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写真家的業務改善行動76 取材方法の違い

写真家的業務改善行動76 取材方法の違い

おはようございます。
 会社2階のタイルカーペットを張り替える作業日。午前9時半、僕も作業に参加しようとラフなスタイルで出社。すると、みんな普通に働いているではないか。床を見るとすでにきれいになっている。1時間もかからず作業が完了したらしい。手持ち無沙汰な時間を過ごしてから帰宅。その後はスロウ68号に向けての準備作業。調べ物は午後3時半まで続く。4時、ZOOMでミーティング。5時45分、仕事を終える。

ネットの功罪

僕は取材前にあれこれ調べるタイプです。このあたりは個人差があって、「しっかり調べる人」と「白紙に近い状態で取材に臨む人」とに分かれるようです。後者のタイプの場合は、相当な知識と経験が必要ではないかと思います。どのような場面でも取材力を発揮することができる。そんなスキルが求められるからです。
 ネットを使えばほぼ何でも調べることができる。そんな気持ちになることもありますが、僕の取材テーマの場合、必要な情報にまでたどり着かないことが多い。もちろん、通り一遍の情報であれば簡単に入手できる。しかし、ある程度以上のことはネットには載っていない。何でもわかってしまえば、取材する意味が薄れてしまいます。僕にとってはこのほうがありがたい。
 何年か前、誰かが「必要な情報は検索画面の1ページ目には載っていない」と話していました。SEO対策をしっかり行っているサイトが上位に表示される。だから、2ページ目から探すのだそうです。確かに上位に表示される情報は期待外れのことが多い。薄い情報と濃い情報を見分ける目が求められるということでしょうか。数秒の時間のロスが積み重なって、1時間、2時間費やすこともある。そうして、あれこれ迷いながら調べ物をしていると、「ネットに依存してよいのか?」という別な疑問が湧いてきます。
 そういえば、調べ物をするために図書館や本屋さんへ行く機会がめっきり減りましたね。そして、書物から情報をインプットする場合でも、情報は今すぐほしい。そう思ってしまいます。その結果、取材活動の場合は電子書籍を購入することになります。
 取材のための準備作業は20数年前に比べるとずいぶん変わりました。スロウ編集部は「現場主義」を基本としていますが、いきなり現場では時間のロスが大きい。事前調査してから確認のために現地へおもむき、後日取材申し込みという手順がスロウでは一般的でしょう。
 僕の東京時代、インターネット普及前は、もっとハイリスクな取材方法でした。他誌やガイドブック、パンフレット等で調べて、電話で取材を申し込む。実際に訪ねてみると、事前に入手した情報と全然違う……ということがありました。二次情報、三次情報の危うさはわかるものの、他に方法はありませんでした。それも現地取材するのはよいほう。低コストで記事を制作する際には、電話、FAX、郵便を使って「取材」し、写真も取材先から送ってもらうことがありました。当時のガイドブックではそれもありだったのでしょう。今では考えられない取材スタイルですね。
 スロウ創刊にあたって、どんなに遠くても直接取材に行くという編集方針を掲げたのは、僕にとっては画期的な出来事でした。新卒で我が社に入社した人たちは「現場主義」を当然のことと思っていることでしょう。そして、ネットで調べ物をするのも当然だと考えている。便利さゆえに、何か失われてしまった力があるような気がしてなりません。
 昔よりも今の取材プロセスのほうが圧倒的に好ましいのですが、「失われた何か」が僕にはどうも引っかかります。ネットから得られる情報には、意味が薄いのに意味ありげに思えるものが多く含まれているからです。意味の薄い情報に自分が影響されるリスクがある。ものを見る目。自分で考える力。本質を見いだす感性。仕事を通じて磨いていきたいものです。

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