。午後1時50分出社。3時15分、同友会とかち支部I事務局長とともに会員企業訪問。2社を訪ねる。6時15分帰宅。5分で夕食を済ます。6時半からは、日創研経営研究会全国同日3月例会……と思いきや、ZOOMのIDが見つからない。それもそのはず、事前登録を忘れていたのだった。こういうこともある。あきらめるほかない。
広がる裾野をプラスの捉える
ひと口に入稿といっても、いろいろあります。昨日僕が行ったのは、完全データ入稿。このデータをそのまま印刷してください、というものです。
DTPの普及期、1990年代から2000年代前半にかけて、全国各地の印刷会社は非常に困っていたのではないかと思います。完全データとして受け取ったデータが「不完全データ」だった……。たぶん、今でもありそうな事例ですね。20年前は、奇想天外な(?)データに出くわすこともありました。
それとは異なり、編集者が「入稿」という言葉を使う場合は、テキスト+写真+ラフをセットにしてデザイナーに渡すことを指します。まだ、「素材」という段階。しかも、編集者は原稿を書くことに全神経を集中しますから、テキスト自体かなり不完全です。入力ミスもけっこうある。校正を2、3度繰り返して、最終的にはデザイナーが完全データをつくります。
僕が完全データをつくるのは、たぶん年4、5回程度でしょう。やり方を忘れることはありませんが、「これでよいのか」ちょっと心配になることがあります。インデザインでつくったものは、PDFに変換して入稿します。プリセットでどれを選んだらよいのか。最初はまったくわかりませんでした。
それでも、PDFで入稿するようになってから、ずいぶん簡単になったような気がします。よくわからなかった頃は、フォルダに素材を全部入れて入稿していました。受け取った人はきっと迷惑だったでしょうね。
顧客にとって、完全データ入稿のハードルはいくぶん低くなりました。ただ、心配性な人にとってはまだまだ心理的ハードルが高い。このハードルを一気に下げる方法はないものか? さすがに一気にというわけにはいきませんが、有望なシステムが構築できそうです。実現するのは数ヵ月後になるでしょう(もっと早いかもしれません)。
一方、心理的ハードルを感じていないという顧客も一定程度いるに違いありません。一太郎やワードでつくったデータをそのまま印刷してくれ……といった事例。それも不可能ではありませんから、きっと我が社もさまざまなソフトで作成されたデータを受け取っていることでしょう。
もしかすると、心理的ハードルを感じる必要はないのかもしれません。家庭用インクジェットプリンタで出力できるものは、そのままオフセット印刷も可能……。そんなふうに言うと現場の人に怒られそうですが、両者のギャップはかなり埋まりつつあります。
印刷業界の市場は縮小しているように思えますが、実際のところは「オフセット印刷からインクジェットにシフトした」という要因が大きいのではないでしょうか? 規模の大きい会社なら、オンデマンド印刷機を備えているところもあるでしょう。以前なら印刷会社が印刷していたものを、今は一般企業が内製化できるようになってきている。
そうなると、印刷会社は「特殊技術を売りにする」か「価格を下げる」か「事業領域を広げる」しかありません。これをマイナスに捉えるのではなく、むしろ「印刷の裾野が広がった」と考えるべきですね。世の中全体、デジタル化が進んでいますが、多くの人は今でも紙媒体に親しんでいる。そこには「プリンタ出力のレベルでは満足できない」というニーズが必ずあるはず。コンテンツ力と印刷技術力を高め、「モノとしての価値を持った印刷媒体」を生み出す。このあたりに、印刷会社の目指すべき方向性があるような気がします。
