おはようございます。
午前9時45分、同友会とかち支部S事務局長とともに会員企業訪問。市内のとあるエリア。4社訪ねる。うち2社はアポなしだったが、タイミングよく話を伺うことができた。移動による時間ロスもほとんどない。効率的な会員企業訪問日となった。午後はたまっていたメールに返事を出したり、写真を選んだり、事務的作業をしたり。あっという間に時間が過ぎていく。数日前にクリーンインストールしたノートPCは劇的に軽くなった。2台のパソコンを1台のように使えるケーブル(スマートリンク)を接続。再び快適な作業環境となった。
7時からは中小企業家同友会とかち支部5月例会。社会福祉委員会発足後、初企画となる例会。講師は(株)リペアサービス代表取締役の富田訓司氏(札幌支部)。緊急事態宣言下にあるため、ZOOMでの講演。演題は「難しく考えないで下さい、障がい者雇用」。70分の事例報告の後、グループ討論、グループ発表、質問への回答。9時10分終了。9時半、帰宅。
ハートのバリアーフリー
富田氏の講演を聴きながら最初に思ったこと。それは、同友会の根幹にある「人を生かす経営」が何より重要であるということでした。と同時に、「何のために経営するのか」という経営理念をつくる際、最初に突きつけられる設問とも深く関連しています。僕はもう20年以上自問自答しています。自分としての答は出ています。しかし、そのときどきの経営状況によって、答が微妙に揺れ動くことがあります。揺るぎないものとするためには業績向上が求められます。
「理念経営への方針転換」と「人手不足への対策」から始まったというリペアサービスの障がい者雇用。確かに、2017年を境に求人しても人が集まらないという状況になりました。全国的な超売り手市場。そんな中、「働き手のブルーオーシャン」と富田氏が語るのが障がい者雇用。これを社会貢献的側面だけではなく、経済的合理性から発想を切り替えた点が、今回の例会では大きな収穫のひとつとなりました。
ひとりの社員にA to Zの仕事ぶりを要求する。そうした自社都合の雇用がボトルネックになっている。「何をやってほしいか」ではなく、「何ができるか」という発想に転換するという話でした。
自分の仕事の中には「自分にしかできない仕事」と「誰にでもできる仕事」があるものです。「業務分解」(作業分解)という言葉が昨日の最重要キーワードだったと思います。誰にでもできる仕事、他人にもできる仕事を任せることで、会社全体としての生産性が高まる。そのことをほとんどの経営者や上司となる人はよく知っています。しかし、つい自分でやってしまう。この発想を変えねばなりませんね。
業務分解することで、雇用できる人が増える。そう考えると、何でも自分でやってしまうという働き方は考え直さねばならないかもしれません。社員のオーバーワークが解消され、障がい者やシニアの雇用機会が増える。富田氏によると、業務分解が「自社の財産」に変化したとのことです。
考えてみると、人口減少社会の中で人材を確保しようとすると、ますます「多様な働き方を受け入れる」という方向へ進んでいくことでしょう。人手不足だからという消極的理由からではなく、それが当然という世の中になっていくはず。グループ討論の中では、ワークシェアリングの観点から多様な働き方についてメンバーからさまざまな話が出てきました。1日8時間勤務+残業という働き方だけがすべてではない。1日4時間とか週3日勤務といった働き方も選択できる職場環境を整えていく必要があります。
リペアサービスでは、身体・精神的条件でできないことはフォローするが、特別扱いはしないとのことでした。また、雇用条件にも差はなく、求めるものが同じであれば一般社員と同条件。社員同士、助け合って働くのが会社の自然な姿ですから、障がいのあるなしは関係ないのでしょう。障がい者雇用のメリットのひとつとして、「社内にやさしい雰囲気が生まれる」と富田氏は語っていました。
「ハードのバリアーはハートのバリアーフリーで乗り切れる」という言葉が印象に残る例会でした。