
おはようございます。
午前8時半、朝礼。朝礼後、危機管理テストが行われた。9時、遠軽に向けて出発。M氏と僕、そして今月からスロウ編集部に加わったY氏。遠軽まで約3時間。予定より1時間ほど早く到着。待ち合わせ場所の道の駅で昼食。といっても昼食は車内。M氏の握ったおにぎりを食べる。午後1時少し前、取材相手のひとりであるEさんと合流。Mさんの自宅へ。Mさんのリビングには数多くの作品が飾られていた。才能と精力的な活動に驚かされる。取材は2時間弱。帯広へ向かう途中、9年ぶりとなる出来事があった。6時過ぎ帰宅。
編集者の仕事
僕は元来フォトグラファーであり、編集者やライターとしての仕事力は働く中で身につけた能力。したがって、根っからの編集者には敵わないな……と思うことが多いですね。フォトグラファー的な視点の延長としてライターになることはできても、編集者的な視点ではプロレベルには到達していない。そう感じることがときどきあります。
自力で一冊の本をつくり上げることはできるのですが、編集者という立場で著者の本づくりをサポートすることはたぶん僕にはできないでしょう。我が社ではこれまで数多くの自費出版を手掛けてきました。その多くは、社内の編集者やアドバイス経験豊富な営業パーソンの力によるところが大きい。
どんなに「書きたい」「本を出したい」という強い意欲をもっていたとしても、編集者あるいはアドバイザーのサポートなしに、自力で一冊の本の原稿を完成させることのできる人は稀ではないかと思います。小冊子程度の文章量であれば自分の力だけで完成させられるかもしれません。けれども、単行本であれば最低5万字くらいの文章量となります。慣れていない人であれば、書き始めて間もなく、途方に暮れてしまうことでしょう。
これから自費出版しようとする人には、大きく2つのタイプがあるのではないかと思います。
ひとつは、すでに書きためている文章が手元にあるという場合。たとえば、新聞、同人誌、会報などに寄稿した文章がたまり、それらを一冊の本にまとめたいというケース。そのような人はプロの書き手に近い。それぞれの文章に一貫したテーマがあれば、本にするのは比較的容易でしょう。編集者は本来の編集業務に徹することができます。
その対極といえるのは、書きたいテーマはあるが、まだ原稿はないというようなケース。しかも、文章力に自信がないという人。そのような場合、編集者には編集の他にライターとしての業務が加わります。
我が社の過去の事例を思い起こすと、営業職と編集者の2名で担当することになるでしょう。ここでの編集者の役割は、原稿づくりをサポートするというよりも、ゴーストライターの仕事に近い。ふだんの雑誌づくりの仕事同様、取材を行って、編集者が文章を書き起こしていく。書き上げた原稿を著者に確認してもらい、次の取材・執筆を進めていく。何度も取材・執筆・確認が繰り返され、一冊の本が完成する。原稿の完成まで数ヵ月、長い場合は1年以上要することもあります。
編集者がゴーストライターとなるケースは、実はさほどめずらしいことではありません。編集者が原稿を書くといっても、文章の中身はすべて著書の頭の中にあるわけです。文章力に自信のない人でも、安心して編集者を頼るべきでしょう。
本書では、著者が自力で原稿を書いて自費出版することを目標としています。やはり、自分で執筆するほうが達成感が大きいことは疑いありません。この場合は、著者の文章力と編集者の編集力によって、本のクオリティが決まることとなります。すぐれた編集者と組むことができれば、書き進めるうちに、自分の文章力が次第に上達していることに気づくでしょう。
本の執筆は自分の能力を開発することでもあります。編集者はそのコーチ役でもあるのです。