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一から始める自費出版05 電子書籍による自費出版

一から始める自費出版05 電子書籍による自費出版

おはようございます。
 半分仕事、半分休日という一日。午前中のうちに社内報原稿を仕上げる。5000字の原稿を一部修正。オーディオブック版を作成。リンクするQRコードを付けた。もうひとつの原稿は1時間弱でできた。一通り送った後、社内報チームからリクエストがあったことに気がついた。原稿を追加する。この他、大量のモノクロ作品をスキャン。30年前の写真をデジタル化していく。夕方、買い物へ。

電子書籍による自費出版

近年、増えつつあると思われるのは、電子書籍による自費出版です。「思われる」と書いたのは、実際のところどのくらい点数があるのか、よくわからないため。また、電子書籍の解釈も人によって異なるに違いありません。ライト出版同様、出版物かどうか曖昧なものが数多く含まれているのです。
 電子書籍の歴史は実に1970年代にまでさかのぼるそうですが、一般にはAmazonが「Kindle 1」を発売した2007年からと考えてよいでしょう。ここから急速に電子書籍が広がっていきました。我が社(ソーゴー印刷・クナウマガジン)は、2010年に電子書籍「オソツベツ原野の廃屋から」を出版。日本版のKindleストアが開設される2年半前のことです。
 その後、日本でも急速に電子書籍の時代が到来……と思いきや、そのようにはなりませんでした。普及が進んでいるのは中国83.2%、韓国53.0%、アメリカ51.9%、イギリス46.0%。日本は24.2%。2016年度の調査なので今はもっと普及しているとは思いますが。
 日本での普及が遅れている要因は、「日本人は紙の本が好きだから」といった理由もありますが、他にもいろいろありそうです。出版社側の都合としては、案外手間がかかるのに思ったほど売れない。また、著作権上の問題があって出版に至らないというケースも多いに違いありません。
 読者の立場からすると、紙の本とさほど価格差がなく、電子書籍のメリットが感じられない点が大きいと思われます。また、タブレットやスマホで読むと目が疲れるし、eインクを使った電子書籍端末はまだ保有している人が少ない。このため、日本ではスマホで読むマンガ本が普及しているものの、一般の書籍が読まれるようになるには、今しばらく時間がかかりそうです。
 しかし、これは商業出版としての電子書籍の話。僕は電子書籍で自費出版を行うメリットは十分あるのではないかと考えています。
 自費出版は商業出版に比べると、少部数で発行することになります。商業出版は初版数1000部というのが一般的。自費出版では、1000という単位はまずありません。50部、100部あればよいという人も多いのです。印刷物というのは、大量につくっても少量でも制作費は変わりません。もちろん、用紙代やインキ代は違ってきますが、一冊あたりの単価で考えると、小ロットになればなるほどコストがかさんでくるのです。
 2020年のコロナ禍をきっかけに、日本でも電子書籍がじわじわと読まれるようになってきています。実際に電子書籍端末を手にすると、紙の本を読むのとさほど変わりないことに気づくことでしょう(質感はかなり違いますが)。むしろ、たくさんの本が一台の端末に収められているメリットを感じるのではないかと思います。
 一般の人が電子書籍を作成するには、現時点ではまだちょっとハードルが高いというのが現実です。見栄えのよい電子書籍をつくるには、電子書籍制作ノウハウを持つ印刷会社に依頼するほうがよいでしょう。それでも紙の本をつくるよりも、コストは低く抑えられるに違いありません。
 販売を目的とするならば、電子書籍制作後、販路をどうするのかという別な問題が発生しますが、知人に配る、無料で配布するということであれば、データを送ったり公開するだけで目的を果たすことができる。電子書籍であれば、送料を気にすることなく、遠方に住む知人、親戚にもすぐに読んでもらうことが可能です。
 営利を目的としていない自費出版だからこそ、電子書籍で出版する価値があるのではないかと僕は考えています。

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